サプライズ(2011年/アメリカ) バレあり感想 攻守交替するホラー映画。
ホームアローンみたいな映画だな。
『サプライズ』
(You're Next)
ネタバレ有りという形で感想書いています。
■ストーリー
虐殺に勤しもうとした動物仮面集団だったが、標的の中に偶然ガールスカウトの上位互換みたいなとんでもないのが紛れ込んでいたせいで返り討ちに遭う。
■感想
この映画の掴みはある意味で完璧です。
モブの中年男性がシャワーを浴び終え部屋に戻ると、そこには無残な姿の愛人と"YOURE NEXT"と書かれた巨大な血文字が。
それを見て動揺する中年に動物の被り物を付けた珍妙な変態が襲い掛かる、という導入。
……あの大きさの血文字を、短時間で丁寧且つ恐怖感を煽るように書き上げるのは至難の業ですよ。
それを見せたかったんであろうモブ中年もすぐさま殺しますし、
無駄なんですよね、血文字の要素。
動物の仮面というチョイスも如何にも安っぽくて典型的な奇を衒った系という感じがして、開始10分くらいで最高潮に気持ちが冷めます。
でもこの映画はここからが面白かったです。
両親の結婚記念を祝うべく別荘に集まった家族合計10名。
平和な時間を過ごすこの家族たちですが
実は複数名居た動物仮面、その内の一人がクロスボウで別荘に攻撃をしかけ自体が急変。
電波妨害によりケータイが使用できず、三女のエイミーがガンダッシュして外に助けを呼びに向かうため玄関から飛び出し、
仕掛けられていたワイヤートラップで首を引き裂かれていよいよ大パニックで別荘内はお祭り騒ぎです。
別荘から逃げられずに、ソリッドシチュエーションスリラーよろしくな展開で、動物仮面の集団に一人また一人と殺されていく系の映画なんだろうなぁと思って気楽に観てました。
実際途中まではそういった方向性での王道展開をなぞってますし、誰が生き残るのかハラハラしながら観れば良い系のやつかな?みたいな認識で観ていたんですが、主役でヒロインのエリンが戦闘モードに切り替わってから、この映画は途端に逆スラッシャー映画と化しました。
エリンは狂気に呑まれた父親の教育方針によりサバイバル特性を鍛えられていたことが発覚、あらゆる状況に対応できる強い女性でした。
そして、そんなエリンが潜んでいたせいで、あろうことか攻撃側メンバーの死傷が発生する事に。
エリンの存在に計画は大狂いし、ターゲットを追い詰めていたはずなのに、いつの間にか追い詰められていた動物仮面達。おもろ!!
そんな動物仮面メンバーの死に際はいずれも悲壮感に満ちていて酷く人間的です。
呆気ない死に方する奴から死ぬほど苦しんで死ぬ奴までバラエティ豊かに散りますが、どいつもこいつも似たようなマスクと髪型してるせいで情だけは絶対湧きません。
エリンが完全に攻撃側に回ってからは『ホーム・アローン』をスラッシャー映画のフォーマットで作ってみました!!と言わんばかりの罠地獄が繰り広げられました。
そして、実は別荘に集まった家族の内、エリンの恋人クリスピアンとフィリックスの二名がこの計画の中心人物であるという衝撃的な事実になり損ねた真実が判明します。
あまり驚きが無いのは、序盤の伏線のような描写がこの事実に余り絡んでいなかったり、結局この真実が明かされる頃には「若い女の子が動物仮面の変態集団を身内もろとも手段の在る限り殺す」シーンを散々見ている訳で、なんか、驚きが埋もれてしまってました。
■〆
個人評価:★★★☆☆
僕けっこう好きでしたけど、この映画途中から完全にホラーじゃなくなるので、好みは分かれそうですね。
むしろギャグとしか思えないシーンとかたくさんあるので、グロいの大丈夫で最近笑ってないなという人にはおすすめしたいです。
ではまた。