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ブレードランナー ディレクターズ・カット 最終版(1992年リリース) バレあり感想

※2017/10/28

続編の『ブレードランナー 2049』の記事も書きました。

絶対観た方が良いよクソ面白かったよ。

dsnblog.hatenablog.com

 

 

 

ブレードランナー』(原題:Blade Runner

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ブレードランナーは1982年にアメリカで公開されました。

公開当時はあまり注目されなかったものの、ジワジワとその後人気を集めていき今ではSF映画の金字塔ポジです。

この流れは日本でも『機動戦士ガンダム』なんかに見られたパターンですね。

 

 

そんな経緯もあって本作にはいくつかのバージョンが存在します。

僕が観た、というか持ってるDVDはタイトルにあるディレクターズ・カット最終版っていうタイプのものです。

 

このバージョン以外のブレードランナー観た事無いので、

どういう所が変更されているのかとか詳しく語れませんが……!

 

早い話が続編が来るからその前に復習したって事よ!!

 

youtu.be

 

 

■あらすじ

宇宙移民の進んでいる時代。

 

開拓の為に人類はレプリカントと呼ばれるアンドロイドを生み出し、奴隷労働に従事させていた。

レプリカントは誕生してから数年もすると、人間のように感情を芽生えさせる。

そして人類に対して反抗するレプリカントが現れるようになった。

レプリカントを製造したタイレル社によって、レプリカントは寿命が4年しかない。

それでも問題を起こす、起こそうとするレプリカントを取り締まるための専任捜査官

ブレードランナーと呼ばれた。

 

2019年、最新型レプリカントのネクサス6型が、宇宙での任務中に脱走、地球に逃げ込んだという情報が入った。

捜査の為に呼び出されたのは、現役引退していた元ベテランブレードランナーデッカード

 

デッカードは、地球に降り立ったレプリカントを全て殺害する任務を全うするため、ロスの街を駆ける。

 

■感想

 

この映画を以ってしてサイバーパンクというジャンルは成立、認知されたといっても良いです。

この後登場する多くのサイバーパンクSF映像作品は、特にビジュアル面で本作の影響を受けている物が殆どです。

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この感じ、なんとなくサイバーパンクのイメージ的な部分の基礎にもなっている景観や光やスモーク。

 

このビジュアル的なインパクトはやっぱり当時としては圧倒的というか、あまりに独創的だったと思います。

日本でこの作品の公開後に制作されたSFは、かなり色濃くビジュアル面で影響を受けている物が多いです。

退廃的な雰囲気をより強めた『AKIRA』であったり、

結果的にはサイバーパンクという作風をより強固に印象付けることになる『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』だったり。

 

そしてサイバーパンクの作風の映画には同時に雑多な繁華街というビジュアルイメージも付随することになります。

 

サイバーパンクを謳う作品の多くに、このネオンが煩い繁華街というビジュアルイメージも付随しているあたり、『ブレードランナー』の与えた影響っていうのがよくわかります。

 

ちなみに監督のリドリー・スコットは新宿歌舞伎町をモデルにしたそうです。

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確かにこの映画観た後に歌舞伎町行ったらテンション上がりそう。

 

ただ、ビジュアル面ではこれに限らず他にも芸術的なカットが多数あります。

個人的に好きなのはこのフクロウの目。

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本編の内容に関しては、そんなに今更語れる事も無いと思うのであんまり書けなさそう。

原作の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とテーマは共通してます。

要は機械に感情が宿ったら、それは果たして機械なのかっていう。

このテーマ、要は『攻殻機動隊』におけるゴーストに関する話の事です。

 

ありがたいことに、今では様々なSF作品が作られ様々なテーマで描かれているので、

今の時代に『ブレードランナー』を観ると、このゴーストに対しての考えとか倫理的観念というのは公開当時より整理しやすいと思います。

 

また、(他のバージョンは観てないのでわかりませんが)本作では敵役となるはずのレプリカントは憎ったらしい悪役としてはほとんど描かれません。

 

彼らは生きる為に地球に逃げてきて、四年の寿命から解放されるために必死にその方法を模索します。

その死にもの狂いな姿はとてつもなくピュアであり人間的な生存本能を感じ取れます。

 

この映画はそういう部分の描き方、見せ方も相当に上手いと思います。

レプリカントはどこか子供のような一面を見せる事もあれば、

どうしようもない問題にぶち当たって怒り狂い自制心を失う事もあります。

 

そういう細かい部分を物語の中で自然に見せています。

こういった描写の丁寧さは現在の映画でも中々観られないレベルだと思うんですよ。

 

レプリカント側の話だけでは無く、主人公のデッカードもやっぱりキャラがしっかり立ってます。

 

そう言えばデッカードも実はレプリカントみたいな噂をだいぃぃぃぃぃぃぃぃいぶ昔聞いた記憶があるんですがこれマジすか!?

 

 

ユニコーンの夢をデッカードが観てるシーンがありますが、

あれがそういう暗示って事なんでしょうか。

 

と、今になってもなんだかんだ色々考えたり楽しめたりできる映画。

嘘偽りなく名作です。

 

 

■まとめ

 

ディレクターズ・カット最終版の字幕監修やったやつ誰だよ!!

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ウイルスをビールスって表記する事があってたまるかよ!!

ボランティア軍並みの衝撃表記ですわ!!

 

いつか全てのバージョンを観てみたいと思っているんです。

でもいつになるかわかりませんね。

 

SF映画サイバーパンクとはなんぞやという人はまずこの映画を観ると良いです。

ビジュアル的な部分でも、機械の心みたいなテーマの部分でも、

実質ここから始まっていったジャンルみたいなもんですし。

 

それとここ重要なんですが、

内容は結構今観ると平淡としているような感じもあります。

イベントが起こる間の間隔は今の映画よりもスローな感じがあります。

 

そこも含めて楽しんでみるといいかもですね。

 

この映画は、下記の動画配信サービスで視聴する事が出来ます。

 

 

ではまた。

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このパッケージのワクワク感についてすらホントは数時間くらい語りたい。