スノーデン(2016年・アメリカ) バレあり感想 彼が何故NSAによる個人情報収集の暴露に踏み切ったのかをヒューマンドラマ絡めながら丁寧に描いた傑作。
米国諜報機関NSAによって世界中の人々が監視されているという事実を暴露した元NSAの男エドワード・スノーデン。
彼を題材にした映画。
『スノーデン』
(Snowden)
ネタバレ要素在り。
■ストーリー
信じて尽くしてきた祖国アメリカの諜報活動が破廉恥この上ないやり口の応酬だったので、嫌気が差したスノーデンは怒りの暴露に踏み切る。
■感想
スノーデンがどのような経緯であの伝説の暴露に踏み切ったのかを描く、実話を元にした映画です。
今ではボヘミアンラプソディ・タイプの映画と表現すれば分かりやすいですね。
ちなみにもう一つあるスノーデンの映画のドキュメンタリー形式のやつは『シチズンフォー スノーデンの暴露』って方です。
スノーデンがどういう人物で、どのように彼がキャリアを重ねていったのか、それを全て葬り去ってでもNSAの用いている監視プログラム"PRISM"の存在を公にして、その上で世間に問いかけようとした理由など、
スノーデン事件の一連の流れはこの映画でほぼ把握できるような作りになっていました。
しかも面白いです。凄く面白い映画でした。
スリリングな展開というのは意外とそこまで多くは無くて、
せいぜい後半のルービックキューブにNSAのデータをコピーしたマイクロSDを隠して基地の外へ抜け出すシーンくらいです。
それ以外の大部分はスノーデンという人物の半生にフォーカスしたような作りになっていました。
なのにそこいらの映画よりよっぽど面白さを感じます。
映画の最後、ほぼアフターストーリーみたいな位置づけのシーンでスノーデン本人が出演。
モノマネ紅白のご本人登場みたいな盛り上がりを狙ったものでしょうねこれは。間違いなくそういうサービス。
実際「おぉ」って反応しちゃったもんね俺。
無理やり映画的にご本人登場をこじつけるとするならば、
それまで仮面を被って生きていたスノーデンという男が真の自由を手に入れ、妻に対しても世界に対しても自分自身に対しても、もはや何も偽る必要が無くなった(からスノーデン役のジョセフ・ゴードン=レヴィットでは無くスノーデン本人の姿でしめた)ことを示すシーンという感じで、どうでしょう。
どうでもいいですけど、こういうこじつけ考察みたいな文化ってここ最近衰退しましたよね。無情。
■〆
スノーデンが日本に住んでるシーンの彼の部屋がまぁまぁボロアパート風なのに「家賃高いふざけんな!」ってキレてて、東京のリアルを描いていましたね。
ではまた。