アサシン・クリード(日本公開2017年・アメリカ)初見バレあり感想
さっき観てきました!
本日(3/3)公開された大人気ゲームシリーズの実写映画作品です。
『アサシン・クリード』(原題:ASSASSIN`S CREED)
日本公式HPの出来も非常に良いです。
プロモーションにやたら力が入ってる印象がありますね。
■概要
本作は大人気ゲームシリーズ『アサシン・クリード』の実写化映画です。
アサシン・クリードのゲームをやってないと楽しめないのかと言うとそうでもありません。
本作は完全にゲームとは独立した世界観ぽいので、ゲーム未経験の方でも安心なはずです。
これに関しては、一緒に観に行ったアサシンクリード大好きな友人に設定とか確認してもらったので間違っていないはず……。
それで、僕自身もPS3で発売された一作目の『アサシン・クリード』しかプレイしていませんでしたが(しかもエンディングまで行っていない)、映画は非常に楽しめました。
世界観は映画で独立しているとは言っても、ゲーム中で用いられる要素はかなりてんこ盛りされています。
例えば戦闘に用いる武器であったり、パルクールで街を駆け巡ったり、暗殺ミッションであったり……。
一緒に観に行った友人曰く「2シリーズの世界観とかをベースにしてるっぽい」との事でした。
アサシン・クリードのゲームシリーズは現在18タイトルも出ていて、2以降はそれぞれのナンバリングで更にシリーズが展開されているんです。
ストリートファイター2シリーズ的な感じですね。
現代と中世を又にかけていくストーリー構成はゲームと同様です。
ただし、本作ではゲームよりも現代の要素も割とてんこ盛りでした。
■ネタバレを回避しない大体のあらすじ、設定など
実はアサシンの家系である主人公のカラムは、幼い頃に母が如何にも暗殺者な衣装を身に纏った父に殺される現場に遭遇する。
その直後にカラムの家に謎の武装集団が押し寄せてくる。
父親はカラムに謎の言葉を残し、カラムを逃がす事に成功した。
30年後、第一級殺人で逮捕されていたカラムの死刑が執行された。
ところが、彼は目覚めるとアブスターゴ社の運営する謎の施設に連れ込まれていた。
そこで出会ったソフィア・リッキン博士にカラムの前世はアサシンであった事を告げられる。
ソフィアはエデンの果実という、人類の暴力衝動を”治療”出来る可能性を秘めた秘宝の捜索に協力してほしいとカラムに頼む。
それを最後に手にしていたのはカラムの先祖である アギラールという一人のアサシンであった。
最後の所有者がアギラールであるという点以外、エデンの果実の行方は誰にもわからなかった。
それを探るために、ソフィア博士達はカラムを連れてきたのだった。
そしてカラムはアニムスと呼ばれる、自身の先祖の記憶を動態的にシミュレートできる装置を用いてアギラールとシンクロし、アギラールの記憶と同調しながらアサシンとして次第に目覚めていく。
こんな感じです。
背景設定として、テンプル騎士団とアサシン教団という2つの勢力の存在があり、それらは昔からずっと争っているという物があります。
この辺りの背景設定はゲームに準拠してるはずです。
初代アサクリで中ボス的ポジションでテンプル騎士団がちょくちょく出てきたのを覚えてます。
エデンの果実もゲームの2シリーズに登場している要素みたいですね。
アサシン教団が命がけで守っている秘宝だとか。
映画でもこの辺りは一緒でした。
ネタバレバッチリしていきますが、アブスターゴ社のCEOとその娘であるソフィアは、現代のテンプル騎士団のメンバーです。
つまり、現代のテンプル騎士団が、アサシンの子孫達を利用して、アサシン教団の秘宝であるエデンの果実を見つけようとしている、というのが本作の大筋です。
アブスターゴ社にはカラム以外にもたくさん隔離されている人がいるんですが(カラムのパパも居ます)、その殆どがご先祖様が暗殺者だったりします。
アブスターゴ社はエデンの果実捜索以外の目的として、敵対勢力であるアサシン教団を根絶やしにしようとしているっぽい感じでした。
■感想
そもそもアサシンクリードというゲームはパルクール(フリーランニングとも呼ばれる)に着想を得て作られたゲームで、実写版でもこの要素は健在でした。
とにかく街を駆け巡りまくり、それがアクションに富んでいて凄まじい事になってます。
また、原作ゲームで登場した武器や技、能力もほとんど登場していました。
アサシンブレードはもちろん、首を背後から捻って殺したり、投擲武器や弓で殺したり、殺しのバリエーションがゲーム並みです。
予告でも公式HPでも登場してますが、イーグルダイブも再現されてます。
なので劇中でも結構頻繁に使われるのかと思ってたんですが、
イーグルダイブ初登場まではめっちゃじらされます。
ハリウッド版ゴジラ(2014)ばりの焦らしです!!
