趣味と向き合う日々

映画やアニメなどの映像作品、音楽、プラモデルといった趣味に関して気ままに書いています。

28週後…(2007年・イギリス) バレあり感想

ちなみに『28ヶ月後…』という更なる続編が作られる予定だったみたいですが、

今のところ音沙汰無し。

 

一方日本では本シリーズと全く関係の無いゾンビ映画に『28時間後…』という糞邦題を与え釣りに興じていた。

 

28週後…』(原題:28 weeks

 later)

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youtu.be

 

 

■あらすじ

イギリス全土で発生したレイジウィルスによるパニック。

だがこれは次第に自体が収束に向かい、

感染者達が餓死してしばらくして、国連主導で復興の為の再生計画が始まった。

 

そしてレイジウィルスによるパニックの発生から28週後、事態は収束していた。

そして復興計画の第一歩として建設された区画に、国外に退去していたイギリス国民達を乗せた飛行機が降り立った。

 

 

■登場人物

・ドン

ハリス家の亭主。

前作主人公が物語後半で感染者に引けをとらない狂戦士と化したのに対して、

今作の主人公のこのおっさんは中盤から感染者そのものになる。

 

ていうかホントにこいつ主人公なんですか?

 

・タミー

ハリス家の長女。

なぜでしょうか、海外ドラマのヒロインみたいに無駄にウザかったりしないのに好きになれない。

実質主人公ポジ。

 

・アンディ

タミーの弟。

ウィルスに対しての免疫を持つ体質を母から受け継いでいる。

実質主人公ポジ。

 

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この映画を見た後では勘の悪いガキよりはマシだと思えますよ。

 

・アリス

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ハリス家の夫人。

せっかく収まったレイジウィルスのパニックを再び引き起こす事になる訳ですが、

彼女自身は何も悪くないのが質悪い。

 

・ドイル

むしろこいつが主人公であるべきだろ。

デルタフォースの狙撃手だが、後半世界を救うために命令に背いてハリス兄弟を護ろうと奮闘。

 

・スカーレット

ドイルが主人公だったらおそらくメインヒロインになっていたであろう人物。

というか元々のプロットではマジでそうだったんじゃねえかな。

 

・その他

今作では前作に比べて有象無象が数多く登場します。

なので若干登場人物の多さに目が眩むかもしれませんが上気した人達以外殆ど覚えておかなくても多分良いと思います。

強いて言えばヘリパイロットのフリンくらいか。

 

■感想

 ・前作との繋がりを意識させつつ

冒頭、レイジウィルスのパニック真っ只中の頃、ドンとその妻アリスを含めた複数人が居る隠れ家に少年がにげこんでくるところから話は始まります。

 

パニック状態でてんやわんやなところから話が始まるのは良いテンポです。

いきなりクライマックスです。

 

そしてオープニングに。

ここではウィルスのパニック発生から時間経過とともにどうなっていったのか状況説明が入ります。

 

 

この段階で僕はウィルスの名前がレイジウィルスなのを初めて知りました。

前作ではウィルスの名前は一切出てきませんでしたし。

今作は、一度収束したはずのパニックのその後が物語の舞台になるという事がこのオープニングで分かります。

 

そして本編。

ドイルはじめ多くの兵隊が安全区域の施設の警戒をしています。

その会話には余裕が見られます。

飛行機から降り次々と帰国する人々も描かれます。

 

もう嫌な予感しかしないんですが。

 

ホラー映画で「ここは安全」と言われる場所はほぼ確実に地獄になる。

 

そして、冒頭で妻を初めとした仲間達を置き去りにして逃げ延びたドンが再び登場。

 

ちなみにこの時点では冒頭の事件がラストシーンに繋がる映像なのかと思い込んでいました。

そんな事はありませんでしたけど。

最近時系列シャッフル系の映画たくさんあるし……。

 

ドンの娘と息子が飛行機から降り立ち合流。

今作ではこのドンを初めとするハリス一家が物語のあらゆる部分に絡んできます。

 

今作は、前作視聴前提みたいな部分がかなりあります。

事件発生から28週経つまでの経緯の説明も、前作ありきって感じですし。

 

 

 

・戦犯はハリス一家

 

そして序盤も早々に早速やらかしはじめるハリス一家の面々。

 

ドンの子どもの二人であるタミーとアンディは、昔住んでいて現在は立ち入り禁止区域にある家に向かうために安全地帯を出てしまいます。

感染者はもうみんな死んだから安心だねという短絡的な思考。

 

やっぱり嫌な予感しかしねえよ。

 

自宅に辿り着くと、そこには死んだと父から聞かされていたはずの母アリスの姿が!!

