アウトブレイク(1995年/アメリカ) ネタバレ有り感想 感染経路の勉強ができるアクションサスペンス。
コロナウィルスや米国のインフル云々の影響か、アマプラの急上昇に出てきた映画。
面白そう!と思って観てみたけど何度も昔テレビとかで観た事がある映画だった。
今観るとむしろ面白い。
『アウトブレイク』
(OUTBREAK)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
諸事情でウィルスの感染拡大阻止を渋った軍の尻拭いの為、軍医のサム大佐たちがアウトブレイクを阻止しようとする。
■感想
基本的にはウィルスの集団感染を防ぐ為に 軍医とその仲間達が感染源とウィルスキャリアを見つけ出して抗体を作り出そうともがく話です。
この硬派なストーリーで、なぜか大規模なミリタリー描写やヘリでの追走劇が堪能でき、そのうえ二回も大爆発が楽しめてしまうという、90年代らしい雰囲気を存分に楽しめる映画。
改めて観てみると、感染が拡大していく過程をめちゃめちゃ丁寧に描いていてびっくりします。
丁寧というか執拗なレベル。
人ごみで咳込んだり、恋人とキスしたり、キャリアーからダイレクトアタックを受けて傷を負ってしまったり。
接触感染の経路として想定されうるあらゆるシチュエーションを描いてる気がします。
勉強になります。
このウィルス、モターバウィルスという致死率100%で潜伏期間は24時間という明らかに人工的なものにしか思えないんですが、しかし自然発生したウィルスだったりします。
ベトナム戦争時に確認されたこのモターバウィルスを、米軍は兵器転用するべく確保し研究していました。
それから約30年経ち、再びモターバウィルスが発生し米国内にまで到達すします。
すでにE1101なる抗体も開発済みなのに、ウィルスを保有していた事実を隠蔽したいがために、この薬品の投与も渋り、結果ウィルスは変異、空気感染も可能になってしまいます。自分達でどんどん状況を悪化させる悪の軍上層部の典型。
そうして空気感染もするようになったモターバウィルスの感染経路もしっかり描いていく徹底ぶり。
リアリティ演出や、教養的な意味合いもあるかと思うんですが、これらの執拗なまでの感染経路お披露目シーンが、そのまま映画全体の緊張感と「人の手に負えなさそう」感に繋がっているようにも思います。
手に負えなくなりそうな原因は等の米国そのものにあるのがまた面白いです。
そういうの自爆って言うのよ。
主人公のサムやチームの頑張りもあって、変異したモターバウィルスに対する抗体を作る為に必要な感染源を突き止めます。命令に背いた事で軍に追われながらもなんとか抗体の開発にも成功します。
ここで無事に投薬を済ませてハッピーエンドとならないのがこの映画の一番面白いというか、らしいところかもしれません。
この後、既にウィルスを打破する手はずが整っているのにも拘らず、悪の上層部の命令により、アウトブレイクの舞台となったシーダークリークの街が気化爆弾で吹き飛ばされそうになるという、らしさ全開の超展開が待ち受けていました。
もちろん街は吹き飛ばされずに済みますし、最終的に悪の親玉であるマクリントック少将は逮捕されてハッピーエンドになります。
とにかく、とにかく派手でスリリングなシーンを差し込んでやろうという、とても強い意志を感じられる点が素敵という他無いです。
■〆
個人評価:★★★☆☆
ウィルス物の映画としては丁寧な作りの映画ながら、アクションもしっかり決めてくるという、魅力が詰まったサスペンス映画。
テレビで何度も放映されていたので観たことがある人も多いと思うんですが、ちょうど正に今、コロナウィルスとインフルエンザの二者の感染拡大が懸念されている今だからこそ観ておきたい映画だと思いました。
リアリティも増すんじゃないかと。
この映画は下記の配信サービスで視聴できます。
ではまた。