地獄の変異(2005年/アメリカ) バレあり感想 この際もう映画の質はどうでもいいと思わせてくれる邦題のセンスの良さ。そして普通に面白い映画だった。
邦題と予告とパッケージがナイスすぎる。
マジで良い仕事してる。
『地獄の変異』
(THE CAVE)
予告:https://youtu.be/pCw8BF1KMkE ←本当に面白い予告
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
洞窟探検してたら未知の生物の襲撃に遭う。
■感想
2005年公開の米映画にこんな邦題が付いてたらそりゃ観ますって。
『死霊の盆踊り』とかそういう系の。なんというか、愛情を感じます。
超巨大な地下空洞が発見され、地質や生態系の調査の為にこの洞窟"タイタンホール"にやってきたチームが、洞窟内に閉じ込められ未知の生物たちの襲撃に遭うという内容の、かなりコテコテなモンスターパニック映画です。
B級という表現は個人的にあまり使いたくないんですがノリは完全にB級です、併せて一緒に動物系感動ポルノでも観ておくと丁度良いんじゃないでしょうか。
洞窟から脱出しようとするも出口は塞がれ、先に進めば洞窟内で独自進化した謎の生物がそこら中から襲ってきて、ついでに未知の生物がチームのリーダー的存在のジャックに寄生して爆発寸前。そこにダメ押しで洞窟の地形的問題なども絡みチームメンバーは徐々にその数を減らしていきます。
ホント内容はこれだけなので、怪物に振り回される人々の姿を堪能する為の土壌は整っているんですが、肝心のパニック要素が勿体無い感じになっていたような印象があります。
特に中盤辺りまでは攻撃してくる謎の生物の姿は殆ど描かれず、描かれたとしても暗い洞窟の中での全力手ぶれカメラと、この年代にちょっと流行ってたような気がする無秩序なカットの連発で、何が起きているのか全く把握できません。酔います。
未知の生物たちが致命的な攻撃をあまりしてこないのは人間で遊んでいるからで、終盤までは基本的にタイタンホール内でスタンバイしつつ時折襲ってくる感じです。
それなりに邪悪な思考した生物なのは好きです。
また、「何かいる!」→「何かに襲われた!」襲われてるシーン→「大変だ!」という一連の流れをかなり繰り返しますが、その後すぐに別のシーンに切り替わったり、時が少し飛んで既にチームのクールダウンが完了しているシーンからリスタートしたりと、中々難しいテンションを要求されるので、盛り上がりどころを見極め即座に楽しむ精神状態が求められます。
未知の生物に襲われる恐怖を本当はじわじわと演出しようとしていたんだと思いますが、少しくどくやりすぎなのかも。
個人的に引っかかった部分はその辺りだけで、後は本当に面白さ満載の映画だと思っています。
特にチームのリーダーで謎の生物に寄生されておかしくなったジャックが、最後までチームの仲間で居られるのかどうかという部分を、上手く緊張感に絡めてストーリーが進んでいく点が中々に新鮮です。
後半になると、襲ってくる生物(パッと見はギャオスみたいな姿してます)が実は元人間なんじゃないかという事を割とハッキリ意識させられます。
ジャックもまた最後はそんな姿になってしまうのかと散々思わせて、彼は結局最後に仲間を救うために命を絶ちます。
明らかにフラグが立っていたので、良い裏切りが観れて逆にビックリしました。
洞窟探検というワクワク冒険要素も、地味ながらしっかりと意識している点も好きです。
先駆者の遺した遺品や骸骨が散らばる迷路のような洞窟内をチームは進んでいきます。
洞窟自体も単調な薄暗い空洞だけでは無く、場所によって少し雰囲気が違ったりしていて観ていて飽きませんでした。
キャスリンが寄生されていた事が発覚し、タイラーが急いで彼女を追うものの彼女は姿を消してしまうというラストシーンも良いですね。
一段落着いたと思った瞬間に衝撃を与えるというオーソドックスなやり口。この緩急の付け方を何故序盤中盤でも採用しなかったのか謎ですが、ともかくラストシーンまでしっかり楽しめました。
■〆
個人評価:★★★☆☆
洞窟というシチュエーションと、そこで独自の進化を遂げたであろう謎の生物に襲われる人間の姿を楽しむモンスターパニック映画でした。
ノリはB級ですが全体的に映画自体のクオリティは高いと思います。
個人的には中盤辺りまでテンションが少し追い付きませんでしたが、観終った後の面白い映画を観た感が凄くて、かなり好きな映画です。
この映画は2020年1月現在、大手配信サービスの中ではネットフリックスで視聴できます。
ではまた。
下から咥えようとする系ポスターの映画ほぼほぼ面白い説
粋な邦題が付けられた作品の一部
おまけ