デス・レース(2008年/アメリカ) ネタバレあり感想 暴力に比重を割きまくったカーアクション映画。
予告からパッケージからタイトルまで一切の偽り裏切り無い映画。
『デス・レース』
(DEATH RACE)
予告:
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
世紀末感の凄い2012年の世界で無実の罪で収監された元レーサーの男が死のレースに挑む。
■感想
『デス・レース2000年』という1975年に制作された低予算映画のリメイクなんだそうです。全く知りませんでした。
『デス・レース2000年』は、市街地や公道で開催されるレースの途中で一般市民を轢き殺す事でポイントが加算される、という頭悪すぎ面白すぎな設定がバカ受けしたらしく、未だにカルト的人気を誇る映画だそうです。
そんないかにもヤバそうな映画をバイオハザードおじさんことポール・W・S・アンダーソン監督がリメイクしたのが本作。
中核となっているであろう殺人加算システムは流石に現代でそれなりに予算を割いた映画では無理だと判断されたのか、本作では孤島にある刑務所で開催され、世界中に中継される大人気レースという形式に変更されています。
殆どが終身刑のこの島の囚人たちですが、レースに5回勝利する事で釈放されます。
しかしレースは非常に危険で、いつドライバーが死んでもおかしくないというハイリスクハイリターンなもの。
主人公は、冤罪でこの島に連れてこられ、過去にレーサーとして活躍していた経歴からデスレースに無理やり参加されられる事に。
もう本当に、イメージした通りの物が楽しめる感じで、個人的にはかなり好きなタイプの映画でした。
『マッドマックス2』『ワイルド・スピード』を混ぜ合わせ、そこに『マリオカート』みたいなアイテムを用いて戦うシステムを組み込んだような印象。
タイリース・ギブソンとジェイソン・ステイサムが出演しているのも今の目で見るとワイスピ感に拍車をかけます。
その結果、オリジナルとはまた違う方向性で遊んでいる感じです。
カーアクションの意味が、この映画の場合だいぶ変わってくるので面白いです。
装甲を纏いヘビーマシンガンやロケットランチャーを積載した車が、戦いながらレースするという絵面の意味不明さは一見の価値ありです。
設定やストーリーの内容もかなり凝っていて、例えば主人公ジェンセン(ジェイソン・ステイサム)が収監される理由も、実はそもそもこの刑務所の所長がレースで大人気だった仮面ドライバー”フランケンシュタイン”の代役として意図的にジェイセンの妻を殺害し、その罪を着せたという設定になっていて、これが最後にジェイセンの脱獄に繋がっていったりと、脱獄モノっぽさも組み合わせていました。
レースシーンの迫力もそうとうなもので、命を賭けた戦いとしてのレースという異常性がめちゃめちゃよく描かれていて楽しいです。
欲張りセットみたいな映画。
■〆
個人評価:★★★☆☆
続編もあるらしいんですが、ジェイソン・ステイサムが主役じゃなくなるらしいんですよね。観るか迷います。
まるでマッドマックス2以降の世界に登場するような改造車を用いたレースが開催されたら、みたいな面白さに、デスマッチの面白さを組み合わせた映画です。
ポール・アンダーソン監督の趣味なのか、ドライバー紹介やレース中のサブキャラなんかがいちいち見栄を切ったりカットインが入ったり、そういうクドさとダサさもなんか面白く感じます。
この映画は以下の配信サービスで視聴できます。
ではまた。