遊星からの物体X(1982年・アメリカ) バレあり感想 グロ注意
メインテーマ曲がめっちゃ良い。
というか耳に残りますね。
凄いサントラ欲しくなった。
『遊星からの物体X』(原題:THE THING)
この映画もいつか観よう観ようと思っていながら中々観れなかったんですけど、
ほんと、ほんともっと早く観ておくべきだった。
原作は『影が行く』という小説で、1951年に『遊星よりの物体X』として一度映像化されてます。
そちらもクラシックムービーの傑作とされています(しかしながら僕は観てないんですが)。
今作はその『遊星よりの物体X』のリメイク、というよりも原作小説をより忠実に再現した映画みたいです。
そんな『遊星からの物体X』も、今ではSFホラーのマストムービーの一つとしてよく
名前が挙がります。
観てみてその理由がよくわかりました。
ていうかそれって原作小説のポテンシャルがえげつなかったって事なのかもしれませんね。
読んでみようと思って調べてみたら1930年代に発表された小説らしくてそこでも度肝ぶち抜かれました。
あと、今作『遊星からの物体X』の前日譚に当たる作品(2011年公開)も観ましたが、そっちも凄く良かったので感想記事をこの後書く予定です。
続編であり前日譚、遊星からの物体X ファーストコンタクトの記事書きました、こちらです↓↓↓
■あらすじ
舞台は南極。
一機のヘリが雪原を駆ける犬を追走している。
一人がヘリから身を乗り出して犬に向かってライフルを発砲し、手榴弾を投げ込む。
が、仕留める事は出来ず、犬はアメリカの基地へと逃げ込んだ。
ノルウェー隊の男はアメリカ人には目もくれず犬に向かって発砲を続ける。
アメリカの基地の隊員達は突然現れたノルウェー隊のヘリと犬を見て、警戒しつつも様子を見に外に出た。
手榴弾を投げ込もうとするが、手袋で滑ってしまい乗り込んでいたヘリの付近に投げ込んでしまい、ヘリを爆破してしまった。
が、それでも犬に向かって発砲を続け、アメリカの隊員を誤射してしまう。
犬は保護された。
だが、それは犬の姿をした別の存在だった。
■感想
すげえ面白かったぞ!?!?!?
20数年生きてきてなんで今の今まで観なかったんだよって、自分を責めるくらいの面白さでした。
この映画はSFホラーというジャンルになります。
SFホラーと言えば、今年日本でも新作が公開される『エイリアン』なんかが有名ですね。
今年はそのエイリアン新作の『エイリアン:コヴェナント』以外にも『ライフ』という作品が公開されます。
この『ライフ』もSFホラーっぽいので若干気になってます。
ただ、SFホラーは宇宙を舞台にした作品が人気ではありますが今作は地球の南極が舞台。
10万年前に地球に落ちたUFOの中に潜んでいた生物を解凍してしまった為に、そこから南極の基地でヤバい事が起こるっていう感じです。
地球が舞台の作品だと『プレデター』なんかがありますが、今作はプレデターとかとは中心となる部分が異なります。
今作のこの寄生モンスターは他の生物に寄生して、その生物そのものに成りすますという方法で増えようとします。
更に、水滴一滴レベルからでも寄生可能という、ウイルスみたいな存在です。
その為、描かれるのは誰が偽物で誰が本物なのかという疑心暗鬼になっていく隊員達を描くという点が主軸になっていきます。
しかも、ただそれだけに終わらず、変異途中のとてつもなくグロイ状態のエイリアンと
戦う事もありますし、ヒントを得るためにノルウェーの基地に向かって情報を集めたりといったサスペンス的な要素もありました。
特撮が凄まじいですね。
CGなんて当然まだまだ実用段階じゃなかった時代ですから全て実写での特撮ですが、触手の細かい動きやらなにやら全てがとにかく異様に細かく気持ち悪く動きまくってます。
また、モンスターの造形もとんでもないことになってます。
クトゥルフ神話かよ。
この映画のジャンルはSFホラーと言うよりコズミックホラーなのか。
こんな造形のモンスターがうにょんうにょんとリアルな挙動で動くのは観ていてちょっと関心すらしました。
単にグロイ造形ってだけでは無く、しっかり生物的なリアル感が出ているので、
CGで殆どのものが表現されるのに慣れている今の目で見てみると色々と面白いです。
あとオチがね!!! 凄いオチですねこれは……。
アメリカ基地の仲間が次々に寄生されたり殺されたりして最後には主人公のマクレディ一人だけになっちゃって、ギリギリのところで最後倒せたと思ったら、
そこに途中から行方が分からなくなっていたチャイルズが現れ、最後は二人で燃え盛る基地を眺めながら終わるという……。
これってチャイルズは既にモンスターと入れ替わってんじゃねえの……?