しかしアリスの様子がどこかおかしいです。

 

嫌な予感だけがある映画だよこれ。

 

子どもたちが居ない事を不安に思ったドンの命令で軍隊が自宅にお迎えに来て、アリスをついでに回収します。

 

そして、このアリスがウィルスに対して耐性のある免疫持ちである事が分かります。

が、同時に体内にはレイジウィルスを保有したキャリアーでもあるため、アリスは厳重に隔離される事に。

 

免疫持ちと、キャリアーという設定面白いですね。

ウィルスパニック作品では常套手段ではあるものの、前作ではこういう要素出てきませんでしたし。

 

 

 

・状況発生

 

そしてやらかすドン。

ドンは安全地帯の管理者みたいなポジションなので、こっそりと自分の権限で隔離室の扉を開けて

隔離されていたアリスの元に勝手に向かってしまいます。

 

そんで再開の喜びをぶつけるように熱いキス。

 

ああああああやっちまったね!!!!

 

当然免疫持ちでは無いドンは、経口摂取でレイジウィルスの餌食に。

 

既にパニックが収束した後の世界なのにどうやって再びパニックが起きるのか考えながら見てましたが、

結果的にはハリス一家のやらかしのせいで再びパニックが発生する事に。

 

家族の愛が世界を救うんだぜ的な作品に真っ正面から喧嘩売るスタイル。

 

レイジウィルスで暴力の化身になったドンはそのまま妻アリスを撲殺してしまいます。

こんな悲しい展開アリかよ……!!

 

ついでにここで前作屈指のショックシーンである目つぶしもぶち込んできます。

 

そしてここから、前作とは違い統率のとれた軍隊が事態収束の為に動き出します。

住民を素早く安全だと思われる一か所に隔離して、素早く部隊を配置!!

 

ついでに、母から免疫を受け継いでる可能性のあるアンディ君とタミーをスカーレットが回収、安全なところへと向かおうとします。

 

 

 

いや一か所に隔離するって正気かい。

 

当然突然隔離された住人は大パニック。

しかもこの流れで姉とはぐれたアンディ君は安地にいく事ができずこちらに巻き込まれてます。

 

ついでにこのシーン、前作で生存者が語った感染が広まっていく過程をビジュアル化しています。

 

この住民たちが隔離された場所にウィルス感染者と化したドンが登場。

ほらこうなる……。

 

 

 

・軍隊さん……

 

隔離していたはずの住民たちですが、パニック発生で施設内に漏れだすように逃げてきます。

しかしその間にもどんどん感染者が増えていき、もう誰が感染者で誰がまともなのかわからない状態に。

 

そんな中、冷静な指揮官のおっさん。

おっさんこの事態に対してどう対処するのか……!!

 

と思ってワクワクで観てたんですが、

 

全員殺せは流石に笑うわ。

 

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そんな命令が出てしまったので、とりあえず手当たり次第に住民を撃ちまくる軍隊さん。

前作もそうですが、軍人は正義の味方みたいな価値観は持って観てはいけない映画です。

もうほんと笑えるくらい潔く一般人を殺すからね。

 

 

 

・後半からはやっぱり人間VS人間

 

しかし、ドイルはこの命令に背き、生存者を集めて脱出を図る事に。

生存者の中にはタミーとアンディ、そしてスカーレットさんもいます。

 

今回もやはり後半からメインの敵は人間になります。

趣向は違いますが。

 

人間絶対殺すマンと化した軍隊から逃げるアンディ達の姿を描くのが後半のメインストーリーです。

 

ドイルの仲間であるヘリパイロットのフリンの力を借りてなんとか脱出を図るため爆撃や追跡から逃げる皆さん。

 

