インビジブル・スクワッド(2014年/イタリア) バレあり感想 文字通り子供から大人まで楽しめるスーパーヒーロー映画。
イタリア発スーパーヒーロー映画。
"悪の部隊と光の戦士"という邦サブタイが付いている物もあるけど同じ映画。
このサブタイトルは無くして正解だと思う。透明人間を光の戦士呼ばわりするのはサイエンスが過ぎるでしょ。
『インビジブル・スクワッド』
(Il ragazzo invisibile)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
全身透明化能力を手に入れた少年が子供達を誘拐する謎の組織に挑む。
■感想
ここ数年盛り上がりを見せ続けるヒーロー映画。気が付けば"子供の観るモノ"というレッテルはどこかへ忘れ去られたように思います。
というか今や青年~中年辺りを狙っているようなヒーロー映画が大半を占めている感じもしますね。
そんな中この映画は子供向け風のヒーロー映画って感じの雰囲気を醸し出しまくっていました。
主人公でいじめられっ子のミケーレを初めとするメインキャラクターは(留年してる子もいますが)いずれも10代前半です。
そもそも文字通り子供でスーパーパワーを得るってのが世界的には珍しいんですよね。
日本の多くの作品は逆にそれがトレンドなの面白いです。
彼らの学校生活の様を描きつつ同級生が次々と行方不明になる事件を絡めていき、ミケーレが透明になれるスーパーパワーを獲得してからはいじめっ子に報復したり女子更衣室を覗きに行ったり、とにかくミニマムに子供達の世界を描いていた印象です。
スーパーパワーの背景にはチェルノブイリ原発事故があり、その事故の結果突然変異した特殊能力を持つ人間だけを集めたディビジョンという組織をロシアが秘密裏に結成します。
ミケーレは実はディビジョンから逃げ出した男女の間に生まれた子供で、遺伝によって自然にスーパーパワーを得ていた事が明かされたりします。
それ以外にもミケーレが養子だったとかいじめっ子がADHDだとか、割としっかりめなバックグラウンドや、大人の視点が求められる設定が存在していて、子供向け風だからといって子供騙しにはしていないところが良いですね。
子供達を連れ去っていたのも実はディビジョンで、ミケーレは想いを寄せる少女を含む同級生を助け出す為ディビジョンに挑みます。
ストーリー自体は死ぬほどシンプルで、スーパーパワーを手に入れた→同級生がピンチ→助け出して悪を成敗って感じでした。
透明になるシーンや、戦闘シーン、爆発といった特殊効果を用いるシーンはどれも超高クオリティです。
パッケージから醸し出される安物感に騙されてはダメです、CG周りはガチな映画。
ちなみにエンディング後に、続編を匂わすおまけシーンがあります。
MCU以来もはやヒーロー映画あるあるとして再定義されかけてる感じもしますよね、こういうの。
そこではミケーレの実の母がディビジョンのボスである事が判明し、ついでにミケーレには生き別れた兄弟が居る事も明かされました。おまけシーンにこの映画屈指の驚きを詰め込んでいる素敵構成。
ここまでやったらもう絶対に続編作らないと。
■〆
個人評価:★★★☆☆
今のスタンダードなスーパーヒーロー映画とは基本的に同じながらも、子供を中心に少し原点回帰的に対象年齢を下げてみた感じの映画って印象です。
だからといって、ある種の手抜きのような事は一切なく、映画そのものの質はしっかり保たれていて大人が観ても楽しめる映画だと思いました。
インビジブルスクワッドはアマゾンプライムビデオ他、下記の配信サービスでも視聴する事ができます。
ではまた。