HOMELAND/ホームランド シーズン1 ネタバレありの全話まるごと感想記事。
右のイケメン誰なの。
まだシーズン1しか観ていないです。
シーズン1にはイケメンは出てこなかったです。
ちなみにネタバレ無しの記事はコチラ↓↓↓
結末辺りまでネタバレ有りでの記事です。
■ストーリー
死亡したと思われていた米兵ブロディがアルカイダ幹部、アブ・ナジールのアジトから救出された。
国中が歓迎ムードで彼を迎え入れる中、CIA諜報員のキャリーはブロディに対して不信感を持っていた。
キャリーはブロディの監視を続けるうちに彼に想いを寄せ始める。
どういうわけかブロディも彼女に対して好意を向けるが、キャリーが自身を疑っていた事を知り、彼女との不倫関係を終わらせる。
そしてブロディは彼女を陥れ、計画を実行する。
■主な登場人物
ニコラス・ブロディ
アブ・ナジールに捕らえられたものの、暫くした後ナジールの息子アイサの英語教師を任され、意外と自由な生活をイラクにて送る。
米軍の民間地区空爆でアイサが死亡し、それを米国がねつ造だとする報道を行った事によって、副大統領はじめ安全保障理事会の閣僚に対する復讐を誓う。
家族第一で信念に熱い男のはずなのにキャリーとは不倫するし、副大統領暗殺も止めるしで軸ブレが激しい。
でも親友のトム・ウォーカーは二度殺す。
キャリー・マティソン
CIAの優秀な諜報員だが精神的に不安定なので、それなりにヤバいお薬で心身を保持する。
ブロディを監視する内に彼に想いを寄せてしまう。
爆破テロに巻き込まれるわブロディにハメられるわCIAにお薬の事がバレるわ電気ショックで記憶消すわで終盤は散々すぎて応援したくなる。
ソール・ベレンソン
キャリーの上司。
基本的にキャリーの方針を認めてくれる良いおじさん。
キャリーを見捨てたり見捨てなかったりしろ。
アブ・ナジールの部下が捕らえられて尋問を受ける回で、その男は誰からか渡された剃刀で自害する。
その後誰が剃刀を渡したのかを見つける為のテストでソールの検査結果がギャンギャンに怪しかったのは一体何だったのか。
もしかしてアンタ黒幕なのか。
デイヴィッド・エスティース
物語上の真相へキャリーが近づく事を遅延させる担当及び無意識下の掻き回し担当。
出世の為には機密でもなんでも破棄する気概を持つ。
マイク・フェーバー
君最後の方何してたの?
ジェシカとの関係が終わり、ニコラスとも仲違いしてバスケットコートで一人悲しくボールと戯れる。
トム・ウォーカー
死んだと思われていたが実は生きていた。
これによって、キャリーが得ていた「米兵捕虜がアルカイダに転向した」という情報がトムを指す事が発覚した。
ものの、結局ブロディもアブ・ナジール側の人間だったのでキャリーは間違っていなかったり。
親友に二度殺される。
ブロディ一家
クリスは情緒不安定な父に恐怖しながらも歩み寄る優しい男子。
ジェシカは帰国した情緒不安定な父を、マイクとの関係を絶ってでも支える温かい女性。
デイナは副大統領暗殺を実質阻止した有能な不良女子。
アブ・ナジール
ブロディとウォーカーをけしかけたアルカイダ幹部の男。
アメリカ万歳!USA!USA!な方針のドラマでも無いのでそれなりに人間味のある描かれ方をする。
プロパガンダアレルギーの人も安心の悪役。
■感想
いやブロディさんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ブロディは誰が見ても明らかにイカてました。
これが最終盤で全て筋が通るのかと言うとそうでもない箇所も多いのが、奇跡的に別ベクトルの面白さに繋がっているように思います。
唐突にシカを殺してみせたり、それとなくパーティーの最中発砲して悦に浸ったり、帰国してすぐ妻ジェシカで秒殺でイき果てたりとやりたい放題。
特にこれらは何を意図した描写なのかすら分かりません。
苦悩を描いた、というにはあまりにも狂人じみすぎていて面白いです。
暗にブロディこそ危険で不安定な人間であることを示す描写だったとしてもやりすぎな印象が強く、彼の狂人認定に一役買う形になってます。
そんなブロディに最後まで振り回されてバッドエンドを迎えてしまうのがキャリー。
キャリーは逆に公式で精神的にちょっとかわいそうな病に悩んでいるキャラクターです。
