レッド・ドーン(2012年・アメリカ) バレあり感想
思いの外キャスト陣が知った顔ぶれですが、あんまり有名じゃないですよねこの映画。
コケたんでしょうか?
一応80年代冷戦期に制作された作品『若き勇者たち』の現代風リメイク作品になります。
レッド・ドーン(原題:Red Dawn)
USAコールを右手振り上げて大声で発する為の映画です!
■あらすじ
ある日突然、空から大量の落下傘兵がアメリカ本土に降下してくる。
彼らは北朝鮮軍だった。
瞬く間にアメリカ全土は制圧され、人々は北朝鮮軍に支配される。
米海兵隊員のジェドは彼の弟のマット、そしてその友人や道中知り合った仲間達と共にレジスタンスグループ「ウルヴァリンズ」を結成し、北朝鮮軍に対して抵抗活動を開始する。
■登場人物
・ジェド・エッカート
ソーさん!!
主人公の一人。
弟マットとはでたらめに仲が悪い。
マイティでは無いので死ぬ。
ちなみにこの映画、公開は12年ですが、制作されたのは09年らしく、その関係もあってかクリス・ヘムズワースが『マイティ・ソー』の頃より若干、本当に若干ですが若いです。
・マット・エッカート
下手したら代表作これになるぜこの人。
もう一人の主人公にして物語を掻き回す役。
ジェドの弟。
待てばいずれ救える可能性のあった恋人とただ早く会いたいが為に作戦を台無しにして仲間を犠牲にしたりするが、活躍を称えられて許されたりする。
ふてくされて一瞬グループから抜けたりもする。
絵にかいたような糞だけど最後は頑張るから嫌いにならないでください。
・ロバート・キットナー
ハンガーゲームのダメな方の男の人!!ハンガーゲームのダメな方の男の人じゃないか!!
最初は臆病な少年だったが、経験を積み立派な戦士に。
コイツ主人公でも良かったんじゃね?
・エリカ・マーティン
トランスフォーマーリベンジでめっちゃ怖かった人!!
今作のヒロインその1。
この手の映画に付き物のクソッタレヒロインかと思いきや、彼氏の方がクソでした。
ちゃっかり後半では戦闘にも参加してたりわりとアグレッシブ。
・トニ・ウォルシュ
え……っと、なんかよくドラマ出てる人!!!
ジェドと良い感じになるヒロインその2。
戦闘能力の高さが凄い。
でも後半で訳分からん発狂したから嫌い。
・ダリル・ジェンキンス
マジで扱いが不憫すぎるだろ。
ロバート同様最初はただの少年だったが修羅場を乗り越え、狙撃手として活躍するように。
しかし市長である父親がジェド達の父が殺されるのを止めなかった非難されたり、いつの間にか身体に埋め込まれていた発信機のせいでアジトが襲撃されたり、
それに関して上記のヒロインその2から更なる非難を浴びたりマジで不憫。
しかも恐らく作中最もまともなキャラ。
最後は(本当に映画の最後、残り時間8分無い辺り)上記の発信機のせいで、皆に置き去りにされるのを半ば強要されフェードアウト。
多分死んだっぽいのが最高に不憫。
映画はその後、ダリルの事を忘れて感動のラストへ。
・トム・エッカート
LOSTでアザーズのスパイだったおっさん!!
めっちゃ正義の漢。
ジェドが戦いを決心するきっかけを与えた人。
・ターナー
ニーガン!!!
米軍の生き残りたちのリーダー。
ウルヴァリンズと協力して、チョウに立ち向かう。
・チョウ
ボスキャラ。
シアトル地区の総指揮官としてやってきた男。
このキャラ自体の掘り下げは大してされないけどなんか良い感じのキャラ。
・その他
なんならメインキャラなのに対した事してない奴とかも居る。
登場人物が多すぎる。
■感想
戦争映画ではあるのですが、ちょっと趣向が面白いです。
アメリカが北朝鮮に占領され、その中で戦うゲリラを描くというのはとても個性的です。
ホームフロントっていう似たような設定のゲームとかはありますけどね。
話の筋も、そんな状況の中で絆を強めていく兄弟の物語が中心になってます。
なので、結果的に多すぎるメインキャラ達の半分くらいしか活かされてません。
レジスタンスを描くという特性上、キャラが多いのは仕方ないですけどね。
ただ、思いの外楽しめる映画でした。
ツッコミどころも多々ありますが、しっかりと話と展開は練られています。
ウルヴァリンズは襲撃作戦を次々と成功させていきますが、北朝鮮軍の追撃に合いメインアジトを破壊されてしまったり、
敵本陣の強襲に成功しても、更にその後反撃を受けたり、
レジスタンスは攻撃を成功させても、結局はじり貧で次第に追い込まれていく様をちゃんと見せているのが凄いです。
最も、ウルヴァリンズの活躍に感化されてアメリカ全土でレジスタンス活動が活発化し、ラストシーンでは新たな仲間も迎え入れ本格的な抵抗が開始されるって感じで映画は終わりますが。
また、このレジスタンスの活動に上記の兄弟の物語をしっかり絡めているので、映画全体が自然な色で統一されていて観やすいしわかりやすいです。
そのせいでマットはクソみたいなキャラになってますが。
また、映像面もかなり力が入ってます。
特に街を埋め尽くす装甲車や空を埋め尽くす空挺団、戦車の描写なんかは素晴らしいです。
もちろんCGっぽい雑さはあるんですが、CGで再現しているというより、映像に抑揚をつけられるような使い方に終始している点が、最近のこの手の映画との違いだと思いました。
そして最後はアメリカ万歳。
そういう映画ですからね。
人物描写はホント一部が残念すぎる。
脚本の関係上クソ野郎にならざるを得なかったマットや、脚本の都合すら関係無さそうでマジで扱いに困ったのであろうダリルとか。
メインの兄弟に関する部分はかなりしっかり描かれるのにそれ以外の点が微妙だなって思う所が結構ありました。
兄弟というテーマに対しての状況設定(レジスタンス組織の活躍を描く)に踊らされた感。
例えば、ダリルが狙撃用のライフルのスコープで敵を狙っていると、そこに父が映り込んで、ダリルが一瞬驚くみたいなシーンがあるんですが、
これって、このあと父親に何か起きるのかとか、ダリルと父親のこの後に何か展開があるのかと思いましたが、
この後父親は実質フェードアウト。
意味深なシーンが本当に意味深なだけっていうのが多すぎる感じがしました。
観ている人に対しての、いわゆる察し投げが下手な部分が多いんだと思います。
その為、テンポがちょっと悪く感じる事もありました。
でも、正直楽しめたんですけどね。
■まとめ
キャスト目当てで観ても良いかも知れないですね。
便宜上戦争映画に分類されますが、一般的なそれとは違って極端にグロいシーンとかは無いです。
描かれるのは戦争の悲惨さとかでは無く、危機的な状況に陥った若者たちの抵抗と兄弟愛みたいな部分がメインです。
なので気軽に観られる映画だと思います。
こんなところです。
ではまた。
マット役の人はプリズンブレイクのケラーマン役の人と同じで、どんな表情を作ってもにやけてるように見えちまう。