趣味と向き合う日々

映画やドラマなどの映像作品を中心に気ままに書いています。


映画評論・レビューランキング

ウォーキング・デッド シーズン8 第10話 バレあり感想 ようやくシーズン7を観返す意味が出てきそうな話が来た……。

 

制作陣の仕組んだ構図に関して過去に感想記事で言及していながら、その意図に気づかなかった俺です!こんばんは!

どっちが悪モンか分かったもんじゃねえとか散々書いてたのにね!!

 

あと今回は珍しくジェイディスの掘り下げ回でした。

f:id:desno:20180313030154j:plain

第10話「託された手紙」

 

 

■ストーリー

サイモンは、ニーガンの指示でゴミ山に向かい、ジェイディス達に謝罪を求める。

ジェイディスの態度を見たサイモンは、ニーガンの指示とは違い、ゴミ山の人々をジェイディス以外皆殺しにしてしまう。

 

 

リックとミショーンは、カールを埋葬した後ゴミ山に向かう。

ゴミ山は大量のウォーカーに占拠されていた。

 

そこには一人涙を流し放心するジェイディスが居た。

ジェイディスはリック達に一緒に連れて行ってほしいと頼むが、リックはそれを拒否する。

 

ジェイディスは一人ゴミ山で、ウォーカーと化したかつての仲間が粉砕機にかけられていく様を見つめる。

 

リックはゴミ山から帰る最中、カールの手紙を読むことを決意する。

そして、カールの書いたニーガン宛の手紙を読み、無線でニーガンと話す。

 

 

■感想

 

前回の記事で、リックは心境が大きく変化したって書いてましたが、

そんな事は無かったぜ。

 

前回は殺意モードのモーガンとリックが対比されるような形になってたんですが、

結局リックはニーガンを許そうとはしてない感じでした。

というか「もう手遅れだろ」みたいな空気感を醸し出してましたね。

 

見ようによっては、ニーガンに怒りをぶつける事で、カールの死の悲しみを紛らわそうとしているようにも捉えられます。

結局それはカールの望んだものではないわけですが。

 

 

そして何より、ニーガンとリックの終盤の無線での会話です。

 

ここに来てようやく、シーズン7で散々やったニーガン怖い奴アピールの伏線が公的に回収されたような印象を受けました。

 

 

要はこの物語、リックの視点で動くわけで、そのリックからすれば仲間を二人も殺したニーガンは絶対悪になります。

そして打倒ニーガンの為各コミュニティが協力し、反旗を翻すという王道展開につなげる事で物語的にも色鮮やかな内容になりました。

 

しかし一方、ニーガンの視点でこれまでの経緯を見てみると、全く印象が違ってきます。

そもそも先に手を出したのがリック達だという点。

RPG使ってバイカー集団を吹き飛ばしたりしちゃってました。

 

それでもニーガンはリックの仲間達を必要最低限しか手にかけていません。

これは人員=リソースという観点をニーガンが徹底している為だという事は今回を含め、これまで何度か描かれてきました。

 

また無駄な殺しを割けてそれぞれのコミュニティのリーダーを通して各コミュニティを支配するというやり方も、コストパフォーマンスに優れた手法です。

 

恐怖支配的な面がある分、どうしてもそこには反感が生まれますが。

それも見越して、ニーガンは必要最低限の殺ししかしなかったのかもしれませんね。

 

今回の話でも、ニーガンはサイモンに徹底して無駄な殺しは控えるように忠告してますね。

サイモンは見事にその約束を破って、ゴミ山の人達を皆殺しにしちゃったわけですが。

 

 

ていうかよくよく考えたらサイモンが全ての元凶なんじゃねえのかこれ。

 

これまでの事も。

きっとこれからも。

 

そう思うと俄然シーズン7を観返す価値が生まれたような気がしてきたんです。

それこそリアルタイムではボロクソ言いましたし、今だって内容の薄さという点は印象変わってません。純粋に嫌いなシーズンです。

 

