趣味と向き合う日々

映画やドラマなどの映像作品を中心に気ままに書いています。

LOOP/ループ-時に囚われた男-(2016年・ハンガリー) バレあり感想 ループの起点が主人公以外にあるという個性と面白さを難解さがぶっ殺してしまった作品。

 

 

イムループ物の作品は結構好きでよく観ています。

この手の映画を観るのは慣れていたはずなんですが、この映画は普通に混乱しました。

 

 

『LOOP/ループ-時に囚われた男-』

(Hurok)

LOOP/ループ?時に囚われた男?(字幕版)

LOOP/ループ?時に囚われた男?(字幕版)

youtu.be

 

ネタバレ要素があります。

 

 

 

ストーリー

 

主人公アダムは恋人を死の無限ループから救い出そうとするうちにどんどんまともな男に成長する。

 

 

 

感想

 

主人公の視点でループする起点が決定するのが普通だと思うんですけど、

この映画は主人公の恋人がループの起点になってました。

 

ふと気が付いたら同じ場面がまた繰り返されますし、主人公が生存した時空と死亡した時空が重なっちゃったりもします。

主人公アダムが生きようが死のうが恋人の死と復活が起点の世界なのでお構いなしなんですね。

 

 

例えばアニメ魔法少女まどか☆マギカも主人公以外のキャラクターが世界を繰り返してますが(まどかはそもそも主人公要素薄いんで例にし辛いです)、まどかは視聴者の目線からは繰り返された部分も含めて一本のストーリーラインとしてちゃんと理解できる作りになっています。

 

でも、この映画は主人公以外のキャラクターが起点でループする上に、そのループが生んだストーリーラインもそれぞれ同時間軸上に展開される事になるので、これが非常にややこしいです。

 

 

 

序盤の方で伏線っぽい意味深な描写はある程度まとめて出しておいて、それらの場面を周回した時間軸の中で回収するという流れはループ物の王道です。

最大の盛り上がりどころでもあり、同時に物語の根幹に関わるような謎の解決に直結している事もあります。

 

本作もこの形式を踏襲しているんですが、あまり盛り上がらないというか、

ループしている世界の中で、少しずつ主人公が先にイベントを進めている事を示すだけの要素に留まっていたように思います。

 

例えば、主人公が階段の踊り場にばら撒かれた消火剤と布きれを発見するシーン。

これは彼の恋人が襲われて暴れ回った痕跡である事が後に判明します。

ただ、それでおしまいって感じで、それが物語上重要なキッカケや物語にギャップを与える要素になっている事はほぼ無かったように思います。

 

 

 

というかループの起点そのものが非常に分かりずらいです。

ただ、この起点のわかり辛さはイコール面白さにも繋がっているように思います。

 

殆どのループ物は、描写としてループしたという部分を物凄く意識させていたと思います。

そんな中この映画はヌルっと時間が繰り返されます。

主人公アダムは恋人アンナが死んでしまうとウワーンって感じで悲しみながら自室に向かったり病院に向かったりするんですが、そこには何故か死んだはずのアンナの姿があり、そうこうしている内にまた以前見たような場面に突入するという流れになります。

 

そんなしれっと繰り返される日常に一瞬で適応する主人公アダムの冷静さよ。

 

世界が繰り返した事を明確に示すシーンは一度しかありません。

中盤辺りの、アダムが鏡を眺めている内に、日当たりが急に変わり部屋が"イベント発生前"の状態にいつの間にか戻っているというシーンです。

これ以外はマジでヌルッと時間の直線上に繰り返しのタイミングが配置されてました。

 

 

 

主人公起点のループでは無いのに主人公は世界がループしている事を知覚しています。

すると、時間を繰り返すごとに一つの時空の中で複数の主人公がどんどん色々なイベントを同時に発生させているという事になります。

これも個性的ですね。そしてこの映画を難解にしている要因でもあります。

 

一般的なループ物であれば、時間軸が巻き戻ればその都度行動の選択を変えて最良の結果を目指す、みたいな流れで試行錯誤していくものが殆どでした。

この映画は違います。

主人公アダムが死んだ時空もアダムが生き延びた時空も、全て同じ時間軸で再生されます。

 

その結果、映画のラストの方では、恋人アンナを見捨てた時間軸の俺VS恋人アンナと添い遂げる時間軸の俺の二者の俺の殺し合いが発生します。

繰り返される時間の中で自分自身と対面する事がある作品は、僕はこの映画とドラえもんくらいしか知りません。

 

個性的な作風ですが、やはり難解さが面白さを少し上回っている気がしました。

 

 

 

 

 

それにしたって物語序盤のアダムはバカすぎませんか。

ここでいうバカというのは物語的なバカ(話の都合で、登場人物が普通に考えたらわかる事も分からなくなってしまう現象)では無く純粋なバカ。

底抜けなバカです。そういうバカは良い奴に多い。

 

ループする世界の中で彼の成長を描く為とは言え、知能レベルを下げ過ぎてる感ありました。

ではまた。