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クラウド アトラス(2012年・アメリカ) バレあり感想 ストーリーも時間軸もジャンルも全部バラバラな各物語を一つにまとめちゃいました!!

トム・ハンクス大好きと言い続けてもう何年的な話は多分以前から何度も書いてるので流石にもう書きません、僕です。

 

最近、群像劇的な要素を絡めた映画を何本か観ていたので、

本家(?)の群像劇映画も観たくなったのでこの映画を観る事にしました。

トム・ハンクス出てるし。

 

クラウド アトラス』(原題:Cloud Atlas)

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youtu.be

 

ザ・欲張りセットって感じの映画ですねこれは……。

 

 

 

 ■あらすじ

 

群像劇のあらすじってどうやって書いたら良いんだよ!!

■あらすじ じゃねえよどうしたら良いんだよ!!!

 

と思ってましたが、それぞれのキャラクターのアレをアレすればどうにかなるか。

頭が足らないので各ストーリーラインで分けてます。

あと一部はラストまで書いちゃってます。

バレあり感想って記事名に付けてるし許して。

 

・1894年 奴隷「目を見たら友達だってわかる」弁護士「立場がね……

奴隷貿易でいっちょ大儲けしたろ!とウキウキで契約を獲ったものの、弁護士のユーイングは突然倒れてしまう。

帰路に着く船の中で、彼に同行していた医師から「寄生中にやられた」と報告を受け、治療を受ける事に。

だが、いくら医師の治療を受けても体調が回復しないユーイング。

そんな最中、ユーイングの船室に奴隷が一人潜んでいたことがわかる。

奴隷はユーイングに「弁護士なら自分を助けて欲しい、自分は水夫だったから役立つと船長に話をしてくれ、無理なら殺せ」と懇願する。

 

ユーイングは船長に交渉したが、約束は守られず船長は奴隷を殺そうと画策する。

船長が奴隷に帆を張るように命じ、奴隷が作業中のところを銃殺しようと試みる。

しかし、奴隷は手際よく帆を張り、船員たち、そして聞く耳を持たなかった船長をも感心させ、船員として雇われることになった。

 

その間もユーイングの体調はどんどん悪化していた。

実は、医師のグースはユーイングの金貨を狙い、彼を毒殺しようとしていたのだ。

正に毒殺が遂行されようとしたその時、奴隷が助けに入り、ユーイングは一命をとりとめ無事に祖国アメリカに帰る事ができた。

 

そして、この一件の後ユーイングは奴隷貿易から手を引き、最愛の妻ティルダと共に奴隷解放運動へ身を転じるのだった。

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・1931年 俺の曲は俺のモノ、お前の曲も俺のモノ

 

フロビシャー君は、音楽で大成する事を願う若者だった。

ある日、恋人のシックススミス君と一夜のお楽しみの後、家を出て大作曲家エアズの元

で音楽を学ぼうと彼の元に向かう。

 

採譜係として試用の機会を貰ったものの上手く採譜を行えず、エアズからは「出て行け」と言われてしまった。

だが、フロビシャーが奏でたピアノの演奏を聴き、エアズは考えを改め彼を正式に採譜係にする。

 

その後、エアズとフロビシャーは順調に作曲を続けているかのように見えた。

だがある日、フロビシャーが作り、完成が見えてきた大作「クラウドアトラス六重奏」を聴いたエアズは、そのあまりに先進的で美しい旋律に惚れこむ。

そしてこの曲の作曲家としての権利を主張、フロビシャーの制作していた楽譜を持ち去ろうとした。

それに抵抗し、フロビシャーはエアズの事を撃ってしまう。

 

その事件の後、フロビシャーは警察の手を掻い潜るため、人目を避けられるボロアパートに籠り、遂に「クラウドアトラス六重奏」を完成させた。

恋人のシックススミスに最後の手紙を残し、フロビシャーは拳銃自殺をするのだった。

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・1973年 エネルギービジネスの闇

エレベーターの中で偶然出会った物理学者のシックススミスと芸能ゴシップ記者ルイサ・レイ。

シックススミスはある日、彼が関わっている原発開発計画に意図的且つ重大な欠陥が組み込まれている事を証明するレポートをルイサに託そうとするが、

その動向を察知され、雇われの殺し屋ビルによって射殺されてしまう。

 

