趣味と向き合う日々

映画やアニメなどの映像作品、音楽、プラモデルといった趣味に関して気ままに書いています。

パプリカ(2006年・日本) バレあり感想

『パプリカ』

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なんだこの映画おもしれえぞ!!!

 

そしてメインキャスト陣に林原めぐみ山寺宏一

約束された勝利のアニメ。

 

 

 

■あらすじ

他人の夢を共有する事が可能になる装置、DCミニ。

その試作品が盗まれ、何者かが夢の世界を次々に取り込み始め、その夢を見ている者の精神を崩壊させるという事件が起こり始めた。

DCミニを開発した研究所の職員である千葉敦子をはじめとした面々は、自身も夢に脅かされながらも犯人を突き止めるために奔走する。

 

■感想

今敏さんの監督作品は、この作品が初めて観た作品になります。

今敏作品は難解!!みたいな声をやたら聞いていたので中々手を出せなかったです……。

 

ただ、『パプリカ』を実際に見た印象としては、難解というよりも独創的、という方が正しい表現かと個人的に思いました。

難解、とはむしろ逆で、話そのものはとても分かりやすいですし、

むしろそう言った点はエンターテイメント性が高い作品だと思いました。

 

一見難しそうに思えても、そこは映画の雰囲気作りの為に意図的にそう思わせる作りにしてるだけだったり。

 

例えば登場人物達、特にオタクの時田君のセリフなんかは、一見難しい単語を無茶苦茶な速さで連発してたりします。

これは言ってしまえばSF作品なんかでは常套手段です。

 

劇中ではこの時田君によりDCミニがどういった方法で他人の夢を繋げているのか、

今回の事件の犯人は何をやったのか、止める方法はあるのか等の意外と核心に触れそうな部分が、

上記した小難しい単語群と共に説明されます。

が、これを理解できなかったとしてもしっかりその後代替描写があります。

 

要は、時田君のセリフは尺の無駄使い無く雰囲気作りに貢献しているっていう事です。

ついでにキャラクターそのものの個性にも繋がってますし。

 

この映画に印象づく小難しさっていうのは、きっと受け手が過剰に反応しているだけなのかもしれないです。

 

 

 

 

パプリカって結局敦子にとっての何だったのか?って、

観終えて僕は最初に疑問に思ったんですけど、

これももしかしたら難しくとらえすぎたのかもしれないと考えて、

ちょっと頭を整理してなんとなくそれとなくわかったような気がした雰囲気。

 

いやつまりよくわかってないって事ですが!

 

物語中盤、敦子は次第に現実の世界で夢を見るようになっていきます。

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この直後、敦子がマンションから飛び降りようとしているのを研究所仲間の小山内に無事に救われます。

ちなみにここで夢に精神が侵されるという状態を敦子の視点で一度描写しているのも、後半に起こるお祭り騒ぎに先駆けていて面白いですね。

 

この描写がパプリカちゃんの存在そのものに対してのヒントになってると思いました。

また、敦子自身が「最近、自分の夢見てないな」というセリフを言います。

 

これは、サイコセラピストとして他人の夢にばかり入り込んでいるという事だけでは無く、

夢の世界では常にパプリカでいてしまう、敦子としての夢は観ていないという意味にも捉えられます。 

パプリカという存在は敦子とは実はリンクしていない存在なのではとここでちょっと思いました。

 

無意識的にDCミニからの侵入を受けて観ていた夢の世界では敦子の姿でした(これは敦子に夢を見せている事を悟らせない為なのかもしれませんが)。

 

また、終盤で敦子は時田に想いを寄せている事を自覚するきっかけとなった夢も、

敦子自身の姿で描写されます。

 

それを見たパプリカの「素直になってきた」というセリフがありました。

 

 

つまりパプリカはサイコセラピーを行う際の敦子の姿では無く敦子が自分自身のセラピーを行うために作り出したイマジナリーフレンド。

 

というのはどうでしょうか……。

やっぱり違いますか……。そうすか……。

 

でも、イマジナリーフレンドとは言わないまでも、そんな感じの存在なんじゃないでしょうか。きっと。

 

敦子とパプリカは一見すると正反対の性格、容姿ですが、

二人の姿が重なる(映像的には切り替わるというのが正しいんですが)時って、

劇中では同じ目的の為に動き出す瞬間だけなのが面白いです。

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パプリカという存在で他人の夢でサイコセラピーを行うパプリカを通して、

敦子は結局のところ自分自身の治療をしていたのではないかと、そう思いました。

 

 

後半の夢と現実が融合し始めてからの展開は素直に楽しめました。

ここはホントに読んでそのままの事が起きてるって事で、難しくとらえなくて良いと思って観てましたが、それでいいんですよね!?

 

要は「トンネルを抜けたら八百万の神々が遊びに来る湯屋があったよ!」的な内容のあの映画とかと同じノリで楽しめばいいんです!!

 

きっとこれファンタジー映画です。

ファンタジーの楽しみ方をしました!!!!

 

 

 

 

さて、大まかに書きたいことはこんなもんなので、

あとは細かく印象に残ってたところをちょっと書きます。

 

夢の中で走り辛くなる現象あれホントなんなんだろうね!!?

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聞いた話によると、布団とかのせいでああなるらしいですが。

ほんとかよ。

 

観ていて単純にすげーって思ったのが作画と色彩でした。

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この辺りも『千と千尋の神隠し』みたいな色彩感を想起しました。

夢の世界のカットがことごとく芸術チックで、灰色ばかりの現実世界との対比が色彩なんかも含めて上手く仕込まれています。

だから終盤の現実と夢の融合が始まってから不思議な感覚が味わえるのかもしれませんね。

 

あとこの二人のバーテンの強キャラ感好きだよ。

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だいたいこんなところでしょうか。

 

 

■まとめ

 

思いの外エンターテイメント性の高い映画で、

一見すると小難しく感じますがストーリーはシンプルです。

 

そこまで深読みはせず、映画で起きている事をありのまま捉えるのがベストな楽しみ方だと思いました。

 

夢の世界の描写はあの夢独特の突然の場面転換や、現実の記憶と混在する感じなんかも描写があり、それのおかげで今観ているのが夢なのかどうかというのが、殆どの場面ですぐわかるようになってます。

これが敦子の夢と現実のブラフとして使われる展開もあり、最後には現実と夢が融合してラスボスが登場してと面白い展開の連続です。

 

もっと早く観ておきたかった。

あと最後に、改めてではありますが今敏さんに心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

ではまた。

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ラスボスが少女に吸引される作品ってのも中々無いとおもうぜ。