スーサイド・スクワッド(2016 年/アメリカ) ネタバレあり感想 主要メンバーの力量に対して敵が異次元過ぎた映画。
謎に近々作り直されるとかなんとか。
アマプラに来ていて、久々に観直しました。
そしてこの映画の感想記事はまだ書いてなかったので書く事にしました。
個人的に結構好きな映画なんですけど、ツッコミどころ多いんですよね。
(SUICIDE SQUAD)
予告:
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
スーパーマンは良い奴だったけど次にくる奴が良い奴とは限らないから、悪人たちのチームを作って未知の脅威に立ち向かいたい(???)。
■感想
DCエクステンデッドユニバース第3作。
DCコミックス作品の悪役(ヴィラン)達で結成されたチームの活躍を描いた作品です。原作コミックスのスーサイドスクワッドの映画化では無く、DCEUの中で再構築された感じ。
ただ、この時点ではシリーズがまだ2作品しか存在しない且つ2作品ともヴィランが怪物すぎるし死んでるしで寄せ集めるのは無理だったためか、映画化に当たってDCEU内では新規でシリーズに登場することになるヴィラン達の悪役チームとなりました。
ハーレークインやデッドショットあたりの名前が売れてるヴィランもチームにいますしジョーカーも出てくるんですが、それにしてもやっぱ華が無いです。
キラークロックは小規模化したハルクみたいですし、エルディアブロは正直ヴィランと呼んで良いのか分からないキャラクターですし。
カタナちゃんっていう、夫の魂を宿した妖刀片手に人切りの限りを尽くす日本人キャラも出てきますが、逆に彼女は純粋なヴィランでは無かったりするややこしさ。
キャプテンブーメランに関しては登場させたところでどう活躍させるんだよと思ってたら、どうにもならない微妙な感じで最後までその場に居続けるので笑えます。
劇中でもしっかりフラッシュに懲らしめられていたりするので愛は感じるんですけどね。
アローバースのフラッシュはガチ名作ドラマ。
メタヒューマン(超能力持った人間程度の意味合い)もいるので一応それなりに大暴れしてくれますが、総じて攻撃力が低めというか、殺し屋と狂ったお姉さんと人外とブーメランおじさんでは、ド派手なアクションをやり辛い事は自明だと思うんですよね。
だからこそヒーローアクション映画的に言えば比較的難易度低めな感じの相手とやり合うのかと思いきや、敵対するのは太古の地球を支配していたとても強い魔女エンチャントレスと禍々しさ全開な弟。落ち着いて脚本見直す時間無かった感じか。
スーパーマン級が相手して然るべき存在ですが、彼は死んでいるので仕方なくスーサイドスクワッドが対応することになります。
明らかにエンチャントレス達の規模観がおかしいというか、誰がどう考えても人の範疇でどうにかなる感じでは無いマジックパワー全開の相手なので、クライマックスの決戦シーンは殆ど本気エルディアブロの大火力一本頼りな感じでごり押していました。
それを、がんばえー!エルディアブロがんばえー!っつって応援してるデッドショット達と、同じような感じで状況を見守っているエンチャントレス。
醸し出されたポケモンバトル感は計り知れない。
エンチャントレスを止める為のメインストーリーに、シリーズには全員初登場のヴィランという事で主要メンバーそれぞれの過去エピソードが挿入されたり、ジョーカーとハーレークインの物語もサイドストーリー的にぶち込まれていて、総じてゴチャゴチャした映画に仕上がっている印象です。
ただ、それはつまり悪役チームが悪役らしさを全開にした凶悪な映画という事では無くあくまで彼らのキャラクターを重視した作風だった結果でもあるので、ある種仕方のない事なのかもしれないと思います。
悪人と善人を分かつ要素が一体何なのかについてほんの少しだけ考えさせられるシーンもありますしね。
いまでこそ持ち直したDCEUですが、『マン・オブ・スティール』でのスタートダッシュに微妙に失敗し、DCコミックス二大ヒーローの共演作『バットマン vs スーパーマン』も評価は微妙だった印象があります。
そしてシリーズ第3作目に当たる本作スーサイドスクワッドですが、正直『バットマン vs スーパーマン』より多少評価が上がったくらいの感じで、これもまた不発っぽい感じでした。
個人的なイメージの話も込みになっていますが、ただ一方で、この後に公開された『ワンダーウーマン』の大成功と、興行収入こそ全く伸びなかったもののシリーズの価値が生まれた意味で起爆成功した第5作『ジャスティス・リーグ』、それ以降に方針転換される作風や路線に繋がっていく要素がかなり垣間見れる映画でもあると思っています。
マーベルシネマティックユニバース側の制作裏話も最近はよく上がるようになってきていて、そこから察せられるようにユニバース内で世界観を共有する作品は、同時進行で制作している事が多く、ある程度の路線は定めて進行していくようです。
そこから考えるにDCEUも同様の進め方はしているはずで、しかも前作からスーサイドスクワッド公開までは半年程度しか時間が空いていない事から、そもそも既定路線としてこの映画はコミカルな雰囲気込みの映画として制作されていたはずです。
というか、前作前々作のヒーローサイドはダークでシリアスに、という部分に対してヴィランサイドはコミカルで大味な雰囲気にしているような印象もありました。
そういった感じなので、作風の分岐点にある作品ながら偶然にもその後に方針転換した路線と合致している映画でもあって、改めて今見てみると違った面白さがあったりするんじゃないかと思います。
■〆
個人評価:★★★☆☆
コロナ云々でハーレークインの単独映画観る事が出来なかったのがホント仕方ないながらも悔しいです。
かなり大味で色んな所にツッコミどころが介在する映画ながらも、DCコミックスに登場したヴィラン達によるチームという部分の面白さはしっかり楽しめる映画だと思います。
この時点でのDCEUは世界観内の繋がりをかなり意識しているので、いきなりこの映画を観て隅々まで楽しめるかと言うと微妙だったりしますが、ヒーロー映画には無いアウトローさを組み込んだ独特の魅力はあるので観て損は無いと思います。
ではまた。
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