ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年・アメリカ) バレあり感想 魔法生物要素はおまけ。グリンデルバルドにお辞儀をするのだ。
ハリーポッターシリーズのスピンオフ第二段。
ファンに向けたサービス要素が沢山ありました。
(FANTASTIC BEASTS: THE CRIMES OF GRINDELWALD)
ポスター/スチール写真 A4 パターン15 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 光沢プリント
ネタバレ要素が含まれます。
■ストーリー
クリーデンス青年は死んだと思われていたが実は生き延びていた。
グリンデルバルドは魔法省の監禁から抜け出して、クリーデンスを誘う。
ニュートは成り行きでグリンデルバルドを追い、フランスはパリへ。
そこでティナに対する誤解を解き、レストレンジ家の内輪のいざこざを眺めることになる。
■感想
ファンタスティックな野獣よりもゲイっぽい魔法使いの話がメイン
ファンタスティック810成分は前作に比べるとかなり控えめになっていた様に思います。
中国出身の妖怪みたいなのがメインで頑張っていました。
あと目立っていたのはナギニですかね。
クリーデンス青年の自分探しの旅に真摯に付き合ってあげる可愛げのある蛇娘。
ナギニはニュートくんとは直接の絡みはありませんでしたけど。
ていうかあのナギニですよね?
お辞儀のペットのナギニですよね。
劇中で散々「そのうち人間モードには戻れなくなる」と言われていましたし。
トム・リドルとクリーデンス青年が後にどう繋がるのか楽しみです。
主なストーリーとしては、お辞儀卿以前の闇の魔法使いの中でも最強と謳われているグリンデルバルドが正にその活動を始めるまでを描いた映画でした。
グリンデルバルドがヤバい奴である事は今作で十分描かれています。
確実にあるであろう続編ではその分魔法バトルに専念できそうですね。
三部作の内の二作目感のあるストーリーと結末
ストーリー面では色んな出来事が動き出すまでを描いたので、視聴後の満足感はイマイチ得られなかったです。
アヘアへグリフィンドール加点爺さんことダンブルドアが、打倒グリンデルバルドにニュートを指名した理由はなぜなんでしょうね。
ダンブルドア本人はグリンデルバルドと血の誓い(多分破れぬ誓いと同じ物だと思います)によってお互いに戦う事が出来なくなっている事は明かされます。
誓いの回想シーンがすげえホモっぽかったゾ。
とにかく、そこでなぜニュートなのかがはっきりとわかりませんでした。
確実に次作があるのでそちらで明かされるのかもしれませんが、それキッカケで今回のニュートは結果的にパリへと向かうことになりますし。
一応ティナに会うためという理由もありましたけど、そちらもティナとニュートが前作の後仲違いした理由が新聞の誤報であったり、ちょっと無理やりな気がしました。
一方、クリーデンス青年の自分探しの旅パートもあります。
こちらのストーリーラインの結末は何故グリンデルバルドがクリーデンスを欲しているのかという部分への解答に直結するので、なりゆき気味にグリンデルバルドと対立するニュートを描いたメインストーリーよりも重要度が高い印象を持ちました。
クリーデンスのストーリーは途中まで凄く良い印象を持ちました。
クライマックス前に、ニュートやらリタちゃんやらと一堂に会するシーンまでは。
そのシーンではクリーデンスの正体がいよいよ明かされそうでやっぱり明かされません。
まず、レストレンジ家に母をNTRれたユスフという絶妙に活躍しない新キャラが「実はお前は死んだはずのリタ・レストレンジの弟だったんだ!」といった具合で衝撃の事実を突きつけたかと思えば、
それに対してリタが「実は弟は実質私が殺したのよ!だからお前は絶対にレストレンジ家じゃない」という切り返しと共に、回想シーンへGO。
実の弟とどこの馬の骨とも知らぬ無垢な赤子をこっそりすり替えて、そのすり替えた赤子が生き残り、実の弟は海低へ沈んでしまったという、物凄く後味の悪い話をしてました。
つまりこのパートでクリーデンスの正体は結局わかりませんでした。
結果、「俺は誰なんじゃ」とすっかり意気消沈するクリーデンス。
それまでの彼の旅路は何だったのか。
そんなレストレンジ家の家系図についてのいざこざを真摯な表情で眺めているニュート。すげえ良い奴だよニュートは。
そして映画のラスト、グリンデルバルドの元でクリーデンスはようやく自分の本名がアウレリウス・ダンブルドアである事を知ります。
リタちゃんがたまたま船内ですり替えた赤子が実はダンブルドア家の赤子だったと。
何か確実に裏がありそうですが、本編中で明かされるのはそこまでです。
アヘアへハリー依怙贔屓爺のダンブルドア先生は兄弟がたくさんいますが、アウレリウスもまたその内の兄弟の一人なんでしょうか。
隠された末弟だったのでしょうか。そうなるとアウレリウスの年齢がどうしても気になります。
そんな感じなので三部作の内の二作目感が物凄かったですね。
あくまでハリーポッターのスピンオフ作品なんだなと改めて思うファンサービスの量
今作は小ネタやファンサービス成分はかなり多めになっていました。
若き日のダンブルドアだけでは無く、チラッとマクゴナガル先生も出てきていました。
また、ニコラス・フラメルも登場しましたね。
『ハリー・ポッターと賢者の石』で存在が言及されていた錬金術師です。
凄まじくヨボヨボなおじいちゃんですが、クライマックスでの戦いではそれとなくニュート達に加わり、防御呪文をかっこよくかましていました。
また、アメリカ、イギリス、そしてフランスの魔法省も登場し、作品世界により広がりが生まれたように思います。
出てくる奇怪な生物も河童なんかもいたりして世界的な魔物の数々を登場させていますしね。
もしかしてハリーポッターシリーズなりのポリコレへの配慮なのかこれ。
というかよくよく考えたら、前述したナギニに関してやレストレンジ家なんかもハリーポッターシリーズを知らないと殆どピンとこない部分ですよね。
ダンブルドア家と不死鳥の関係とかも。
でもそんなこと言ったらグリンデルバルドの存在自体がファンサービスになっちゃうか。
一作目は世界観は共有しつつも、あくまで独立した作品として作られていたように思うんですが、そういった面で今作は路線変更している気がします。
■まとめ
ニュートくんが魔法生物と共に強大な悪の魔法使いグリンデルバルドと戦う映画化と思いきや、そんな事は一切ありませんでした。
魔法バトルは魔法でバチバチにやりあってました。
魔法生物要素はもちろんありますが、それが本編に要素として絡んでいるのはナギニの存在くらいなので、わりと今作はハリーポッターシリーズらしいといえばらしい映画でもあると思いました。
ファンサービスも多いですし。
Huluでは現在、ハリーポッターシリーズが期間限定で『賢者の石』から『死の秘宝part2』まで配信されています。
ファンサービス要素の強い今作を観た後の復習にも、観る前の予習にもお勧めです。
結末がむしろ次への始まりみたいな、綺麗なクリフハンガーを決めた感じで終わるので消化不良感は否めません。
個人的には面白さはそこそこだと思いましたが、今作は伏線が多く続編の出来次第で化けるかもしれません。
ではまた。