遠目に如何にもビューポイント(ゲーム内で、本来歩いてゆっくり構築していくマップを一気に表示させる事が出来る高台に設置された場所。上った後はイーグルダイブで地上に戻れる)に使えそうな建物とかめっちゃ映すんですよ。
でもそこに行かない。
また高台が近づいて来ても、やっぱりそこに行かない。
「ああああここか!? もう飛ぶな! はい来たイーグルダイブ来た来るぞ来るぞ来ない!! そっちに逃げんのかなるほどなるほどうーん」
って感じになります。
そして、ようやくイーグルダイブのシーンになって、いよいよ主人公がダイブ!!
ゲームでもタマヒュン要素だったイーグルダイブですが、映画での迫力も凄まじい!!
が、一回目のダイブは着地まで描かないんです。
着地寸前に、ダイブのショックで現実世界のカラム君がショック状態になり、記憶とのシンクロが断絶します。
まだ焦らすのかよ!!
そして二度目のイーグルダイブが登場するのは映画の後半です。
そちらでダイブを成功させると、ソフィア博士が「イーグルダイブ!」と言って驚きのリアクションを見せてくれます。
俺達も同じ気持ちだよ!!
ともかく、イーグルダイブはマジで見所の一つだと思うので、これは絶対劇場で観た方が良いです。
4DXとの親和性かなり高そうでした。
今作はある意味当然ながら、アクションシーンもてんこ盛りです。
特に戦闘シーンは凄かったです。
映画のおよそ半分近くは戦闘シーンだったと思います。
が、この戦闘シーン、ハリウッド映画の最近の悪い流行りがしっかり反映されてます。
手ぶれ撮影&細かすぎるカット割りで何やってるのかほぼ分かりません。
最序盤の戦闘シーンなんか特にこの手法が悪く作用してました。
序盤の戦闘シーンはアサシンがたくさん出てくるんですが、
皆同じような格好でただでさえ見分けが着き辛い(アサシン的にはそれが正解ですが)のに加えて上記の要素が入ってくると、どれが主人公で誰がやられたのか全く判断できません。
戦闘は原作再現でスピードが非常に速いアクションなので、視点が散りまくります。
戦闘シーン以外でも細かすぎるカット割りがマイナスに働いていたシーンがあります。
終盤、テンプル騎士団のグランドロッジで決起しようとアサシン教団の面々がひそかに装備の受け渡し合いなんかをロッジ内で人ごみに紛れて行うシーンがあるんですが、
1カット1カット早すぎて最初何を映しているのか理解できませんでした。
この辺は3Dとかで観ないで2Dで観た方が理解できそうな感じでした。
2Dですら視点が散りまくってたのにこれ3Dで観たらエライ事になりますよ。
そうはいっても、全体としてだれる事の無いハチャメチャな戦闘シーンの数々は十分に楽しめるものだと思います。
あの戦闘シーン観ながらだと不思議とポップコーンめっちゃ食えます。
戦闘シーンでだれないというのは、全体的にストーリーがしっかり作られていたからだと思います。
全ての戦闘シーンにしっかり話の本筋に関わるような理由がありますから。
近年ではかなり出来の良いアクション映画だと思いました。
あと、最後にしっかりクリフハンガー的なもの挟んでましたね。
続編期待したいです。
■まとめ
脚本もしっかり纏まっていて、見せ場のアクションも凄まじい出来です。
そして原作に対するリスペクトがとても感じられます。
最も、原作ゲームよりも更にシリアスに寄っていますが。
街中を意味もなくパルクールして住民に「アイツは何をやっているんだ」とか「見ちゃだめよ、頭のおかしい人だわ」みたいなセリフを吐かれる事はありません。
あと、アニムスがアトラクションみたいになってて笑いました。
ゲームの実写映画作品だと『バイオハザード』シリーズや『トゥームレイダー』シリーズなんかがありますが、
本作は間違いなくそれらの先駆者よりもしっかりと映画として完成した作品になってます。
ただ、上記した通り戦闘シーンは何を見せたいのか分からない物でありながら、4DXや3Dと親和性の高いアクションシーンもあり、2Dか3Dどちらで観るべきか判断に困ります。
後は、ゲームシリーズとは直接関わりの無い完全な独立作品ではありますが、設定の要所要所をもう少し詳しく説明しないとゲーム未プレイの人は分からないような要素も少しあります。
それらを踏まえても、非常にオススメですよ。
アクションを求めているなら観て後悔する事は無いはずです。
こんなところですね。
ではまた。