ウォーキング・デッド シーズン8 第9話 バレあり感想 人間性と狂気の話。
シーズン8後半がいよいよスタート。
前半最終話(第8話)の衝撃的なクリフハンガーを受けてどういう形で物語を繋げてくるのか楽しみにしていましたが、
このドラマにしては珍しく割と素直な繋がり方をしましたね。
第9話「夢」
■ストーリー
アレクサンドリアは救世主に制圧された。
住人達は地下道へ避難し身を隠している。
カールはセディクを連れてくる際にウォーカーに襲われ、噛まれてしまった。
モーガンとキャロルは、救世主達に占拠されたアレクサンドリアからエゼキエルを救出する為に、町に潜入する。
■感想
カールとモーガンの二人がメインの内容でした。
ウォーカーに噛まれてしまい、死を覚悟しながらも最期まで未来を想うカール。
対して、死に取りつかれてしまい狂人と化したモーガン。
この二者の対比が面白かったです。
まずはカールのパート。
前話から少し時系列が戻り、カールが噛まれた直後から描かれます。
自分が死ぬという事を受け入れ、仲間に手紙を託し、そして最期の日を過ごす姿が描かれるんですが、
切なすぎるって。
TWDあるあるになってきましたが、やたら陽気なBGMを流しながら重いモノを描くのは正直好きじゃないし嫌いです。
今回のカールの冒頭のパートに関してはしかし、カールが自分が死ぬことを理解している一方でどこかそこに現実味が無いという空気感を表すのに一役買っていた印象がありました。
そして前回と繋がる、地下でのリックとミショーンとの対面シーン。
ここからはもうカールさよなら回と言わんばかりの演出の応酬でした。
物語としては、殆ど進展は見られません。
殺意に囚われたリックにカールの言葉が刺さったところを考えると、この後の救世主との展開に確実に何か進展があるとは思いますが。
カールとリック、ミショーンの対話がメインの為、物語では無くキャラクター側の意識の変化という部分での進展があった回です。
これは必然というか、だってカールが退場するわけですし……。
盛大に送り出してやらな。
対話を通じて、カールは主に人間性に関して言葉を語っていました。
サブタイトルの「夢」は、シーズン8の第一話から散発的に見られたパラレルワールドのような世界を指しているかと思います。
この夢の世界は、リックの考え方次第で実現も出来るとカールはリックに道を示しました。
メインに描かれているのはカールですが、この回での出来事は今後のリックの動向に大きく影響してくると思います。
一方のモーガンですが、再び殺しに憑りつかれてしまった様子。
カールが死ぬ間際の姿を丁寧に描く一方で、モーガンががむしゃらに救世主の人間を殺して回る姿はなんともシュール。
不殺という信念を得たはずのモーガンが、再び殺意に満ち溢れていた頃に戻ってしまった訳です。
その一方でリックは、カールの言葉で殺意から解放されたかのような形になっています。
また、カールの言葉とモーガンの行動が対比されるシーンなどもあり、
今回の話は狙ってそういう対比の描き方をしていたって事なんでしょうね。
救世主の人間を凄い勢いで殺すモーガン。
棒で喉を貫いたり、アサルトライフルを乱射したり、組みついてきた相手の腸を引きずり出したり。
やりたい放題かよ。
一応キャロルも一緒に行動しているんですが、キャロルすらその姿にはちょっと引いてしまっている状態。
そして気が付けばアレクサンドリアを制圧していた救世主の殆どを殺害していたモーガン御一行。
やっぱりこの二人の戦闘能力はちょっとおかしい。
Nerfしろよ。
そして最後に生き残ったのは救世主の幹部の一人であるこの人。
いつかの感想記事でも書きましたが、救世主側の幹部の中でもわりとこう、まともというか、話の通じるおっさん。
名前は忘れた。
このおっさんはエゼキエルから何度も「まだ間に合う」という旨の説得を受けます。
ダントツで物分かりの良さそうな人ですし、実際に救世主から離脱したとしても、リック達とやっていけそうなキャラだと個人的に思っていましたが、
案の定「ニーガンには逆らえないよ」の一点張り。
そして最後にはヘンリー少年に喉を一突きされて死んでしまいます。
個人的にこのおっさんはかなり好きなキャラクターの一人だったので、残念というか無念というか。
カールが逝く回で殺されたせいで今後印象薄くならないか心配というか。
最期、おっさんを殺したのがモーガンでは無くヘンリー少年であるという点もまた色々考えさせられる展開です。
ぼかぁもう疲れたよ……。
なんで今回、シーズン8後半一発目の今回でいきなりこんな重い事ばっかりやるんだよ……。
そんな感じでした。
生きる道を選択する、という部分も今回大きなテーマの一つかもしれませんね。
■まとめ
カールとリック、ミショーンの対話は極めて人間的な要素の強いシーンである一方、ガンガン人を殺して回るモーガンの姿はとても狂気じみています。
というか、一人の家族の死を悲しむパートと、人をたくさん殺すモーガンのパートを交互にやるって結構ドギツイ事やってるよね。
今回の内容は、キャラクターに色々と影響があるキッカケ回みたいな感じだったので、
今後の展開に響いてくるような話でした。
分割後半第一発目の話として、後に影響を与える回という点ではオーソドックスなものではありますが、いかんせん重い。
シーズン7の窮屈な重さとはまた違う感じですが、これが今後晴れる事があるのでしょうか。
あと、ウォーカーさんは今回も舞台装置として頑張ってくれていました!
もはやウォーカーは出てくるだけで面白いよ。
ちなみに感想記事のタイミングがやたら遅いのは、huluの見逃し配信をメインに視聴しているからですすみません。
リアルタイム配信は時間的に観れないんです……。
ではまた。
全てが上手くいった理想的な世界という事なんでしょうか。