ただ、如何にリック側のフィルターがかかった描かれ方をしていたかという部分を再確認する事が出来ると思います。

 

 

そしてサイモンはいつの日もヤバい奴だったと思い出しました。

 

ニーガン側の幹部連中って、ギャビンもドワイトも、あの格闘戦強そうな女性キャラも、わりとこう、サイモンと比べると大人しいというか。

ドワイトは裏切りを画策しては居ますが、ギャビンは筋を通してエゼキエルと接してましたし、女性のキャラもリック達に攻撃された事に対して怒りを示した訳ですし。

 

ユージーン? あぁ居たなそんなやつも。

 

なんにせよ、今回の話でリックとニーガンは善悪で分ける事が出来ないという部分を、二人の無線でのやり取りで公に描いたという意味で結構重要な回だと思いました。

 

 

 

あと、ジェイディスについて。

これまでもあまり詳細にどういう人物か描かれませんでしたし、ゴミ山の住民も含め素性の分からない奴らとして描写されていました。

 

今回、ゴミ山の人々に関してようやくジェイディスのセリフからそのバックグラウンドみたいなものが見えてきました。詳細な部分は語られていませんが。

 

また、サイモンのセリフから、ゴミ山はただのゴミ山では無い可能性が浮上したのは面白いですね。

ヘリポートソーラーパネルがあるそうで。

やんわりと「何かを隠す為にゴミを集めて場所を隠蔽した」みたいなニュアンスを感じます。

 

一方ジェイディスは世界が崩壊する以前に、このゴミ山に美術品の素材を漁りによく来ていたそうです。

 

この事からすると、世界崩壊以前から既にこの場所はゴミ山だったみたいですが、その時から既に誰か、或いは何らかの組織が何かを隠していたのかもしれません。

 

『LOST』を感じる。

 

 

ジェイディスや他の人々は、この地にあくまで安息を求めて集っていたっぽいです。

外界から完全に遮断されたこの場所で、新しい世界が生まれたみたいな。

ジェイディスはそれを全体がキャンバスだみたいなかっちょいい表現をしていました。

 

そう言えば、そこに外の出来事を先に持ち込んだのってリック達でしたっけ?

それ以前に既に救世主とゴミ山って手を組んでましたっけ……?

 

いかんせん裏切り常習犯なせいでこの辺りがもうあやふやです。

 

 

そんなゴミ山の人々ですが、サイモンの暴走でジェイディスを除き皆殺しにされてしまい、ジェイディスはもう精神がギリギリ。

 

現れたリック達に、一緒に連れて行ってほしいと声をかけたのは寂しいからでしょうか。

哀れな女性としての面を今回で一気に見せられました。

 

しかし、ウォーカーと化したかつての仲間を粉砕機にかけた後のジェイディスの表情は、これまたなんとも読み取り辛いものになってました。

 

この後またジェイディス関連は何かありそうですね。

 

 

 

■まとめ

 

 

サイモンだけじゃなくてリックも悪いよね。

 

ていうかもうリックがホント悪いよね。

 

カールを失い、尚もニーガンとの戦闘を望むリック。

そしてカールが死んだことを聞き、それが一体どうして引き起ったのかをリックに伝えるニーガン。

 

シーズン8は、第1話からリック達がやりすぎじゃねえかって事が多くなった、というか主人公フィルターが徐々に剥がれていましたが、

今回の話でようやくそれを決定付けた感じでした。

 

もう悲しい。

最愛の息子が死に際に残した言葉すらもうリックには届いてないわけよ。

こんなやつもう完全に悪役のそれじゃねえかっていう。

 

ただ忘れちゃいけないのが、ニーガンだって何の罪も無いお医者さんを火の炉に投げ込んでたりやる事はやってるって点だよね。

 

そんなこんなで、次回も楽しみです。

 

 

あとイーニッド達にも地味に展開がありましたが、もうそれ以前に何でこいつら捕らえられてるんだとかその辺り含め記憶から吹っ飛んでました!

 

ではまた。