いや、でも単にたまたまラストバトルが終わってから駆け付けただけかもしれんし……。
すっげえ観終わってから気になりだしてそのまま二周目も観てしまったくらいです。
しかもこれ、基地から脱出する手段がもう無く(だからこそラストバトルが行われたんですが)どっちにしろマクレディとチャイルズは死ぬっていう超絶バッドエンドですよね……。
ただ、二周目を観てて気づいたというか考えが浮かんだんですが、作中で生物と入れ替わってるキャラって皆どこかで必ず一度姿を消してる気がしました。
単にカメラワークと切り方の問題とかそういう事では無く、不自然に物語の中心から離れているという意味ですが。
例えば「様子を見に行ってくる」といってどこかに出かけたキャラが居て、
そのあとなんとなく話が進むとなんとなくいつのまにか戻ってきてちゃっかり話に入って来てたり。
そういう不自然さがある気がします。
で、マクレディも一回フェードアウトしてんだよね!!!
外に出て、電気を消したはずの自分の小屋の電気が付いてるのに気づいてそれを確認しに行くんですが、
その後、一緒に小屋に行ったノールスだけが戻ってきて「小屋の暖炉にマクレディの上着が隠されてた」みたいなことを言うまでの間です。
さらっとセリフで流されますけどマクレディとノールスは45分も小屋に居た様で、
この間のマクレディとノールスは何をやっていたのかは描かれません。
この後色々大騒ぎして最終的に生き残っていたマクレディ、ノールス、ギャリーの三人でラストバトルに向かう訳です(チャイルズも多分どこかに居ますがバトルには参加せず)。
で、ギャリーはラスボスにしっかり殺される描写があるのにノールスにはそれが無いんです。
ここ一周目観た時もなんでかな?と思ってたんですが、
ノールスが既に小屋の時点で入れ替わり済だったとしたらと考えたわけです。
もしくは小屋に向かうよりさらに前の自伝で既に入れ替わっていたかもしれません。
で、マクレディを小屋でぶっ殺して偽マクレディを創り出したのでは無いかと考えました。
そうだとしたらなんでマクレディはラストバトルしてんだとか火炎放射器扱えてるんだ(火が苦手なのに)とか色々矛盾ありますが!!
でも、ラストシーンのあれははっきりどういう結末なのか描かれてないですし、マクレディが実は入れ替わり済でチャイルズが本当の最後の一人だった可能性も無いかなと思って上の考察崩れを考えてみました。
そういう妙な楽しみ方もできる考えさせる系ラストでした。
そして血液テストのシーン、あれは一歩間違えればコメディだったやつ。
マクレディもいつまでも着火できない火炎放射器に拘ってないでさっさとロープ切ってやりゃいいのに。
というかこの血液テストっていうもの自体が面白かったです。
しかも『遊星からの物体X ファーストコンタクト』でもテストが出てきたので結構人気なシーンだったんですかね。
■まとめ
お互い疑心暗鬼になりつつも協力しなくては倒せないという状況の中で、
それぞれのキャラがどう動き、何をして、どういう結末を迎えるのか、
本作の楽しさはそんなところにあるのかと思いました。
そして特撮の造形の素晴らしさも今の時代ならこそより味わえると思います。
SFホラーではありますが、要素としてはSFよりもホラーがかなり強めに出ている作品です。
僕はこの映画そうとうオススメだと思いました。
こんなところです。
一周目に味わった感動をそのままパッケージした記事にしたかったんですけど色々と無理でした……。
とにかくすごい映画です。
この映画は、下記の動画配信サービスで視聴する事が出来ます。
ではまた。
コイツなぁ……。
『遊星からの物体X ファーストコンタクト』観ちゃうと見方が変わってくる。