闇金ウシジマくん Part3(2016年/日本) バレあり感想 ウシジマくんシリーズの中ではかなり異色の結末を迎える債務者が登場。
いよいよウシジマくんラッシュにも終わりが見えてきました。
Part3は個人的にシリーズ中で一番楽しめた映画でした。
『闇金ウシジマくん Part3』
ウシジマくんの他の感想こちら↓↓↓
以下、ネタバレを含むウシジマくんPart3の感想記事です。
■ストーリー
ネットビジネスの闇。
■感想
今回、主に辛い思いをすることになる債務者は二人。
一人はネットビジネスで成功する事を夢見る沢村真司くん。
もう一人はキャバ嬢に貢ぐために必死な加茂守。
映画全体の中心になるのは真司くんです。
彼は派遣労働者として働いており、興味本位でネットビジネスのカリスマ天生のセミナーに参加した事から、本格的にネットビジネスに参戦する事に。
成功体験と成功する為の方法をパッケージした、いわゆる情報商材で稼ぐ形になるんですが、ここがなんとも生々しいですよね。
稼ぐのに必死な時ほどネットビジネスの甘い言葉に誘惑されがち。
誰がどう見たって怪しすぎる天生という男と彼のビジネスモデルですが、真司くんは途中から自分自身が天生のようなポジションに立つ事で稼げることに気づき、周りの友人から家族まで徹底的に巻き込み、無事に勝ち組になります。
が、なんやかんやあって結局財産を失い、最後は地方で農業体験ビジネスを始める質素な姿を見せてくれます。
真司くんの物語は、ウシジマくんらしからぬポジティブさに溢れているのが驚きます。
たしかに家族から強引に資金を借りたり、友人を巻き込んでまで金を集めようとするんですが、その過程で真司くんは確実にビジネスなんかに繋がるようなスキルや身の振る舞い方を身に着けていきます。
最後、一見すれば成金が自滅したかのような終わり方にも思えますが、その後の真司は家族とも和解し、地方でも新たな事に挑戦する姿が描かれるわけで、これってかなりハッピーエンドに近い結末なんじゃないかと思うんですよ。
なにより真司くん自身が「自分だけが得をするようなビジネスはこれ以上できない」と決心して自ら築き上げた地位を捨てるというのが、なんともウシジマくんらしく無くてギャップにやられました。
これまでの劇場版2作品よりも遥かに映画としてキッチリ仕上がった作りになっていると思います、真司くんのストーリー。
一方の加茂さんの物語ですが、こちらは一転して不倫大好きなおっさんが若い子と不倫したりキャバ嬢に貢いだりした末に、借金が嵩み最後はエリートコースから転落して無能の烙印を押されるというもの。
こちらはかなりドラマシリーズに近い雰囲気のストーリーでした。
陰と陽の陰(演者が藤森慎吾さんなのもあってどう見ても陽の者ですが)を担うパートなのかと思います。
どうせなら真司くんのストーリーと重なる部分とかもあっても良かったと思います。そこが惜しいです。スピンオフ感。
そして相変わらずスピンオフ感のあるパートでお灸を添えに来るのは犀原さん。
この人はいつ本編に絡むのかと思いきや、まさかの最終作でガッツリ本編勢に。
■〆
個人評価:★★★★☆
ファイナルを含めて、シリーズ中で個人的に最も面白いと感じたのがPart3でした。
ようやく劇場版ウシジマくんでやりたいことが出来たような印象を受けます。
そのくらい真司くんの話はまとまってますし、キレイに作られていたと思います。
加茂のストーリーが醸し出したおまけ感さえなければ更に自分の中では評価が高まる映画です。
ではまた。