スパイダーマン:ホームカミング(2017年・アメリカ) バレあり感想
先々週くらいに観てきたんですが、ここ最近いろいろと戦車ゲームの方が忙しくてすっかり更新忘れてました。
すっかり旬を過ぎた感ありますが一応。
あと中国版のポスターが色々と面白くて良い出来ですね。
『スパイダーマン:ホームカミング』(原題: Spider-Man: Homecoming)
ちなみに4DX・吹替え版で観ました。
本当は字幕で観たかったんですが、4DXの性質的には吹替えで観た方が良かったとも思えます。
声優の藤原啓治さんの復帰作でもあるしね。
■あらすじ
地元クイーンズで自警団的な活動をしていたピーターパーカー。
彼の活躍はトニー・スタークの目に留まったことで、ピーターはトニーから最新技術の塊であるスーツを渡され、アベンジャーズのトニーサイドとしてヒーロー同士の内紛に参戦した(シビル・ウォー)。
その経験に感動し、トニーからの新たな任務を心待ちにするピーターだが、
彼の日常はシビルウォー依然と大差は無かった。
だがある日、武器商人の裏取引の現場を抑えた事で、ピーターはヒーローとして活躍するチャンスを得たと考え、彼らを追い始める。
■感想
・単なるリブートに留まらない
オープニングのマーベルのロゴが出る瞬間に流れていたのが、スパイディのテーマのアレンジなのが中々粋でしたね。
これまでのスパイディの映画でもテーマ曲は必ずどこかで使われていました。
そういうある種の伝統を踏襲している訳ですが、他にも過去の作品に対するリスペクトは随所にありました。
面白いのが、懐古的なオマージュには留まっていない点です。
初代コミックから、つい最近の実写版『アメイジング・スパイダーマン』まで幅広く要素が詰まってます。
一方で、今作がMCU世界とのリンクを前提としたリブートであるからこその新たな面もあります。
まずピーター本人がスパイダーマンになるまでの過程はとてもあっさり済ませています
。
そりゃ00年代に入ってから2回もリブートして同じもの描いたわけですしね。
ここカットするというのは当然っちゃ当然の判断だと思いました。
トニー・スタークが直々にスーツを制作し、ピーターに渡したものが、今回のスパイディのスーツです。
MCUとリンクさせたからこその面白い新設定です。
トニー制作故の宿命か、やっぱりサポートAIが搭載されています。
今作はスパイディのサイドキック的なポジションであり親友でもあるネッドという少年が出てきます。
彼とこのサポートAIの力を借りて、なんとかできる事をがんばるのが今作のスパイダーマンで描かれる内容です。
こういう形でヒーローの成長物語を描くってのはスパイディの高校生の子供がヒーローという設定ならではの面白さかもしれないです。
なによりバカみたいにハイテクなスパイダースーツって結構斬新に感じました。
日本のスパイディは巨大ロボット操ったりしてますが。
・ヴァルチャーに関して
何より凄い斬新に思えたのが、今作のヴィランであるヴァルチャーの描き方です。
これホント、凄くなかったですか?
これまでのMCUのシリーズは、その殆どが明確な勧善懲悪の元にヒーローとヴィランの戦いが描かれました。
ここから少しだけ外れているのが『ウィンター・ソルジャー』と『シビル・ウォー』の二作品です。
どちらも正義をテーマに置く『キャプテン・アメリカ』の系列作品なのが面白いです。
ただ、前者は「洗脳されてたから仕方ないよね」っていう、アメコミでは割とよくあるパターンでした。
そして後者、こちらはヒーローとヒーローが拳で意見交換という内容です。
こちらは勧善懲悪ってなんだよ的な、ある種のテーマの投げかけに近い話な訳です。
ところが本作はそもそも勧善懲悪というフォーマットから逸れた描き方をしていたように思いました。
これ自体はそこまで斬新じゃないですけどね。
ハリウッドのアメコミ映画でこういう形式を展開するっていうのが個人的に面白く感じてます。
ヴァルチャーはトニーのせいで仕事がなくなってしまって、
それでもなんとか部下や家族を食わせる為に若干アウトな稼業をやっていただけに過ぎませんでした。
部下が暴走してやらかしたせいで彼の裏稼業は発覚してしまうことになりますが。
悪役側の人間的な部分というか、事情なんかをしっかりフォーカスしていて、そこがとても面白いです。
しかも最後には筋を通してピーターを護りますし。
アメリカ、ハリウッド制作のヒーロー映画であるという点を改めて考えてみてください。
何度も書きますが、今作のこの悪役の描き方ってとてつもないレアケースだと思いませんか!!
