海底47m（2017年/イギリス） バレあり感想 このオチなら最早サメ映画じゃなくて良かったんじゃない？と思うが、サメ映画って大抵はそういうものか……。
この映画を観る時間をもっと勉強に費やすとかしたらよかった。
公開当時わりと楽しみにしていたのに見逃しちゃって残念だなぁと悔やんだ映画。
まさか観終えた後で更に残念に思う事になるなんて。
『海底47m』
（47 Meters Down）
結末のネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
メキシコ旅行にはしゃぐ姉妹が流れでサメ見学に参加して事故に遭う。
■感想
サメの恐怖と戦う姉妹を確かに描いてはいるものの、頼りないケージの中に取り残された姉妹を襲う問題の多くは酸素に起因してました。
サメメインの映画というよりも海底からの脱出そのものを描いたサバイバル色強めな作品って印象を受けます。
リサとケイトの姉妹はメキシコの陽気に充てられすっかり仲良くなった現地人のイケメン二人に誘われ、安っぽいケージに入って海中でサメを眺めちゃおう！というイベントに参加。
すると当然のように事故が起きて、二人はケージごと海底に取り残されてしまいます。
このアクシデント、ケージを吊るしていたクレーンそのものが外れるという大胆さに目を奪われましたね。ケーブルが切れるとかそういうのじゃねえんだって。
そしてここからは実に色々な問題が立て続けに姉妹を襲います。
イケメン男子のハビエルが喰われたりします。
ですが、この物語の中心を担う一連のサバイバルの話は飛ばします。
この映画、最後に問題がありすぎて、面白いシーンの印象も感想も何もかも溶けて消えました。
一連の問題を何とか制し、いよいよ迎えたクライマックス。
サメに攻撃され、死亡したかに思えたケイトからの通信を受け、彼女を救い出すリサ。
そしてケイトを担いでリサは浮上する事を決意します。
発煙筒を炊くと周囲はサメに囲まれ絶体絶命。
それでもなんとか海面に顔を出し、船に引き上げてもらおうとするも直前で脚を噛まれ重傷を負うリサ。
船上に引き上げられると直ぐに応急手当てを受ける姉妹。
しかしリサの表情は安堵に満ちていました。
リサの手のひらの傷口から流れる血は何故か空中へ漂い、やがて船長の声はとぎれとぎれになっていきます。
実はリサはまだ海底でケージの中にいました。
窒素中毒で幻覚を見ていたに過ぎなかったのです。
この「助かったと思った？それぜんぶ幻覚ね！」とかいうクライマックスの崩し方は茶番でしかありません。
こんなん夢オチよりタチ悪いと思いますけど！
実際、現実はどうなっていたのかというと、
幻覚を見ながら助かった助かった呟くリサは無事に湾岸警備隊に助けられ、ケイトはやっぱりサメに食われて死んでしまっていました。
えぇ……。
そんでしれっとエンドロールに移行する訳ですけど、本当にそれでいいと思ってるのか。
クライマックスという一番の盛り上がりどころが全部幻覚っていうのは、映画というか物語としてどうなんですかね。
登場人物が、その世界の中で実際にピンチに陥ったり命を賭したりするからこそ、クライマックス後に余韻が残るんじゃないでしょうか。
それを放棄するってどういう事なの。
■〆
個人評価:★☆☆☆☆
クライマックスが嘘だったせいで凄いガッカリしてしまいました。
俺たちが味わっていた一連のハラハラドキドキはなんだったのかと。
クライマックスの幻覚以外の部分も、特に秀でた点は無かったように思います。
オーソドックスな作りの、典型的な人がパニクる様を楽しむ系映画。
つまり、サメ要素が付け足されたかのような印象が凄い強いんですよ。
それがサメ映画の醍醐味なんでしょうけどね。
ではまた。