そして、シックススミスの持っていたレポートと、フロビシャーからの手紙を回収していたルイサもまた命を狙われる。

しかし、ルイサは彼女の亡き父と共に戦地で戦った男ネピアと共に、この陰謀に立ち向かう。

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・2012年 ダメ人間おじいちゃんのプリズンプレイク

書籍編集者で老齢のカヴェンディッシュは、ある授賞式のパーティーに出席していた。

そこで新人小説家のダーモットが、彼の作品「顔面パンチ」をこき下ろした書籍批評家の男を容赦なく屋上から投げ落とし殺害する。

この出来事で「顔面パンチ」は大ヒットし、出版元だったカヴェンディッシュは莫大な印税を受け取る。

 

ところがある日ダーモットの手下たちが現れ、ダーモットに印税が振り込まれない事を糾弾し、カヴェンディッシュは恐喝され、翌日までに大金を用意する約束をしてしまう。

余裕があると思われていた自身の印税収入も、実は殆どはカヴェンディッシュの過去の借金の返済に充てられていたことがわかる。

 

カヴェンディッシュは、裕福な彼の兄を頼り、兄のデニーもしぶしぶ金の工面をすることを約束した。また、デニーには安全の為「隠れ家」を用意すると言い、そこへカヴェンディッシュを向かわせた。

 

隠れ家に着き一夜明けた後、カヴェンディッシュはそこが隠れ家などでは無く、

デニーの経営する脱出不可能な老人ホームであったことを知る。

カヴェンディッシュはこの地獄の要塞から抜け出す為、同志達と脱獄計画を立てる。

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・2144年 アンドロイドは電気羊の夢を見るか

 

近未来、人類が労働力としてクローンを使役している時代。

合成人間であるクローンに対して、人類は純血種と呼ばれた。

 

クローンとして毎日バーで働くだけの毎日を送っていたソンミ451。

ある日彼女は仲間のクローンと夜中にひっそりと寝室を抜け出し、紛失物管理室に忍び込み、映画「カヴェンディッシュ大脱走」の一場面を観た。

 

それ以来、ソンミの脳裏には映画の一場面とセリフが焼き付いていた。

しかしある日、共に映画を観たクローンが客に対し無礼を働き殺されてしまう。

クローンたちには本来芽生えてはいけない感情や思考が原因だった。

 

この事がきっかけで、殺されたクローンとの関係が発覚したらソンミもまた殺害されてしまう可能性があった。

 

だが、そんな彼女をある男が救い出す。

男は、革命軍の司令官であるチャン。

 

チャンによって救い出されたソンミは"純血種"の世界を目の当たりにする。

また、彼女達クローンの最期がどうなるかも知ることになる。

ソンミはそれらの世界の実態を知り、革命軍に協力することした。

 

革命軍が放送施設を占拠し、ソンミは全世界に向けて演説を始める。

その最中、放送施設を奪還する為攻撃を仕掛けてきた政府軍と革命軍の戦闘は激しさを増していく。

遂には革命軍の司令官チャンも銃撃に倒れてしまう。

その姿を観たソンミは涙を流していた。

 

捕らえられたソンミは、それまでの体験やチャンへの想いを語り、最後はクローンとして処刑されるのだった。

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・2321年 世界が核の炎に包まれた後のお話

だが人類は死滅していなかった。

 

人食い族の襲撃に怯え、時折悪魔のささやきに耳を貸して仲間を見捨てつつも、基本的には素朴に生きていたザックリー。

彼の住む村のある島には、遠く海の向こうから超高度文明時代の技術を知るプレシエント族が物々交換と称してやってくる。

 

ザックリーが帰宅すると、自宅にはプレシエント族であるメロニムが居た。

ザックリーの耳元で、彼の心に棲む悪魔”オールド・ジョージ”が「この女を信用するな」と嘯く。

 

ザックリーがメロニムに真の目的を問いただす。

そして彼女はこの島に来た目的を語るのだった。

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■感想

 

