ホビット 決戦のゆくえ(2014年・ニュージーランド・アメリカ) バレあり感想 ここからお祭りファンタジックウォームービー
後はもう全部戦いだけ詰め込んで締めくくっちゃおうっていう潔すぎる最終作。
『ホビット 決戦のゆくえ』(原題:The Hobbit: The Battle of the Five Armies)
出典:Hulu
■ストーリー
トーリン達の活躍も空しく、エレボールから飛び立ったスマウグは人間の街を目指す。
スマウグの攻撃により火の海と化したエスガロス。
バルドは祖先が残した最後の黒い矢を用いて、スマウグを見事撃退し街を救う。
しかし多くの被害が出た街に戻る事は出来ず、エスガロスの攻撃から逃れた人々はエレボールを目指す。
そこに現れたのはスランドゥイル率いるエルフの一団だった。
エルフの一団とエスガロスの人々はエレボールの目と鼻の先に在り、かつてスマウグによって破壊された都市へと到達する。
救いの手を求めるバルドの声を、エレボールに立てこもっていたトーリンは跳ね除ける。
トーリンは既に竜の病に心を蝕まれてしまっていた。
エルフと人間の連合軍と、トーリンが呼び寄せたダイン率いるドワーフとの戦闘が始まる。
しかしそこにアゾグ率いる闇の勢力の大群が現れ事態は急変する。
■感想
いきなりスマウグとの戦いから始まる訳ですけど。
ここで最終作がどんなテンションの元作られた映画なのかを見せつけてくれたような感じですね。
もうここから殆どバトルフェイズ。
大規模な戦闘シーンだけをここまで楽しめるファンタジー映画は余りありませんよ。
エルフとドワーフとの戦闘からオーク軍との戦闘までのシームレスさは凄いですよね。
オークが現れた事で、スランドゥイルとかの心理描写とか挟んでもいいのにそういったものを全て削ぎ落してスムーズに戦闘シーンが展開していきますし。
というかもう戦闘シーンを通してストーリーを推し進めるまでありますし。
このエルフとドワーフとオークの戦いってのだけでも正直最高に面白いんですけど、
今作は更にサウロンの配下の幽鬼達と、ガンダルフ達の戦闘もぶち込まれてます。
エルロンドや森の奥方ガラドリエル、そしてサルマンがガンダルフの元へ駆けつけ、これらと戦います。
エルロンドは『ロード・オブ・ザ・リング』でも強キャラ描写っぽいのありましたし、
サルマンも劇中で散々最強の魔法使いと言われていましたが、
本気のガラドリエル強すぎワロタ
こっちのサウロン再誕祭パートは、エルフとドワーフとオークの戦いとは別の盛り上がりが仕込まれていて面白いですよね。
このキャラ実はこんなにえげつないパワー持ってましたっていうのを惜しげもなく出してくれる感じ。
ロードオブザリングを観た人に向けたサービスの意味合いもあると思いますが、
ここはホント最高です。
サウロンがアンパンチ喰らったバイキンマンみたいに彼方へ吹っ飛ばされるのは日本人的にはちょっと変な笑い出るかもしれませんが!!
そんなのはいいんですよ。
とにかく最高なんですよこのパート。
一応今作、もう戦いだけやってもらって終わりでいいから……的な感じではありますが、トーリンとビルボ周りについてはしっかりまとめに入ってくれます。
トーリンは竜の病から脱して、最後はアゾグとの一騎打ちへ。
またここに至る過程で、ようやく本格的に旅の仲間の各ドワーフの活躍が描かれてきます。
サイドストーリーも色々仕込まれてはいますが、この辺りは素直に「こいつらこんなに凄い奴らだったんだ」という実感を噛み締めて楽しめました。
トーリンも、竜の病を脱するというフェイズを挟み、再び戦いの場に姿を現するまでの一連の流れで真の王へと成長したという描き方をすることで、彼に関する物語も一応はここでまとめられます。
ビルボも冒険を通して、真の友人と出会い、そして勇気を見出したみたいな形で最後はかなり主人公感出てきます。
トーリンが最終決戦してる頃は気絶してますけどね。
これはもうあれですよ。
シーンに関して徹底的に語りたくなるタイプの映画なので、ファンタジー好きな友人とかと観るのが一番いいタイプの奴ですよ。
■まとめ
ホビット三部作としてしっかりまとめています。
戦闘&戦闘で徹底的に臨場感と緊迫感を維持させ続けながらも、各キャラクターの動向をそこに絡めて描写しているため単調さは全くありません。
ロードオブザリングに続く要素も、この三部作を通して挟み込んである為、前日譚としてもかなり面白いものだと思います。
なにより、このホビット三部作では『ロード・オブ・ザ・リング』で描き切れなかった世界観の描写にもかなり注力しているので、
ロードオブザリングのファンにとってはかなり楽しめるものになってると思います。
登場するクリーチャーやキャラ、舞台などに関しての説明こそあまりありませんが、
ある種それは世界観を楽しんでくださいという意味合いでもあるので、
全てを素直に受け入れながら観ることをオススメします。
ではまた。