ブルーサンダー(1983年/アメリカ) ネタバレあり感想 80年代アクション映画らしい大らかさもありつつ、サスペンス要素もしっかりこなす映画。
この映画観て猛烈にGTA5やりたくなった。
『ブルーサンダー』
(BLUE THUNDER)
予告:
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
国家ぐるみの陰謀に善良なロス市警フランク・マーフィーが翻弄される。
■感想
ツイッターで妙儀山様(@lkYv26tPfMD2jJS)にオススメして頂きました。ありがとうございます!!
警察所属のヘリのパトロールに対して監視社会を危惧する意見が出ていたり、ベトナム帰還兵でもあるフランンクがPTSDを患っているような描写が在ったり、意外にも現代に通じる社会問題や不安が描かれていて驚きます。
更に言えば、ブルーサンダーに搭載されているオプションの殆どが、現代の最新兵器の標準的な装備と相違ない点も先見性を感じました。
この映画の冒頭で「登場する兵器やシステムは全てアメリカで使用中のものである……」というテロップが挟まれるので更に驚かされます。流石アメリカだぁ……。
83年に作られた映画だという事を踏まえるととんでもない技術だと思いますよ、ヘリ内でデータバンクにアクセスして特定の人物をググったり、搭載砲とヘッドマウントディスプレイ型ヘルメットの動きを同期させエイム補正する技術とか。USAだぁ……。
ただし主人公フランク(ロイ・シャイダーが演じています、ジョーズの人)の抱えるPTSDは、それ自体をしっかりメンタル面で乗り越えて成長する、というような今風の流れでは無く、その原因を作った元戦友で因縁深いスキニーブロンド男のコクラン大佐(マルコム・マクダウェルが演じています、時計じかけのオレンジの人)を、直接始末する事で表現していました。おおらかな時代だから。
この特有のおおらかさもふんだんに楽しめる映画でした。
対テロ用武装としては明らかに過剰な攻撃力を持つ20ミリ口径のガトリング砲を搭載した武装ヘリであるブルーサンダー。20ミリのガトリングだとCIWSとかM61バルカンが有名です。人の身体なんて簡単に肉片になってしまいます。
お披露目式の攻撃デモンストレーションでは市民もろとも敵を排除するレベルの大胆な精度でしたが、何故か当たり前のようにロス市警の元に配備されていて笑いました。
市民の被害は10人に1人まではセーフ!とのこと。20ミリのガトリングの火力でそんなこと言って良い訳無いですが、今と比べたらおおらかな時代だから。
序盤で、呑気にヘリから覗き見するフランクと新人のライマングッドにやたら時間をかけている点も今の映画のテンポ感では考えられなくて面白いです。
後半では、そんな過剰な攻撃力を持つブルーサンダーをロス市警は何故かノーガードで格納庫にポン置きしていた為にフランクがこれを奪い去り、ロス上空で大バトルを繰り広げることに。
軍はF16を発進させミサイルでブルーサンダーを撃墜しようとするも、フランクの鬼の操舵技術で回避され、ロスの街の一角にあったリトル東京は爆炎に包まれます。
ロス市警のパトカーはガトリング砲の餌食になり粉砕され、ビルや施設は吹き飛び、最後にはブルーサンダーを貨物列車にぶつける事で大爆発。
アクションシーンの迫力と展開そのものはかなり面白いです。
その戦闘で市民に齎された甚大な被害を意識する間もなく次々にバトルが展開していくこのテンポ感は、さすが全盛期のアクション映画って感じです。

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らしさ全開のアクション映画でありつつ、サスペンス的な方面での作りがとても丁寧で驚きます。
冒頭での局長殺害事件が、やがて国家ぐるみの巨大な陰謀に繋がっていくまでの流れがとても綺麗にまとまっていますし、その過程でライマングッドが決死の覚悟で情報を守ったり、フランクがアクション担当している間に恋人ケイトが、国の不正を記録したビデオをリークする為に奔走する展開を重ねていたり、アクションとサスペンスのターンを分けつつも内容はしっかり絡めながらスムーズに話が展開します。
序盤こそちょっとダラダラ話が進む感じがありますが、中盤以降はかなり良いテンポで話がどんどん進んでいって楽しい映画です。
■〆
個人評価:★★★☆☆
過剰なアクションシーンは、この時代ならではの醍醐味でもあると思います。
そういう特有の80年代アクション映画らしさを楽しめました。
しかも背景に渦巻く陰謀要素もしっかりと作り込まれていて、ベトナム帰りの病み気味な男が暴れまくるだけの映画では終わっていない点は個人的にかなり好きな部分でした。
この映画は以下の配信サービスで視聴できます。
ではまた。