ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年/日本) ネタバレあり感想 ジョジョ四部を本気で実写化しようとした事は物凄く伝わってくるけども。
シリーズが続けばいずれ必ず登場することになるであろう重ちー役が誰になるのか本気で気になる。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
スタンド使い達が戦う。
■感想
言わずもがな日本中から絶大な支持を集めている『ジョジョの奇妙な冒険』を実写映画化した作品。
その中でもこの映画の原作となる第四部は日本を舞台に、町で巻き起こる不可解な事件や日常に潜むスタンド使い達との戦いという路線の内容となっていて、それまでの冒険主体の物語とは少し違う独特の面白さがありました。
そんな感じの四部なので、たしかに実写化の敷居は他の部よりも幾分低いと思いますし、なにより日本が舞台で主人公の東方仗助もミックス設定ながら基本はバチバチに日本人なので、実写化が発表された直後とかはそれなりに期待していた記憶があります。結局リアルタイムでは観られなかったんですが。
シリーズ内では比較的に国内での映画化がしやすい、とはいえインスタントな漫画実写化作品という訳でも無く、それなりの本気度はキャスティングから伺えます。
主人公の仗助役には漫画作品の実写化映画での実績が重なり狂っている山崎賢人を始め、東方良平役に國村隼、空条丈太郎役に伊勢谷友介、広瀬康一役には神木隆之介、そしてアンジェロ役には山田孝之と、俳優陣に相当金をかけている印象です。
ただ、豪華俳優陣の起用がジョジョの実写化にフィットするかというと正直すごく微妙で無意味に思えます。
僕は個人的にこの映画の主要キャストのほとんどに対して良い役者さんだというイメージを持っていますし、キャリア的にも十分に通用するクラスの人達が結集していると思いますが、多分ジョジョの実写化っていう部分で考えると、こういう強すぎる役者たちを起用するのはミスマッチなのかもしれないと感じました。
たとえば、山崎賢人の演じる仗助は、仗助っぽさに寄せようとして逆に空回るような感じで、凄むシーンや緊張感のあるシーンでさほど仗助っぽさを感じませんし、神木隆之介は康一らしさはあるもののそれはそもそも良くも悪くも神木隆之介本人の延長って印象を受けました。
億泰を演じた新田真剣佑はアニメ版の億泰に寄せているような感じがしてそれがちょっと面白いんですが、とはいえジョジョの雰囲気を実写映画に落とし込めているかというと、それは多分失敗していると僕は感じました。
キャストや演技についての感想は僕は普段あまり書かないんですが、この映画に関してはキャスティングのミスマッチ感に起因する部分で色々と違和感を覚える事が多すぎたので、ちょっと感想のメインがそこに寄ってしまいました。
ただ伊勢谷友介の演じる承太郎はとても良かったと思います。
実際に承太郎が居たらあんな感じなんだろうって自然に思えるような凄い存在感でした。
突き詰めて言えば軸がよく分からないって事かもしれません。
漫画ジョジョのジョジョっぽさを実写映画にしようとしているような、リアリティよりも漫画らしさを強く推し出そうとしている部分が多く見られる一方で、実写映画特有の生々しさがそこにぶつかってしまっているような印象を受けました。
一方スタンドバトルの描写は個人的には物凄く良いと思って、しかもそれらの描かれ方がかなり丁寧で、各スタンドがどんな能力を持っているのかが視覚情報として綺麗に入ってきます。
もしかしたら単に原作を知っているからだけなのかもしれませんが、超能力の可視化というスタンドの最大の特徴をそのまま演出ベースで組み込んでいるように思いました。
杜王町の景観も物凄くそれっぽさがあってビビりました。
あの独特の日本っぽくないけどしっかり日本みたいな、カオスっぽい街並みがしっかり映像化されていて驚きます。
そういうところから考えても、決して手抜きで実写化している訳では無い事が良く伝わってくるんですよね。
それだけにやっぱりキャスティングのちょっとズレちゃった感が残念に思えます。
第一章では虹村兄弟との戦いまでが映像化されています。
康一が杜王町にやってきて仗助と出会い、仗助は承太郎からスタンドについて教えられ、スタンドの矢を用いて形兆が杜王町の市民を殺害しまくり、矢の力でスタンド能力に覚醒したアンジェロが仗助達を襲い、そして最後は形兆と仗助のバトルで締めくくられます。
漫画で追ってアニメも視聴して、更に今回の実写映画ということで、ほぼ共通した内容をこれで三度も観ている事になるんですが、何度見ても不思議と面白いと感じます。
四部はやっぱ日常に潜む謎とか、普通の町中で巻き起こるスタンドバトルっていう部分がものすごく良く作られていると思います、それは今回の実写映画でもしっかりと描かれていました。
基本的には原作ベースで進みますが、クライマックスとなる虹村形兆が億泰を守って死ぬシーンが、四部ラスボスの吉良吉影が用いるスタンド"キラークイーン"の第二の爆弾シアーハートアタックによるものに変更されていたり、劇場化作品らしいストーリーの切り詰め方をされていました。
吉良は一体誰が演じるんでしょうか。
吉良吉影という存在自体がもはや四部の醍醐味みたいなところありますし、キャスティング次第で本当に魅力度が変わると思うので、どうなるのか楽しみです。
■〆
個人評価:★★☆☆☆
実写版の由花子さんかわいすぎワロタ
現在、下記の配信サービスで視聴できます。
ではまた。