PRESSURE/プレッシャー(2015年/イギリス) バレあり感想 深海にとり残される恐怖より、イチかバチかの賭けに出る系のハラハラが楽しい映画。
思ってたんと違ったけどこれはこれで好きでした。
『PRESSURE/プレッシャー』
(PRESSURE)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
母船が沈没した事で4人のダイバーを乗せた潜水艇が海底に取り残される。
■感想
潜水艇の母船が嵐で沈没し、海底にとり残された潜水艇に乗り込んでいた4人のダイバーが、絶体絶命な状況から生き延びるためにもがく様を描いた映画です。
4人のうちベテランのおじさん二人は険悪な仲で、新人はパニックに陥り、リーダーの男は神と会社を妄信しただ待つことを選択するという状況。
刻一刻と潜水艇の酸素が減っていく中、最初に行動を起こしたベテランおじさんの一人は深海の猛威に返り討ちに遭い死亡。
神経質なリーダー風の男は発信機を救出隊の感知範囲である海面の近くまで持っていく途中にクラゲの襲撃に遭い死亡。
残ったベテランその2は若手新人を海上に送り届け、その代償に死亡。
こうして生き残った新人君は、無事に最愛の妻と再会し、どこか遠い目で海を眺めるのだった……、という終わり方。
そりゃ誰かしら死んでしまうんだろうな、とはなんとなく思ってはいましたが、
各キャラクターの死因やそこに至る流れがちょっと強引すぎる気もしました。
死ぬためのシチュエーションが無理やり用意されたみたいな不自然なイベントの連発に思えます。
シチュエーションスリラーらしからぬ雰囲気の映画でした。
災害映画のような混乱と理不尽が中核を担っているような印象です。
潜水艇が深海へ辿り着いた後に嵐で母船が沈没、それが発覚した上に彼らの所属する会社は恐らく救助には来ないだろうという事を匂わせ、絶望感を高めてくる序盤の流れは物凄くハラハラしました。
しかし中盤以降イギリス海軍籍の艦船と通信に成功し、その救助隊がやってくることが確定した辺りから少し雰囲気が変わってきます。
待っていればその内救助隊が来てくれる事が確定する中、次々と問題が発生します。
救助隊が来るまでに酸素が尽きるので深海へ酸素ボンベを探しに言ったり、発信機の感知エリアを広げる為に、海面に発信機を浮上させに決死のダイビングを敢行したり、とにかく次々と問題が降りかかります。
アクシデントで畳みかけるタイプの映画なので、ジリジリした緊張感で登場人物が追い込まれるという訳では無く、生き残る為に動け!的な、バイタリティ高めな雰囲気が中盤以降は強く前に出てると思いました。
ベテランおじさんと新人の二人だけになり、海面に上昇するにも装備が一人分しかない事が発覚する終盤。
ベテランおじさんが「お前30メートルしか潜った事無いんだろ?」と言いながら装備を確認し、その言葉を聞いた新人君は絶望の眼差しでナイフを握りしめるというシーンがありました。
上手くその魅力を明文化出来ないんですが、僕はこのシーンが本作で一番好きなシーンです。
この新人がナイフを握ってベテランおじさんを刺して生き残ろうとしたのか或いは自害しようとしたのか(前者っぽい)分かりませんが、その後に「お前がいけ」と言われてから新人が一気に焦り出す様が、なんかすごく人間味に溢れてて魅力的です。
ついさっきまで、ある種の覚悟を決めて完全に目もキマっていた新人君が、自分がダイブする事が分かった途端に「上手くやれるかわからない」と不安げな挙動を取る姿が、何とも言えないかわいさに包まれていました。
■〆
個人評価:★★★☆☆
深海にとり残されるという状況的な恐怖感もそれなりに楽しめますが、描かれ方としてはアクティブなサバイバルものに近いように思いました。
普通に面白かったです。
プレッシャーは以下の配信サービスでも視聴する事ができます。
ではまた。