イット・フォローズ(2014年・アメリカ) バレあり感想 不気味な存在に追われるというより、追われてる状況が怖い。
童貞には絶対に見えない何者かとのフリースタイル形式鬼ごっこ。
童貞でも楽しめる映画です。
『イット・フォローズ』
(It Follows)
ネタバレありと書きつつ、意外とネタバレしてない気がする俺の感想記事。
■ストーリー
19歳の美少女ジェイがある日エッチしたところ、歩き縛りで追ってくるやべえのが見えるようになったので必死に逃げたりえっちして他の人にやべえのの狙いを変えようとする話。
■感想
ホラー映画なんですけど、わりとホラー苦手な人でも楽しめると思いました。
この映画はなんというか追われるという状況そのものの恐怖みたいなところが中心にある気がして、ホラー映画らしいお約束要素も控えめでしたし。
ジワジワとシチュエーション的に恐怖感を煽ってくるという部分はもちろんあるんですが、肝心の追手である何者かが七変化しながらゆっくり歩いてくるだけなので、凄くシンプルでした。
ただシンプルながらも、前述の状況的な恐怖を煽るという要素自体がかなり独特で、否応にも劇中の登場人物のように追手の存在を常に意識しながら映画を観ることになりました。
これが中々スリリングというか、普段の数倍は画面に集中していた気がします。
どうしても探しちゃうよね、何かが追ってきてないかとか。
で、この追手の正体とかは劇中結局明かされる事はないわけですけど、わりとヒント的なものは散りばめられていました。
眼鏡っ娘がやたら自身の読んでる本の一部を朗読していて、後は前後の状況と照らし合わせて考えてねと言わんばかり。
要は死そのものを怪物的な演出で表現しているだけなんだろう僕は捉えてます。
セックスを介することでセックスした相手に追手のターゲットを移す事が出来るという設定が在り、これを考慮すると性病の擬人化みたいな感じにも捉えられる気がするんですけど、
もしそうだとしたら死の逆順処理みたいなもう一つの方のルールがよく分からなくなりますし。
というかこのルールという要素、
何かは移された人物にしか見えないとか、
追ってくる何かは絶対に歩きでやってくるとか、
セックスする事でターゲットを変えられるとか、
タゲを移した相手が死んだら逆順で再びターゲットが戻るとか、
そんな感じです。
ぶっちゃけこれらのルールの存在のおかげで追ってくる何かに対しては不気味さよりも合理的な印象を抱きます。
だからそんなにこの何か自体には怖さを感じないのかもしれません。
だって律儀に歩いて付いてくるだけだし。
追い付かれたらシュールな方法で殺されるけど。
あとシンプルに主人公のジェイちゃんが可愛いですね。
■まとめ
ルールの中でなんとか危機を脱しようとするという系統の映画です。
同系統には『ファイナル・デスティネーション』なんかもありますが、そういった作品の多くはグロを中心に添えているものが多いと思います。
そんな中、この映画ではグロさよりもシチュエーションそのものが演出する恐怖感を全面的に出している点で大きく他の同系統の映画と異なっていると思いました。
比較的静かなホラーなのにもかかわらず一定レベルの緊張感を味わえるので非常に楽しめました。
イット・フォローズはHuluで視聴する事が出来ます。
他にも何やら面白そうなホラーがたくさん。
ぶっちゃけクソ映画枠も多いですが、掘り当てる楽しみもまたこのHuluが随一。
ではまた。