そんな中でも優秀な頭脳と勘で事の真相に一番近づいた人物でした。
序盤からブロディに疑いの目を向けて動いていた彼女ですが、上手くブロディに躱されたり状況が噛み合わない等諸要因あり、CIAの仲間の多くからも彼女のブロディへの固執は異様に写るようになります。
キャリーがブロディの危険性を再度訴えた最終盤ではもはや完全にアレな人物として認定を受けてしまいましたし。
そしてブロディはまんまと副大統領暗殺の実行の一歩前まで歩みを進める事ができました。
ここでブロディがテロを実行していたら、或いはキャリーの判断、推測が間違っていなかったことが照明され、彼女の評価も大きく回復するハッピーエンド展開が見えてきたかもしれません。
しかし本編では土壇場で娘デイナからの電話によってブロディが自爆を取りやめる事によって、副大統領暗殺は起こりません。
その結果、ブロディは暗殺をしようとしたことも明るみに出ず、キャリーは最後まで狂人扱いに終わるという、とんでもなく意地悪な結末を迎えました。
キャリーもこれを受けて、その後「もしかして私本当に妄想癖が強いのかしら」みたいな感じですっかり萎れて自信も失って電気ショックで記憶消すとか突飛な事しますし。
ブロディだけがハッピーな結末を迎えるというのは全く予想していなかったので、この結末には本当に驚きました。
記憶を消す正に直前にキャリーはブロディと合体した夜の事を一瞬思い出します。
彼が寝言でアイサの名前を連呼していた事を思い出し、やっぱりブロディがテロリストである事を再度確信して記憶を消される訳ですけど、もうホントかわいそうすぎ。
ナチュラルに狂ってそうなブロディが、本当は一番事の真相に近づいていた優秀な女性キャリーを陥れて、自分はちゃっかり家族との生活もナジールとの関係も継続するという後味の極めて悪い結末を迎えるこのドラマのシーズン1。
狂ってる奴が、狂ってそうで実は正しかった奴を陥れるという部分がこのドラマの一番面白い要素でもあると思いました。
言い換えれば、キャリーが必死に頑張って空回りする姿に魅力を見出したというか。
他人の不幸は蜜の味的な部分を潜在的に刺激するかのような、そんな印象を今では受けています。
だからこそ人間関係の描写もまた面白く、言ってしまえばキャリーを悩ませるあらゆる要素が面白さに直結しているのではないかと思います。
そこにブロディという最高にサイコな要素が加わって高い壁として立ちはだかり、キャリーをさらにどん底に落とす徹底ぶり。
もちろん表向き本軸であるテロの阻止とその捜査という部分も手抜きでは無くしっかり堅実に作られています。
入念な伏線とブラフ、そして後半からの怒涛の展開には惹きつけられます。
ただやっぱりどうしても、ソールが剃刀を捕虜に渡したっぽいという部分だけは理由が見えてきませんでした。
テスト中に本当にただ焦っていただけなのか、マジでソールが剃刀を渡したのかすら曖昧ですし最終盤で意外な展開枠としてトム・ウォーカーが出てきたことでソールのこの行動が何を意味していたのか最後までわかりませんでした。
単にブラフな描写だったんでしょうか。それともやっぱり黒幕なんですかね。
シーズン2以降もソールは出るみたいですし、次のシーズンを観ながらもうちょっとこのおじちゃんの動向に注目してみます。
■まとめ
テロを阻止しようと奮闘するキャリーと、テロを実行しようともがくブロディの二人を中心としてテロとの戦いをスリリングに描いたドラマ。
という部分の中に、キャリーがひたすら頑張って空回り、ブロディが狡猾な立ち回りで自身の幸せに向けて一直線するという何とも歪んだ面白さが内包されています。
個人的にはキャリーが味わう意地の悪い展開の多くが、後味の悪い結末に繋がっていくまでの流れも含めてとても面白いドラマだと感じました。
ブロディというキャラクターも、確実にどこかおかしい人物ながら表面上は社会に上手く溶け込んだりしていて、サイコ感が滲んでいて好きですし、キャラクターの魅力という部分がかなり面白さを引き立てていると思います。
ホームランドは現在シーズン1からシーズン7まで作られています。
その内のS1~S6はHuluで見放題配信されています。
一気見したくなるドラマなのでHuluでの視聴はオススメです。
ではまた。