フィフス・ウェイブ(2016年/アメリカ) バレあり感想 何一つ解決してないしツッコミどころ満載だけど悪くないと思える不思議な魅力のある映画。
あけましておめでとうございます!
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相変わらずネタバレありで思った事をただ書くスタンスのままですが、今年もどうぞよろしくお願いします。
去年の正月はシリアルキラーの映画観て困惑しながらの開幕だったんで、今年の正月はしっかり楽しそうな映画を観ました。
『フィフス・ウェイブ』
(THE 5TH WAVE)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
段階的に地球侵略を進めてくる宇宙人”アザーズ”に若い子たちが立ち向かう。
■感想
アザーズは、まず第一波でEMP(電磁パルス)を用いて地球のインフラを破壊し、第二波で災害を発生させ文明社会を破壊し、第三波でウィルスによって人類を攻撃します。
ここまでの流れでアザーズの圧倒的な力を見せつけ、こんな連中にどう立ち向かうんだ……と思わせてからの第四波は、ウィルスに耐性があり生き残った人類を各個撃破する為、アザーズが空に浮かぶ母船から舞い降り、人の脳に寄生して人格を乗っ取り生存者を探し出して殺し始めるというもの。
突然、攻撃のグレードも効率も格段に下がったような気がします、第四波。
どうやらアザーズは何故か人類の完全な根絶を目指しているみたいで、その為にわざわざしらみつぶしを始めます。理解し難い行動ですが、きっとそれは僕が異星人じゃないからなんだと、価値観が違うからなんだと納得しました。
そして本編で描かれる第五波、その内容は「人類の子供達を連れ去って洗脳してアザーズの尖兵として使い潰す」というもの。いやどうしたアザーズ。
後半のキレ悪すぎません?
母船一隻で来訪したアザーズ。その一隻だけでも故意に大災害を巻き起こせる力があるわけで、それならいっそ大災害連発して一網打尽にしてしまえばいいのに、と思いましたがどうやらアザーズは地球自体はなるべくノーダメで手に入れたかったそうです。
これを踏まえたら確かに第四波とかは理に適ってる感じもするんですが、本編の第五波はやっぱり流石に手が込み過ぎなんじゃないかと思ってしまいました。
アザーズは人間の脳に寄生して宿主の人格を奪う為、アザーズと戦うにしても外見だけでは敵か味方か判断がつかず、とても厄介な相手です。
この映画はヤングアダルト小説が原作で、若者向けの色が強いながらも、『遊星からの物体X』『ゼイリブ』等ジョン・カーペンターの作品に対するリスペクトなんかも感じられて意外と面白いです。
人の姿をした何かという部分でスリラーやる訳では無いので雰囲気は全く違いますけどニュアンスはしっかり引き継いでいるんでしょうね。
相対しているのが人間かアザーズか分からない恐怖みたいなものも、一応この映画の冒頭あたりで描いていました。
助けを懇願する男性にアサルトライフルを突きつける主役のキャシー(クロエ・モレッツが演じてます)が、男が懐に入れた左手を不審に思いすぎて早まって射殺してしまうというもの。
物凄くやるせない気持ちになるシーンですし、異星人の攻撃によって文明が崩壊した上に本当は助け合わないといけないはずの他の人間が、人間かどうかも分からないという不安定な世界をよく描いていて惹きこまれました。
最もそういう世紀末感があるのは序盤だけで、前述のようにアザーズは人類同士を殺させるんじゃなく何故か子供をさらって兵士に仕立て上げて戦わせるっていう回りくどい手法をチョイスしちゃってるんですが……。
家族を失い、はぐれた弟を救い出す為に連れ去られた米軍基地を目指すキャシー。
彼曰く「アザーズは以前も地球に来ていて、人類の中に既に紛れ込んだものが自分を含め沢山いる」との事。それが本来の第一波なのでは?
エヴァン君はキャシーに一目ぼれした事で脳内がアザーズから人間にスイッチし直して人格を取り戻したそうです。その為アザーズと同等の格闘能力を持ちながら人類の味方としてキャシーを守るという実にかっこいいキャラクターです。
こういうベッタベタなやつ好きなんですよ僕。
実は米軍基地の上層部は皆アザーズで、彼らに洗脳された子供たちが立派に成長して人類へ攻撃を開始する中、キャシーの弟サムや同級生の元人気者ベンの居る小隊は真実に気づきアザーズへ抵抗、流れでキャシー達と合流を果たし最後は米軍基地を爆破してました。
勢いがあってクライマックス感も凄い終盤ですが、よくよく考えてみたら上層部のヴォ―シュ大佐も倒せてませんし多くの子供達が輸送機で無事に各地へ派遣された後の爆破なので何一つ解決はしてないんですよね、この終わらせ方。
続編ありきなところもまたこの手の映画らしいっちゃらしいです。
■〆
個人評価:★★★☆☆
ツッコミどころが多い映画ですし所々力押しで無理やり保たせてる感じもあるんですが、それを踏まえて楽しむのが若者向け映画なんだと最近は分かってきました。
実際若者たちが人類を壊滅に追い込んだ異星人に立ち向かう、という基軸に注目すれば面白い展開もたくさん盛り込まれてますし、恋に揺れるキャシーちゃんは可愛いしで普通に面白いと思いました。
そしてほぼ全編に渡ってクロエ・モレッツの右太ももをフォーカスしまくる稀な映画でもあります。
フィフスウェイブは以下の配信サービスで視聴できます。
若者向け映画ってなんだよ全然イメージわかないよって方に向けた三作↓↓↓
伝わってほしい。
ではまた。