趣味と向き合う日々

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レバノン(2009年・ドイツ×フランス×イスラエル) バレあり感想

よっし今年の夏は戦争映画たくさん観てやろうと思ってたら夏がオワチャタヨ

 

 

 

レバノン

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これDVDのジャケです。

中央上部に映ってる戦車に乗る兵士達がメインの物語。

 

 

■あらすじ

レバノン内戦に身を投じた5人の若い戦車兵。

そこでペリスコープ越しに目にする戦争の実情が、実戦経験の乏しい彼らの精神をすり減らしていく。

 

■感想

 

まずこのDVDパッケージについてなんですけど。

この映画マジで最後の最後まで戦車内しか映らないんですよ。

 

このジャケはいうなれば敵側の視点のものを描いているって事になるのかな。

なので、戦車戦は在るにはありますが、戦闘アクション的な要素はあまりありません。

 

そう言う意味でこれパッケージ詐欺。

 

 

本編ですが、

序盤から終盤まで極限状態の戦車兵達を描き続けてます。

 

監督も実際に戦車兵で実戦参加した方だそうで、かなりリアルに描いているようです。

 

車長はろくに状況判断できませんし、射手は命令無視して敵性対象を射撃しませんし、操縦手はパニックに陥りますし、通信手兼車長補佐的な奴は完全に流れに身を任せてます。

装填手だけはなんか一人だけ有能っぽい。

 

この辺り、普段大作戦争映画ばっかり観て慣れ親しんでる人だとかなり新鮮に感じるかもしれません。

『FURY』みたいなのが良い例で、あれは新兵が実戦を通して一人前の戦車兵になってくみたいな要素がありますが、本作はそんな要素はまるで見当たりません。

パニック&パニックで最後まで車内はわちゃわちゃです。

 

このごちゃつきが、序盤では観てる側としてはイライラを覚える感じなんですが、

これが後半の展開で色んな意味で面白いことになっていきます。

 

終盤で、彼らの乗る戦車が部隊とはぐれてしまい、危険地帯の市街地を単機で突破しなくちゃならなくなります。

ここで車長が「覚悟を決めた」とか言ってキリっとするんですが、

戦闘が始まったとたん魂が完全に抜けちゃってて笑いました。

 

それで装填手が仕方なく指揮を代理するも、今度は操縦手がパニックになったり。

 

あとこの操縦手は序盤から綺麗な死亡フラグを撒いてくれるので、死ぬことがほぼ序盤から分かってしまってちょっと悲しかったです。

 

「実戦はまともで冷静な判断なんてそうそうできないぞ」みたいな意図が大いに盛り込まれていると思いました。

 

そして、命令に従わない事で味方に犠牲を出してしまったり、

命令に従うことで今度は民間人に犠牲を出してしまったりと、

もう何が正しいのかわからねえよって事を描写としてもちゃんと描いてます。

 

そういった矛盾じみた部分を序盤から終盤まで描いているので、

戦車兵の混乱に対しても納得ができるというか、実際どうしたらいいんだよ感を観てる側も素直に共有できる構造になってるのかと思いました。

 

やっぱりそういうところも、大作戦争映画の多くとは明らかに違う描き方をしてます。

 

 

でもやっぱりこの映画の一番の特徴は、終始視点が戦車内にあるって部分です。

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こういう視点も多々でてきます。

淡々としてて結構怖いです。

 

上でも書きましたが、ジャケに大々的にショット(イスラエルがイギリスのセンチュリオン買い取って現地回収した戦車)の正面カット載せてるのにね。

ショットが映るのエンドロール直前の1カットだけだからね!!

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良い画だな。

 

終始車内からの視点をメインに物語が進んでいくので、通して観てみても今何のために何をやってるのかがあまり分かりません。

もちろんこれは意図的なものです。

 

この点に起因する緊張感が最後まで持続するので、派手なアクションも想像を絶する展開的なものも無いのにハラハラしました。

 

 

■まとめ

 

リアル指向過ぎてエンタメ的な要素マジで殆どありませんが、

不思議と観れてしまう映画でした。

こういう視点からの戦争映画自体は『Uボート』なんかが先発で存在してますが、

本作は内情を見せるっていうより自分がまるで一緒になってそこで戦闘に参加してるかのような感覚を味合わせようとしてるかのような空気感がありました。

 

派手さのある映画ではありませんが、結構オススメかもしれません。

 

ではまた。