趣味と向き合う日々

映画やドラマなどの映像作品を中心に気ままに書いています。


映画評論・レビューランキング

チャイルド・プレイ(2019年/アメリカ) バレあり感想 事前準備をしっかりさせてくれるホラー映画という謎の作風。

 

初代チャイルドプレイのリメイクです。

 

 

チャイルド・プレイ

(Child's Play)

f:id:desno:20190802235744j:plain

画像引用元:映画『チャイルド・プレイ』公式サイト

 

youtu.be

 

 

初代の感想はコチラ↓↓↓

dsnblog.hatenablog.com

 

 

以下、リメイク版チャイルドプレイのネタバレを含む感想記事です。

 

 

 

ストーリー

 

リストラがスマートデバイス人形を暴走させる。

 

 

 

感想

 

 

作のチャッキーについて。

現代を舞台に、現代っぽい視点からチャッキーというキャラクターを中心に物語を再構成しています。これ個人的にはそこまでハマらなかったです。

チャッキーが単純に人の手で意図的に改変を加えられた暴走AIに過ぎないっていうのが、ファンの人達からしたら拒否反応が出そうな改変だと思うんですが、どうなんでしょうか。

初代しか観ていない僕の目線では、これは何か違うんじゃないかと、神秘性を完全に喪失してしまうんじゃないかと、そういう気持ちがかなり芽生えました。

 

"バディ人形"のパッケージであったり、主人公アンディの住む集合住宅であったり、初代を彷彿とさせるどこか古風なデザインのオブジェクトがそれなりに登場する一方で、様々なハイテク家電と連携するバディ人形の存在は、それ自体がかなり違和感の元になっている気がしました。

そもそも初代とほぼ同じ厚紙の外箱に詰めて店頭に並べていいようなレベルの玩具じゃないです、今回の人形ブリスターで包むなり発泡スチロールで保護するなりもっとやるべき。

子供の疑似的な友人、相棒になれる程の高性能AIですから。

 

 

 

しいチャッキーならではの殺し方。

子供の疑似的な友人になるだけでは無く、様々なスマート家電やデバイスとも連携ができます。

しかしこれまたなんとも微妙で「配車して!」とか「テレビつけて!」とか、劇中でもチャッキーがやらされていましたが、 わざわざ人間→バディ人形→と1クッション置く意味は無いような気がします。

アレクサやsiriなんかがイメージ元なんでしょうが、如何せん無駄に思えます。

最も、他の機器との連携を上手く活かして人々を死に追いやるチャッキーというのは、かなり新鮮で面白かったです。

クライマックスでの新型バディ人形やドローンなどを用いての無差別大量殺人であったり、自動運転の車のコントロールを完全に掌握して暴走させたりと、チャッキーはこの連携能力を殺人の為に上手く応用していました。

 

 

 

トーリーは分かりやすく、ホラー映画なのに身構えるチャンスをくれる。

ストーリーは丁寧というか、キレイな作りだったと思います。

前半は主人公でひとりぼっちのアンディがバディ人形のチャッキーを通して、次第に友人を増やしていくというもので、

後半は一転してチャッキーがアンディを独占するべく、アンディの身近な人々の命を狙うというもの。

前半では本当にビックリするほど優しい世界が描かれます。

アンディは最初はチャッキーで寂しさを紛らわせていますが、次第にチャッキーに興味を持った子供達とも仲良くなります。

一緒に悪戯をしたり映画を観たりする友人が、チャッキーのおかげでたくさんできるという、バディ人形のCMそのものみたいなあり得ない程優しい世界。

 

しかし、アンディの母親の恋人がチャッキーに殺される辺りから一気に映画の雰囲気が変わっていきます。

ホラー的にはダメな気がしますが、ここからチャッキーが壊れるぞ!みたいな性格の良い分かりやすさがあると思いますし、十分に平和を楽しんだ後心置きなく身構えられる為、ホラー映画が苦手な人もわりと楽しめるんじゃないかと思いました。

 

 

 

 

ラー演出そのものは微妙かも。

十分に身構える猶予を与えられてからのホラーパートだからなのかもしれませんが、とにかくこの映画、特に怖いシーンは無かったように思います。

グロテスクで気分が悪くなるようなシーンはめちゃめちゃあるんですけどね。

芝刈り機に巻き込まれるおっさんとか電ノコに細切れにされるおっさんとか、悪趣味な死に様がたくさんあります。

ただこれは同時にダークな笑い要素としても機能してるので、全体的にコミカルなテイストの映画という印象です。

 

あとはドッキリ的な、突然そこに何かある、何か現れる、みたいな演出が多用されていますが、これはそりゃ驚くだろうよって感じで個人的には冷めちゃいます。

そりゃ驚きますよ、急にデカい音でSE入れつつ大画面に何かしら突然映ったら大概驚きますよ、人間ですから。

しかもこのリメイク版チャイルドプレイ、多用される上記のドッキリ演出の多くはそこまで驚けなかったり……。

 

 

 

 

個人評価:★★☆☆☆

 

 

AIの暴走それ自体はかなり現代的な視点とテーマだと思いますし、現実的に起こりうる可能性のある恐怖としてこのチョイスは良いと思います。チャイルドプレイでやらなくても良いんじゃないかとは思うんですが……。

 

シリーズを追ってきた人ならまた違った発見や観方が出来るんだろうなとは思うんですが、初代のみ視聴していて、その初代のリメイクという認識で観た僕にとっては、この新たなチャイルドプレイは少し微妙に思いました。

 

好きな部分も沢山あるんですが、別にこれなら初代で良いんじゃいないか感がそれなりに漂います。

AIの暴走という設定の強さをなんとか生かそうとしたホラー映画という部分に魅力を見出せるかどうかが、楽しめるかどうかに繋がるような気がしました。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

ではまた。