フリンとの合流ポイントである草原地帯まで逃げますが、そこには爆撃の雨を掻い潜り生き延びた感染者達もまた辿り着いていました。

 

感染者どもをなんとかしろと言うドイルに対してフリンの出した答えがこれ。

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ダイナミズム甚だしい。

 

ヘリのプロペラで感染者達をばっちゃばちゃに引き裂いているシーンです。

個人的に今作で一番好きなシーン。

 

マジで笑えるから。マジでここ見所だから。

 

しかし結局ヘリに皆は乗り込めず、別の合流ポイントを選ぶ事に。

 

 

 

・クライマックスまでのテンポは前作以上

 

ここからどんどん話が加速するのでかなり楽しめます。

 

まずドイル死ぬとか思わなかったよね。

 

しかも元同僚の軍人に殺されるってのが。

 

ちなみにこの時点で他にも生存者は結構死んでしまっていて、

ドイルを抜くともう生き残っているのはスカーレットとタミー、アンディの三人だけだったりします。

 

この辺りも前作には無かった要素ですね。

誰が最後に生き残るのかみたいな、サバイバルホラー系の楽しみが付随されています。

 

なんならドンが最初の被感染者になる展開も結構意外でしたし。

 

 

 

 

・流行りの要素も取り入れてたり

 

合流ポイントのスタジアムに向かうために地下を移動する三人。

ここめちゃクソ暗いので、スカーレットはライフルに装着していた暗視スコープで安全確認する事に。

ここから映画はしばらく暗視スコープ視点に切り替わります。

 

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いわゆるPOVという奴です。

クローバー・フィールド』や『ブレアウィッチ』でお馴染みのアレ。

 

こういう流行りの要素をしっかり、それも邪魔にならない程度に取り入れてくるのは凄い良いですね。

上手く使えば臨場感の出る手法ですし。

 

シェイキングカメラは未だに慣れないですが。

 

 

 

・今作は終わり方が不穏すぎ

地下でドンに襲われてスカーレットは死亡、アンディも重傷を負ってしまいます。

なんならアンディはしっかり喰われたんですが、そこでアンディもまた免疫持ちだったことが発覚しレイジウィルスを発症する事はありませんでした。

 

ほらもう嫌な予感しかしないってば。

 

そして二人はスタジアムに辿り着き、フリンのヘリに乗り込みイギリス海峡を飛び越えます。

 

そして例のロード画面。

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この後、恐らくアンディたちはフランスに逃げたと思われます。

 

そしてアンディのせいで感染がパリへと広がった事を示唆する映像が映し出されエンドロール。

 

おいおいおい。

 

最初から最後までハリス一家世界に迷惑かけすぎだろ。

 

ちなみに、前作では「パリやニューヨークにも感染が広がったらしい」みたいなセリフが出てきましたが、これは本当に憶測だったっぽいですね。

その為、本格的に感染が広まる原因を作ったのはアンディ君ということに。

 

前作が極めて明確なハッピーエンドを示唆していたのに対して、

今作は色々と報いが無さすぎな終わり方ですよね。

 

 

■まとめ

 

前作は状況真っ只中での生存者達の動向がメインでした。

今作は再発ではありますが、状況が発生する過程を描いています。

 

この辺りの順序ってふつう作品になるとしたら逆になる部分だと思うので、

そこが結構面白いポイントだと思いました。

 

また、今作は登場人物が次々に死んでいくという形式を取っていて、

誰が最後まで生き残るのかわからないというスリルがあります。

この形式自体はありきたりですが、『28日後…』の続編という事を考えると、

かなり嵌った手法だと思います。

 

イギリス映画の、どこかしらに皮肉をぶち込んだろ病が、今作ではより露骨になっているのも特徴的です。

 

表面上は家族の絆なんかもテーマにしているように見せていますが、

この家族の絆が全て悪い方向にしか作用していないという……。

 

家族を見捨てても家族を最後まで見捨てなくても、

どっちにしろ先にはバッドエンドしかない訳ですし。

 

前作に比べて、よりホラー映画らしい演出も増えています。

全体的にパワーアップを感じられる作品です。

 

前作を観たなら直ぐに観てみた方が色々設定とかも覚えていて楽しめると思います。

 

ではまた。