パージ:アナーキー(2014年/アメリカ) バレあり感想 設定をしっかり活かしてきたシリーズ第二作。
続編の方が面白いやつ!
『パージ:アナーキー』
(THE PURGE:ANARCHY)
前作『パージ』の感想記事はこちら↓↓↓
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
年に一度だけあらゆる犯罪行為が赦されてアメリカは祝福に包まれる。
■感想
前作『パージ』では、パージを支持しつつも傍観を決めていた家族が巻き込まれて散々な目に遭うという内容で、パージの扱いが事件のキッカケ程度な印象を受けました。
ところが今作は一転し、パージの夜に不本意ながら参加せざるを得なかった人々と、息子を殺した男に復讐を誓う男が街で偶然出会い共に恐怖の一夜を耐えるという内容になりました。
無法地帯スリラーの要素が大幅にパワーアップしています。観たかったのはこういうやつ!
無法地帯感そのものの演出も凄く今作は良くなっていると思います。
謎の武装集団に覆面集団という二つの集団に付け狙われつつ街を駆けていく一行が出会うのは、半狂乱で銃を撃ち狂う女性や実の姉を撃ち殺し修羅と化す家庭、地下鉄の線路上を爆走するマッドマックス世界の住人、そして富裕層のパージパーティなど、様々な形でパージに参加する人々です。
前作では殆ど見る事の出来なかったパージ中の街がどんなものなのかをしっかり描いていて、なおかつストーリーとそれらの描写、出来事がしっかり絡んでいて面白いです。
また、富裕層を主軸にした前作で部分的に語られていた狩りやパーティといったキーワードの多くが描写として具体的に描かれ、前作の補完も兼ねるシーンが多く登場しました。
富裕層と貧困層の対立構造が明確化されていたり、とにかくパワーアップした続編という印象が強いです。
復讐を誓う(主人公であろう)男が偶然救ってしまった親子とカップルが、それぞれパージに巻き込まれた側とは言え自己主張がやたら激しく、観てるこっちまで苛つかせにくるのはご愛敬って感じ。
この手の映画では真っ先に死にそうなもんですが、以外にもカップルの男性以外は全員生存しました。親子組のカリという女の子がとにかくウザくて凄かったです。
そんな主人公の男は最後、パージが終了する間際に復讐したい男の家に無事に侵入する事に成功し、息子の命を奪った男を手にかけたかに思えて実際は殺しておらず、最後はその男に命を救われるというクライマックスからオチまでの流れ。
これは前作と同様で、たぶん根底の部分では人間の善性を描こうとしているんじゃないかと思いました。
今作でパージのある世界をより具体的に全体像を描いた事で、前作の内容が諸々その一側面を描いたスピンオフ的な楽しみ方が出来るような作りになっている点が良いと思います。
前作の存在価値が見出せる続編。
無法地帯感を求めて観るなら絶対にこっちの続編の方がオススメです。
■〆
個人評価:★★★☆☆
前作で僕が個人的に引っかかっていたパージという仕組みの描き方という点が今作では物凄くしっかりと基軸として用いられていて驚きました。
スリリングな要素もだいぶパワーアップしていますし、かなり面白かったです。
最も、根底にあるのがパージという犯罪が一日だけ許される日が在る世界観という出オチ感のある設定である事には変わらず、ある程度のテーマ性が込められても尚軽めな映画って印象は残ります。
深い何かを感じるのではなく、とにかく異質な状況を楽しみたい時に観るのが良いと思います。
この映画は下記の配信サービスで視聴できます。
ではまた。