ミッション: 8ミニッツ(2011年・アメリカ) バレあり感想 タイムスリップものかと思いきや!
こういうのも好きです。
『ミッション: 8ミニッツ』
(Source Code)
ネタバレ有りの感想記事です。
■ストーリー
8分間だけ並行世界の他人の脳に意識をリンクできる機械使ってテロを阻止しようとする男の話。
結果新宇宙が始まる。
■感想
タイムスリップ、タイムリープ物の味付けが施されたパラレルワールド映画でした。
時間限定の異世界転生。
8分間だけ並行世界の他人に意識を移す事の出来るシステム、劇中ではソースコードと呼ばれているものによって、列車事故で亡くなる歴史の先生ショーンの意識に憑依合体した主人公コルター・スティーブンスが、シカゴ行きの列車で起きる爆破テロを事前に阻止するよう命じられます。
この映画の良いところは、ちゃんと段階的にこの映画の構造がどんなものなのか絞り込みをしてくれる点だと思います。
最初いきなり転送先の世界から始まるこの映画。
訳も分からないまま列車が爆発してコルターが眼を覚ますと、ヘリのコックピット内のように見える奇妙な閉鎖空間の中にいます。
そしてコルターはオペ娘のグッドウィンさんから雑な説明を受けてまた転送される……という流れを何度か繰り返します。
その流れの中で、観客が予想する間を作りつつ転送先から戻ってくるたびに一つ一つ答え合わせ的なフェーズが挟まれます。
過去の世界へのタイムトラベルでも無く、仮想空間での出来事でも無く、そこは並行世界なんだという事実が明かされるまでかなり良いテンポです。
加えてその流れは非常に丁寧で、この手の映画に慣れてる層からすれば予想の付く描写は沢山あれど、わざわざここまで一回一回の転送ごとにヒントと正解の時間を執る映画は珍しいと思います。
ちょっと説明しすぎじゃね感もあるんですけどね。
中盤、妙な閉鎖空間内に居て転送させられているコルターは、コルターの遺体の脳に残されたコルターの意識の残滓のようなから形成された実体のない存在であることが明かされます。
この設定必要か?と思って観ていたんですが、めっちゃ必要な設定というか一番重要な設定でしたねこれ。
最後コルターが8分間の世界から抜け出したのは、あれつまり並行世界のショーン先生の中に完全に意識が定着できたってことなんですかね?
肉体本体の生命維持装置をわざわざグッドウィンに切らせたってそういう事なのかなって思ったんですが。
とにかく、この映画はトリッキーな構造なのに話が分かりやすいという珍しい映画でした。
■〆
個人評価:★★★★☆
コルターの媒体となったショーン先生の意識が、無限の可能性を秘める並行世界のうち結構な数の世界で消滅してしまっている点だけバッド感高め。
ラストも並行世界で無事に意識を維持できたコルターですが、その世界のショーン先生の意識は宇宙から消滅してますし。
でも面白い映画です。
テクニカルな映画は好きですが、この映画は特にトリッキーな落とし方をしてくれるので楽しめました。
ではまた。
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