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イングロリアス・バスターズ(2009年・アメリカ) バレあり感想

あけましておめでとうございます。

2017年一発目の記事は正月っぽさの欠片もない映画レビューです!

 

それと、前回の反省を踏まえてここからネタバレしますとか面倒になってきたので随時ネタバレ前提で書きます!!!!

 

イングロリアス・バスターズ』(原題:Inglourious Basterds)

 

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このポスターね、

右の女性確かに劇中の登場人物の中ではメイン級っちゃメイン級ではあるんですけどね。

ブラピとは一切の絡みが無いんですよね。

そこがまた面白いんですけど。

 

それでこれが劇場予告です↓↓↓

youtu.be

馬鹿映画っぽい空気感がめっちゃ出てます。

馬鹿映画です。

 

 

 

本作はタランティーノ監督の趣向が存分に詰まった一作です。

と言っても僕はタランティーノ長編映画は他に『パルプ・フィクション』しか見たこと無いんですけど。

 

とても簡単に人が死んだり殺されたりします。

ゴア表現も詰まってます。

タランティーノってこういう所も評価されてるっぽいですし楽しめると思いますよ。

 

 

 

簡単なあらすじ!!

時は第二次世界大戦末期。欧州戦線にて。

ナチスを皆殺しにする為に集められたナチ殺しのエキスパート達、その名もイングロリアスバスターズ! 「ナチスを皆殺しにしよう!」

それと昔ナチスユダヤ人狩りから生き残った少女も別ルートからナチスに復讐しちゃうぞ!

 

こんな感じです。

内容とか別に気にしなくていいじゃんっていうスタンスの映画ですね。

 

何せ史実も無視してエンタメに特化してますから。

総統閣下も、何故か日本で人気な広報担当のあの人も、史実とは関係なくバスターズの餌食になります!

皆死にます!劇中に出てくるドイツ人の殆ど(といってもほぼ兵隊やらなんやらですが)が死にます!!ドイツ人どんな気持ちでこれ見るんだよ。

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感想!!

 

映画のタイトルにもなってるイングロリアスバスターズの活躍が一応メインではあるんですが、

後半に向かうにつれて何もかもが殺戮の舞台装置と化していくのでそれすら気にする必要がありません。

 

兎に角フォーカスが当てられてるのが「ナチス共を殺さなきゃ……」の一点のみ。

ここに特化してます。

 

ただ、それだけにシンプルで馬鹿な映画として個人的にかなり楽しく視聴できました。

 

 

キャラクターが良いですね。

これはパルプ・フィクションの時も凄い感じたんですが、個性的なキャラの描き方が上手い印象を受けました。

 

ブラピ演じる主人公のアルドもユダヤ人のショシャナも良いんですけど、

特に気に入ったのがSS(親衛隊)のハンス大佐。

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祖国を裏切って成功を勝ち取る野心家の鏡。

 

物語前半ではユダヤ狩りを楽しんでいる言わばナチスエンジョイ勢みたいな彼ですが、

後半では一転してナチスを裏切って戦争を終わらせようとアメリカ側に付きます。

文章で書くとこんなちょいかっこいい感じになりますが実際にはもっとこうサイコな感じの人です。

 

この人が主にストーリーの軸にいるので、

この人の動向だけ追っていればほぼこの映画は理解できます。

 

そういったようにキャラクターに注視しても楽しめますし、映画の技法の方に注視しても面白い点がいくつかありました。

 

例えばこのシーン。

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ハンス大佐とユダヤ人をかくまってるおっさんの会話シーンです。

片方が話してる間ずっと片方の人物しか映しません。

定点です。

これが何気に今時珍しいというか。

 

映画の会話シーンに限らないんですがだいたい今の映画はコマ割り(シーンカット)は3秒前後って言われてます。

そんな中この映画では長回しが多用されてるんですね。

 

会話シーンでの長回しって無声映画とかの時代の技法で、

そのちょっと後の年代までは使われてたんですが、

メリハリの問題なのか今ではあんまり見かけません。

 

そこに50年代の映画を思わせるようなBGMが合わさってくるので、

映画全体がとてもモダンな空気を纏っています。

 

まぁ結局その上でやってるのがナチス絶対殺すマン達の活躍だけっていう馬鹿映画ですけどね。

タランティーノの拘りなんだろうなって思いながら見てました。

無駄に凝った拘り深い演出と技法で馬鹿なものをやるっていうのがこの映画の面白さの醍醐味だと思います。

 

それに付随して色んなユーモアが織り交ぜられています。

あえてヒトラーを極端に描いたり突然ドキュメンタリー風のナレーションが入ってきたり結構イカれてます。

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美術芸術建築そしてパリが大好きな総統はこんな事言わないシリーズ

 

絶対このヒトラー役の人演技の参考に『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を使ってますよ。

マジで『最期の12日間』のヒトラーを極端にした感じですよ。

 

 

兎に角頭からっぽで観るべき映画でした。

なにせ戦争映画やWW2を題材にした作品にかなりありがちな、

善悪二元論やそれに対する疑問の提示みたいな事が一切ありませんからね。

 

僕は『戦略大作戦』みたいな、娯楽としての戦争映画が好きなので結構そういうスタンスもツボでした。

 

 

内容はほぼ無いようなもんだけど楽しい映画が観たいって時にかなりオススメ出来るんじゃないでしょうか。

こんなところか。

 

ではまた。

 

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