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ロング・ロード・ホーム 第8話(最終話) バレあり感想 改めて、最初から通して観返したくなるドラマ

遂に最終話です。

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最終話「夢を見て」

 

 

■ストーリー

 

コマンチレッド小隊の正確な座標が遂に特定され、M1エイブラムスを中心とした救出部隊が付近の路地まで到着する。

だが、小隊が待つ小さな路地が巻き上がる煙と夜霧で確認が難しく、中々味方と合流することが出来ない。

アグエロは意を決して、銃弾の飛び交う路地を一人走り抜け、救出部隊の元へと向かう。

 

ミルテンバーガー隊もまた、車両の故障によって身動きが取れないままだった。

負傷した兵士達の体力は限界に達していた。

その時、車両付近を人影が通り過ぎる。

ミルテンバーガーは単身その後を追跡する。

 

 

 

■感想

まずコマンチレッド小隊の顛末ですが、

まさか最後の最後にまた救出部隊から見失われるとはね。

座標まで特定してもう安心と思いきやですよね。

 

更に、弾薬も尽きてしまい絶体絶命の状況で、アグエロが決死の呼びかけをしてようやく発見してもらう訳ですが、これは結構なやらかしですよ。

 

ヒヤヒヤとイライラの丁度真ん中くらいの気持ちになりましたこのシーン。

今回はもう米軍も本気出し過ぎてて、車列が全てM1エイブラムスっていう恐ろしい光景でした。

M1エイブラムスは第三世代MBTで、間違いなく当時世界最強の戦車です。

当時というか未だにですが。

 

それがあんなにわらわらと……。

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何の躊躇も無く120mmライフル砲をぶち込みまくってるわけですけど、この街の住民はたまったもんじゃねえよこれ。

 

アグエロの決死の呼びかけでようやく合流できたレッド小隊、安堵するジャシムとブールキンが良い感じ。

 

この後にも描かれますが、彼らの救出の為に最終的に60名以上の負傷者を出し、8名の殉職者を出してしまいました。

そして、航空支援に戦車部隊による市街地の戦闘など、諸々を考えていくと面白いです。

 

この救出作戦及び戦闘の規模が、当初の想定から如何にして拡大していったのか、第一話から通して観てみるとより分かりやすいかも知れませんね。

 

そして、米軍のこの味方の救出に対する姿勢というものをテロリスト達が如何に利用しているかコマンチレッド小隊は最初の段階からシーア派民兵たちによっておとり作戦の餌にされています)という点も、結構濃く描いていました。

 

ブラックサンデー事件は、この後に始まる連合軍の対テロ戦争の皮切りになる事件でもあります。

そして、なぜこの対テロ戦争というものが泥沼化していったのか、その片鱗もこのドラマでは描いています。

 

今回の話は、ガルザというミルテンバーガー隊所属の兵士を軸にしています。

名前はイスラエルであってますかね?

アルシアガという弟分と一緒にいつも居た人です。

 

正直混乱しました。

今もまだ混乱してます。

冒頭、故郷に帰還した兵士達のシーンにイスラエルが居ます。

彼は妻であるルピタと息子たちと再会を喜び合ってます。

 

が、物語が進んでいくと、イスラエルの死をルピタに宣告するという場面があります。

その後、ヘリの中で息を引き取ったという事がルピタによって語られます。

 

ドラマのラストシーン、殉職者達の弔いのシーンでは8名の殉職者の名前が呼ばれ、そこでもやはりイスラエルの名は呼ばれてます。

 

要は冒頭のあのシーンは『LOST』のフラッシュサイドウェイズみたいなもんなんでしょうか?

 

この感想記事書きながら今観返してるんですが、やっぱり冒頭のアレは一種のフラッシュ演出な気がします。

 

また、この手の作品のお決まりみたいなもんですが、このドラマで描かれた兵士達のその後もエンディングで短く語られます。

当たり前と言えばそうなんですが多くの兵が未だ現役で、今も戦地に赴いているというのは、不思議な感覚を覚えます。

このドラマで描かれたものが決して架空の世界の出来事ではないという事を改めて認識させてくれます。

 

 

 

■まとめ

 

当初こそプロパガンダ感が過ぎるドラマでしたが、

回を進める毎にこのドラマが描きたいもの、やりたいことが見えてきて、

最終回を観終えた今ではかなりこのドラマの評価が自分の中では上がっています。

 

ノンフィクション、史実云々を抜きにして、ドラマそのものとして観た場合にも、

毎話毎話で様々なキャラクターをフィーチャーしつつ、

ストーリーの展開と上手く並行しながらキャラクターの掘り下げにも力を入れていて、

作りが凄く堅実でしっかりしていたことがわかります。

 

というか堅実な戦争モノでメッセージ性もかなり重めな作風なんですけど、

かなり観やすいドラマだった気がします。

 

よくよく考えてみると、史実を元にしているとは言えども全話通して見てみるとオーソドックスな3幕構成になっていますし。

その中で各和各和で様々な視点を差し込みながら事件の顛末を描いています。

 

だから、なんというか毎話である種の新鮮さが保たれているのが良さのひとつなのかもしれません。

 

単純にイラク戦争がなぜ泥沼化していったのか、そのきっかけを描いた作品として観るのも良いですし、

兵士達の様々な苦悩を描いた作品としても観れますし、

実体のつかめない異国での戦闘を描いた作品でもいいかもしれません。

 

それだけ要素は濃いです。

 

マジで、1話2話のわざとらしい如何にもな空気感を乗り越えてから一気に楽しくなります。

 

良いドラマでした。

ではまた。

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