日本ではむしろ馴染み深い悪役の描き方ではありますが。
正直このヴァルチャーまわりが個人的に今作で一番好きなポイントでした。
・戦闘シーンの規模
今作、戦闘シーンの規模に関して観てみると、過去の地球が舞台のMCUの戦闘シーンの中ではかなり小規模だと思います。
戦闘規模というのは、戦いによって発生する被害状況みたいな意味合いも込めての使い方を僕はしてます。
アントマンは別の意味で最小規模ですが。
MCUの作品は、特に『アベンジャーズ』以降の、フェーズ2からの作品で戦闘規模がどんどんど派手になっていきました。
これは最終的に「ヒーローの戦いがもたらす被害」という裏テーマの掘り起こしで『シビル・ウォー』で一応の回収を見ます。
では『シビル・ウォー』以降の戦闘はどうなっていたのか。
まず『ドクター・ストレンジ』ですが、これはバトルフィールド自体がかなり特殊でした。
時間の可逆・静止が起こる世界での戦いであり、現実の世界と鏡のような形で対になる世界での戦いであり、或いは異次元そのものでの戦いが舞台です。
クッソ大規模だけどほとんど異界での戦いみたいなもんだからセーフ。
そして『GotG vol.2』、こちらはそもそも地球圏は舞台ですらありません。
最も、地球にもスターロードとパパのせいで多少影響が出ていますが。
そう言う意味では地球にほぼ影響がありませんでした。
そして本作になるので、時系列的にはシビル・ウォー以降初の通常戦みたいな形になります。
そしてその戦闘規模ですが、誤射を覗くと本当に平和なレベルです。
フェーズ1クラスと言えばいいのか。
ここで、戦闘規模を縮小させたのは良い判断ですよね。
戦闘インフレはしっかりさせていても、それは異界的な部分でのインフレですし。
なにより「親愛なる隣人」という二つ名のあるスパイダーマンの映画な訳ですし、必要以上に規模がでかくなっても観てる側としてはぽかんとしてしまう可能性もありましたしね。
だからと言って迫力が無いかと言われたらそういう訳でもありません。
スパイダーマンならではのアクションや、新機能?なんかも沢山出てきますしちゃんと面白くなってました。
・その他
MJでとらんやんけと思ってましたがしっかりでてましたね。
今作はなんかこう、キャラクターのイメージがピーター以外は一新されたような感じがありました。
MJはもちろん、フラッシュくんなんかもこれまでの脳筋のイメージからだいぶ離れてましたし。
スパイディの魅力の一つに学生生活って言う部分があると思います。
この点に関して今作はとても上手く描いていたと思います。
こんなところだと思います(視聴直後に残したメモが消えてしまって色々と端折った感想になっちゃいました)。
■まとめ
アベンジャーズ、MCU世界とリンクしたスパイダーマンが見たいという、シリーズが始まってから長年ファンが待ち望んでいたそれを遂に実現してくれた本作。
その内容はMCUのファン、スパイディのファン双方が満足できる素晴らしい出来だったと思います。
なによりトム・ホランドのクソガキ感が最高です。
ホントこのキャスティングは素晴らしい。
スパイディらしい戦闘中のジョーク乱舞も健在ですし、テーマからしてもとても気軽に楽しめる映画だと思います。
おすすめです。
この映画は、下記の動画配信サービスで視聴する事が出来ます。
ではまた。