ミスター・ガラス(2019年・アメリカ) バレあり感想 超人三種盛りVS論破厨の戦いの先にシャマランが待ち構えている映画。
ケイシーがマジでかわいい。
『ミスター・ガラス』
(GLASS)
ポスター/スチール写真 A4 パターン6 ミスター・ガラス 光沢プリント
ネタバレ有ります。
■ストーリー
”群れ”を追い、ビーストとの戦いに挑むデヴィッドだが、二人は拘束され精神病院に入院させられてしまう。
その病院にはミスター・ガラスことイライジャも入院していた。
そんな三人の前に現れたステイプル医師、彼女はデヴィッド達三人が自分を超人だと思い込む一般人であると主張し、説き伏せにかかる。
■感想
『アンブレイカブル』から19年後、『スプリット』から3週間後が舞台の本作。
上記2作品は映画の方向性こそ大きく異なりますが、両者とも”超人”という題材で根幹は繋がっていました。
そんな二作の実質的なクロスオーバー作品が今作ミスター・ガラス。
やはり根幹の部分は共通しています。
超人という要素の使い方は一作目、二作目とで別のアプローチをとっていましたが、今作はかなりアンブレイカブル寄りなアプローチでした。
今作、精神病院内で一堂に会した監視人のデヴィッド、群れ、ミスター粉砕骨折の三名が、精神科医のエリー・ステイプル医師によって「自分を超人だと思い込んでいる一般人」の烙印を押されかけるものの、
イライジャの応援によって皆自信を取り戻し、最終的には超人パワーで戦って皆死ぬという内容でした。ビックリした。マジで皆死んだ。
超人を全力論破しにかかるエリー医師ですがその論拠は実はかなり弱めです。
実体験として超人パワーを発揮していたデヴィッドと”群れ(ビーストモードの記憶は曖昧なのかもしれませんが)”が、エリー医師による論破劇を受けて、自分は一般人だと思い込みかけるのか疑問です。ここは少し違和感の残るパートでした。
ただこのエリー医師、実は超人だけを狙って殺したり一般人だと思い込ませて世界の均衡を保とうとする謎の組織の一員だった、という事が後半明かされます。
この謎の組織は相当頑張っているのか絶大な力を持つのか分かりませんが、兎に角彼らのおかげで世間には超人の存在は明かされる事はありませんでした。
どんな予算会議するのか気になる。
この謎の組織さえ居なければ世界は超人で溢れていたはずで、イライジャが超人を探す為にありとあらゆる手段で大量殺人に勤しむ事も無かったので、結果的にこの謎の組織がイライジャという男を形作ったとも捉えられます。
そして今作はそんなイライジャの手によって謎の組織が出し抜かれ、最終的に世間に超人の存在が発覚してしまうという映画です。
正に身から出た錆!!
往年のシャマランらしいクライマックス付近で明かされる真実パートや数段くらい重ねてあるオチなんかは健在でした。
デヴィッドも”群れ”もミスター・ガラスも最後は死んでしまい、その記録はエリー医師により抹消され、目撃者には口封じをしてもらう事で、今日もこの世界は平和に保たれた。
そうなるはずだったんですが、イライジャがこっそり監視カメラの映像を横流ししてキャプっていて、これをケイシーやジョセフに送付していました。
ジョセフ達がこの監視カメラに映ったデヴィッド達の超人パフォーマンスの数々を全世界に拡散、
エリー医師はじめ謎の組織の尽力虚しく、現実世界に超人が存在する事が世間にバレてイライジャの真の目的は達成された、という流れでこの映画は締めくくられます。
ラストシーンでは人々がその存在を認知していって、世界に変化が起き始めた事を示唆していました。
イライジャのリベンジの物語でもあるということを思い返すと、この映画のラストはかなり清々しいです。
あと、ヒーロー映画好きの性だとは思いますが、デヴィッドとビーストの戦いがやっぱり最高ですね。クロスオーバーの醍醐味ですよ。
しかも今作のバトルは超楽しいです。
何が楽しいって、お互いパワータイプなんでもうシンプルに絵面が重いところです。
打撃の一つ一つが現実的な範囲で誇張されていて、現実的な範疇で無駄に色んなものが凹んだり吹き飛んだりします。
巻き込まれる一般人の数もそれなりに多く、いわゆる一般的なヒーロー物のそれとは別種のスリルが味わえました。
書きたかった事を忘れて全然書けてない気がするので二周目観に行きます。
■〆
個人評価:★★★☆☆
イライジャが超人的頭脳の持ち主って設定アンブレイカブルの時点でもっとフォーカスしてくれればいいのに。
アンブレイカブルとスプリットの良いところを上手く融合させていたと思いますし、その上でイライジャの人生を通した目的とその結末をきっちり描いています。
あとはクライマックス辺りのシャマラン節も発揮されますし、普通に面白かったです。
ただ、もう少し色々観たかったですし、もう少し短くても良かったんじゃないかと思う部分がありました。
かなり内容が圧縮されている印象があって、その割に序盤から中盤辺りはゆるやかに物語が進んでいくので、その配分、バランスが僕には少し合いませんでした。
以下、併せて。
・『アンブレイカブル』
ミスター・ガラス、ヴィランになるの巻。
・『スプリット』
やっぱりケイシーかわいすぎワロタ。
ではまた。