ロング・ロード・ホーム 第5話 バレあり感想 もしかしたら俺はこのドラマの根本を勘違いしていたのかもしれない。
まさかのジャシム回でしたね。
そしてこのドラマを観る価値が大きく高まるような内容でもあったように思います。
クリスマスに凄く重い話を観るのもまた一興。
第5話「戦争」
■ストーリー
夜間、コマンチレッド小隊は民兵からの激しい攻撃を受け身動きが取れない。
だが、反撃に出ようとした瞬間、民兵たちは姿を消していた。
しばらくすると、非武装の民間人が路地に集められ始める。
困惑するコマンチレッド小隊。
しかしそれは民兵たちの次の作戦の為の前触れに過ぎなかった。
一方ミルテンバーガー隊は無事に偵察隊と合流する事が出来る。
■感想
今回の主軸はジャシム。
通訳をフィーチャーするって結構珍しいので意外な回でした。
ジャシムの過去を描きつつ、何故彼が米軍の通訳として働き出したのか。
具体的な描写は在りませんが、ラストでジャシムの親友が殺されていた事からその理由を察せます。
また、今回は全編にわたって異様に緊張感がありました。
今回コマンチレッド小隊が久々に主軸の話になっています。
戦闘→警戒→人間の盾という流れで気が休みません。
それらを経た上で、ラストのあの展開はもうね。
重いよね。
正直、ジャシムの回想と共に物語が進んでいった上で、
最後のジャシムの説得の流れだったので、
不用意にも奇跡で感動的な、まるでクリスマスのような素敵な展開にでもなるのかと思っていました。
ええ。
浮かれてんじゃねえぞって話。
しかし実際には説得も無下に帰してしまい、
いよいよコマンチレッド小隊は民間人に向かって発砲する……ところでエンドロールですもんね。
次回が怖いよね。
一方で描かれたミルテンバーガー隊も、緊張感はあるのですが、
同時に戦争モノあるあるの世間話パートを挟んでいて、
今回こちらで上手くクッションにしていた感じ。
無事に偵察に出ていた味方と合流も出来ていましたしね。
そしてジャシムの回想パートなんですけど、
彼が結局敵なのか味方なのかというところに多分焦点を当てたのが今回の話ですよね。
一応これまでも、ジャシムは信用できるかどうかっていう問いかけみたいな描写が結構あったんですけど、
今回はそれに対する回答みたいな話でした。
結論から言えば彼はやはりシーア派のスパイという訳では無く、通訳として普通に米軍に協力しているという事だと思います。
それとなくこのあたり推理要素というか、裏切り要素みたいなの放り込まれているのかなぁと思ってましたが、わりとあっさり解決したので個人的には良かったです。
妙に回り道するドラマはつまらない展開になりがちですし。
そして今改めて思い返すと、
このドラマ前半では米軍が正しい存在であるような描写を放り込んでいますが、
後半からは米軍の問題点についての指摘のようなものがかなり増えてきました。
例えば仮に米国と他国の戦争だったり、そこに付随する諸問題についてあまり関心が無かったりする人たちがこのドラマを観たとすると、
前半では米軍ガンバ!的テンションで、観ていたはずが、
いつの間にか正義とは何かみたいな事に関してクソ渋い顔で議論できるようになるというとんでもない教育性能を誇るドラマなのでは……。
これつまり最初からそういう効果を狙った脚本だったって事ですか?
だとしたら凄い。
そして第1話第2話でボロクソいってホントすみませんでした。
マジ、すみませんでした。
つまり、鼻からこの手の話に興味ある層に対しては、
ある種当たり前に思えるような描写(それこそプロパガンダ的な描写なんかも含めて)なんかも積極的に取り入れていって、
最終的には問題提起に落ち着くというかなりメッセージ性の高いドラマなのかも。
マジで最初ボロクソ言ってすみませんでした。
生まれてきて恥ずかしい。
■まとめ
今回緊張感の演出の為か、家族パートが一切ないんですよね。
いよいよ市街地に戦車が到着し、ミルテンバーガー隊も合流が完了しそうです。
一方でコマンチレッド小隊はいよいよ窮地に立たされていて、
物語的にはクライマックスがもうそこまで来てますね。
あと3話ですが、個人的な予想では最終話は多分事件後を描く事に注力すると思っているので、
戦闘は実質次の話辺りが最高潮でしょうね。
このドラマのモデルになっているブラックサンデー事件、調べてみるとわかりますがドラマで描いている部分は恐らく現時点で事件の中盤から終盤辺りになるかと思います。
今後もかなり楽しみなドラマになりました。
というか正直かなりオススメかもしれません。
huluでこのドラマどのくらい配信され続けるのか分かりませんけど、
とりあえず無料期間で観れる話数のドラマなんでぜひ観てみてください。
ではまた。