・色々と交差しまくり

群像劇の醍醐味って、全くバラバラな夫々のストーリーが収束して一つになったりするところにあると思うんですが、

この映画はなんかもうそれを腹いっぱい堪能できる感じですね。

 

上にあるあらすじの年代表記で分かる通り、

この映画、ストーリーラインどころかタイムラインまでばらけてるんですよ。

 

で、それらを更に一本の映画の中でシャッフル配置するわけです。

 

各時系列の各物語の場面が、それぞれ相互にリンクする展開が結構あって中々目を引きます。

ちゃんとその辺りの物語的展開を序破急的に纏めていて、これがしかもそれぞれ凄い面白いんですよ。

 

また、別の物語軸の中で、その軸より過去の出来事である別の物語軸に関するキーワードなんかが出てきていたり。

細かいところまで作り込みがちゃんとしてました。

 

 

 

・各ストーリーラインのジャンルすらバラバラ

 

精神を試されている気分になるわ。

 

友情活劇かと思いきやサスペンスかと思いきやコメディかと思いきやサイバーパンクかと思いきやディストピアかと思いきや恋愛モノかと思いきや友情活劇かと思いきやサスペンスかと思いきやコメディかと思いきや以下無限ループ。

 

それぞれのキャラクターのストーリーラインがバラバラ ←わかる

 

それぞれのキャラクターのタイムラインもバラバラ ←まだついていける

 

夫々のキャラクターの物語のジャンルもバラバラ ←脳みそ沸騰するわ!!

 

これはマジで中盤くらいで、この映画のフォーマットが分かってくるとホント笑えて来ます。

もう面白すぎるんですよ、色んなタイムラインと物語軸でそれぞれのジャンルの作品として真剣に作っているので。

 

それらが一本線に配置されてる状態が相当面白いことになってます。

 

ただ、各物語のつなぎ方に関しては非常に上手いです。

 

ごく自然な流れで別の物語に話がシフトしていくので、テンション的な部分で言えばしっかり持続され続けます。

 

でもやっぱりおじいちゃんたちのコメディパートだけはどうする事も出来なかったみたいですね。

 

特にクライマックス前後で、このおじいちゃんたちのパートだけ微妙にピークの位置がずらされていました。

このパートの配置に相当悩んだ痕跡は他にも結構見当たりましたね。

そりゃ難しいに決まってるわな……。

 

・テーマと描き方が面白い

 

多分テーマとしては、生まれ変わりとか運命とか魂の昇華とか、この辺りです。

特に生まれ変わりと運命に関しては、時系列が違うそれぞれのストーリーという所でよく描いていると思いました。

 

この映画、各役者さんがもう一人何役やってんだよってレベルで色んな役で出てきます。

各時系列毎のキャラクターが居る訳ですから、多分一人六役ですかね?

 

で、この一人六役なんですが、単なる役者の使いまわしではなくちゃんとここに意味が篭っている感じなんです。

要はそのまま、生まれ変わりの表現なんかをキャスティングで演出してるっぽいんですよ。

 

中々上手く考えたなとホント感心しました。

こんな手法をとる映画今まで観た事なかったですし。

 

テーマの部分はそれを示すセリフやモノローグなんかが作中に散りばめられているので、この辺りを難しく演出しているっていう事もありません。

とても分かりやすい描き方だと思いました。

 

■まとめ

 

いやでもやっぱ分かり辛え気がするわ。

 

ホントこの作品が楽しめるかどうかは、それぞれのストーリーを追えるかどうかですね。

各ストーリーのジャンルが違うというのが結構この部分を阻害してるかも。

例えば1973年の物語はサスペンスとしての構成が強いのですが、じっくり追う暇がありません。

1894年の物語も、結末までに本筋以外に(この尺でまさかの)サイドストーリーが描かれますし。

 

それらも踏まえて一度観てみると良いかもです。

 

あとエンドロールで、各役者が誰の役をやっていたのか写真付きで正解発表があります!

 

結構衝撃的で面白いですよ。

特殊メイクってすげえんだなって再認識できます。

 

重いテーマのストーリーもありますし、全体的にも少し神聖な部分がテーマに在る作品ですが、楽しい映画でした。

 

ではまた。