ホステル(2005年/アメリカ) バレあり感想 飴を沢山くれると思ったら後から死ぬほど鞭で打ってくる映画。
グロ注意。
『ホステル』
(HOSTEL)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
異国で楽しく女遊びしていたのに、気づけば惨たらしく殺されかけたり殺されたりする。
■感想
前半では主要キャラの紹介と、彼らの旅行の様を宿泊先のホステルの出会いなどを交えつつ描き、後半で一気にゴアゴアグロテスクで内蔵血液ブシャッとドバっと凄惨な光景をこれでもかというくらい見せつけてくる映画でした。
東欧の地でやたらモテる自分達に自惚れ、性欲の赴くまま流されるまま乱れに乱れる三人の若者。
ところが一人また一人と不審に姿を消していき、最後の一人となった主人公感ゼロの青年パクストンは、スロバキアはブラティスラヴァの街で真相を探ります。
そして辿り着いた場所は、富裕層が捕らえた人間を好きなように出来る展覧会場でした。
そんな流れで、映画の前半で散々堕落した人々を見せつけた挙句、その先に待っていたのが人体破壊とそれに興奮する富裕層達という、とにかく人間の酷い面を沢山描いた映画だと思いました。
後に、パクストン達三人は最初から意図的に、ブラティスラヴァの街に誘導されていた事が発覚します。
ただ、物語の起点がそもそも「異国の地で散々エロい事したろ!」という桃源マインド全開なところにあるので、自業自得で罠に嵌ったみたいな部分もあります。
しかしそれを踏まえても尚やりすぎスプラッタ―な後半の展開の数々には、流石に三人に同情したくなりました。
特に、前半ではいかにも主人公風な青年ジョッシュが捕らえられ、無駄に痛い事沢山されて惨殺されてしまうシーンは胸糞の悪さは中々のものだと思います。
失恋したばかりで、旅にもあまり乗り気ではない無害な青年なのに、盛大に拷問されて死んじゃうんですもん。無情。
三人の中で二番目に性欲まみれで、いかにもすぐ死にそうだったパクストンが結局後半の主人公となり、人を攫って拷問する街の廃屋から日本人女性と共に逃げ出すという展開に。
追われる怖さというものそれなりに味わえます。
ただそれ以上にこの後半の展開では逆襲という要素が強く出てくるようにも思います。
自分達を陥れたホステルのルームメイトの二人組の女性や、ジョッシュに拷問を仕掛けていたビジネスマンの男にキッチリと仕返しをして、最後は列車の中で遠くを眺める姿が描かれます。
前半、中盤、終盤とそれぞれ登場するこのビジネスマンの男が、いわゆるハンニバル・レクター的な劇中の鍵を握る人物なのかと思っていたんですが、かなりあっさりパクストンの報復を受けて死亡しました。それも結構ビックリしました。
この男が黒幕とかだと思い込んでましたし。
結局、あのスロバキアの街で行われていた人体破壊は何だったのかは明確には描かれませんでした。
富裕層の異常者達が大金を注ぎ込んで人体破壊を堪能する為の場という事なんでしょうか。
エリートハンティングという言葉の記載されていたパスや、参加者としてやってきた男が会員証と称して見せつけたタトゥーなど、何かヤバそうな連中の存在が匂わされています。
続編が在るので、そちらで描かれるんでしょうか。
■〆
個人評価:★★★☆☆
先に異常なほど男の夢空間を描きまくるので、後半はその反動が凄いんだろうなと予想する事は簡単ですが、予想をかなり上回る惨さが押し寄せてきてビックリしました。
内容が無いような映画に見えて、意外とストーリー展開や見せ方が上手く面白い映画でした。
この映画は下記の配信サービスで視聴できます。
ではまた。