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遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS(2016年/日本) ネタバレあり感想 次元領域デュエル!!!!!!!

 

もう三回は観ているけどそれでもやっぱり獏良の髪型に対する違和感が消えない。

 

遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS

Chapter.1 劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』

 『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』 

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 以下、ネタバレを含む感想記事です。

 

 

ストーリー

最大のライバルを自負していた海馬を他所に冥界にお帰りなさったファラオの魂、そんな闇遊戯ことアテムへの未練が海馬の執念を掻き立てる。

一方、高次元の存在であるプラナの内の一人、藍神くんことディーバが次元領域デュエルを仕掛けてくる。

 

感想

アニメシリーズのキャストをそのまま起用している為に誤解されがちですが、この映画は漫画原作のその後を描いた物語です。

 

アニメ版では遊戯と闇遊戯が戦い闇遊戯ことアテムを冥界へと帰還させる為の戦いの儀の場に居た海馬も、原作では戦いの儀の場面に登場していない為、気づけば冥界へと帰還してしまった闇遊戯に対する未練が凄まじい事になってしまった海馬の暴走的な執着に端を発する物語となります。

 

そもそもの起点がアニメ版とは異なるところにフォーカスされていますが、とはいえアニメ版でストーリーを追っていた人でも問題なく楽しめる内容となっている点は流石です。

原作を知らなくても、映画を観ていれば原作では戦いの儀の瞬間に海馬は居合わせていない事がわかるように、執拗にその未練を訴えてくれますし。

その他アニメ版で変更された原作要素で映画に出てきたのって、多分御伽くんのお父さんがカメオ出演している点くらいだったと思います。

 

 

 

 高校三年生になった遊戯達は、自分の将来を考え未来に向かって歩み出そうとする中、海馬は自身の記憶の痕跡から闇遊戯という過去の因縁を再現し、一人デュエルを挑んでいました。

 

アテムという過去に囚われた海馬の時間が完全に止まっている事が良く分かる展開なんですが、それ以上に海馬の記憶から再現された存在とはいえ闇遊戯と海馬のデュエルが再び見られる事に物凄く興奮する展開でもあります。

 

しかも、この映画の中では唯一普通のデュエルでもありますし、しれっとライフポイント8000でゲームが行われていたり、二人の用いたカードがリメイクカードと当時品そのものが混在している点も、ファンサービス極まってて最高です。

散々言われてるんでしょうけど、海馬が未だにサギ―をデッキに入れているという事実が面白すぎ。

 

 崩壊した千年パズルを組み立て直す為に、わざわざ衛星軌道上にステーションを建造してしまったり、

童実野町を支配した海馬コーポレーションの力で住民全員にデッキの登録を義務付けていたり、

今作の敵役となる藍神と行った次元領域デュエルで、地面から神のカード"オベリスク巨神兵"を引き抜いた上に初期のTRPG色の濃かった頃のデュエルのように「神だからモンスター効果無効化は受けません」として藍神くんの盤面を強引に崩壊させたりする海馬。

 デュエルの様式よりも海馬の飛ばしっぷりが異次元すぎるんですが、それらを超真剣に当たり前のように繰り出してくる辺りに海馬の狂気が現れていて、だからこそこっちも真面目にその世界観に付き合えるのかもしれません。

 

ちなみに遊戯は、もう一人の僕という存在を無理に忘れようとしている描写が在り、それはつまり遊戯もまたアテムの存在にある意味では囚われているようにも見えます。

とはいえ戦いの儀を通して大きく成長した遊戯はそれを糧にしている事は明らかで、ここに海馬との違いが現れている様に思います。

 

 

 

 

そんな海馬の動向にばかり目がいきがちですが、本作の中核となる要素は獏良(闇バクラ)の過去とその因縁についてだったりします。

 

今作の敵役である藍神くんを含む高次元世界に昇華したプラナを名乗る子供達が登場します。

彼らが更に幼い頃に師事していたのが、千年アイテム2つも持ってるマンとしても有名なシャーディであり、そんなシャーディを千年リングの闇に囚われたばかりの獏良が殺してしまった事で、藍神くんは獏良への復讐に燃えることになってしまいます。

遊☆戯☆王 千年アイテムメタルマスコット全7種
 

 

原作漫画で、闇バクラが「5年前に奴は死んだはず」的なニュアンスでめちゃめちゃ動揺するシーンがあるんですが、それ以降なぜそんな反応を示したのかの理由が回収される事が無かったんですよね。

今回の映画はこの未回収の伏線を盛大に膨らませた内容とも言えます。

 

獏良への復讐の為に童実野町へやってきた藍神くんですが、海馬コーポレーションに妹であるセラちゃんの存在をネタに揺すられ海馬の主催する新型デュエルディスク発表会でのデュエルイベントに登場する事に。KC悪の組織すぎん?

 

そこに遊戯も参戦し、なんやかんやあって海馬も参戦することになり、2VS1のクライマックスデュエルへと繋がります。

 

 

 

 

高次元世界の住人だからなのか、藍神くんのしかけるデュエルは次元領域デュエルなる、レベル5以上でもアドバンス召喚(生贄召喚)を行わなくていい代わりに、モンスターのステータスは気合いで決まるというものらしいです。藍神くんがあまり詳しく話してくれないのでなんとも言えないですが多分そういうスペシャルなルール

 

カードに記載されているATK/DEFの数値が最大値となるっぽいこれらのルールですが、海馬も遊戯も次元領域デュエルの際には問題なく最大ステまで上昇させていたので死に設定なんじゃないかと思わなくもないですが、観ている分には存分に楽しめるので結果オーライです。

 

更にクライマックスデュエルでは、暗黒次元領域デュエルとかいう更なる進化を遂げたデュエルが展開されます。基本ルールに負けたら死ぬ要素が加わり、仕掛け人の藍神くんの形状が崩壊するおまけ付きのデュエルです。

 

海馬と遊戯が限界まで追い込まれ、敗色濃厚となったその瞬間に、あの超特徴的なSEと共に光り輝く千年パズル。

そして黄金のオーラを纏った冥界のファラオの魂が無言参戦し素早くデスティニードロー、引き抜いた守護神官マハードで藍神くんの操る方界モンスターを一蹴し逆転勝利という凄まじいパワーゲームを展開。

 アテム最高!!デュエル最高!!

 

土壇場で本物のアテムが登場し、海馬と遊戯の窮地を救うのは正直死ぬほどベタ展開だと思いますし、本物のアテムのシーンは一瞬でセリフも無いんですが、ただそれでもこの瞬間のボルテージの高まり具合は相当なものでした。これより前の展開で一度城之内くんを異世界から救うために一瞬登場していたりしますが。

 

クライマックスデュエルに至り、遊戯がしっかり自分の力で戦っているシーンを改めて観ていてもやっぱりどこか闇遊戯の存在を求めてしまう所があります。

加えてアテムの魂は冥界に帰った事は散々今作でも明言されていますし、千年パズルを組み立て直してもアテムは帰ってこない事を遊戯も海馬も理解していたのですが、それでもサプライズ的に何とか出てきてくれないかと、そういう期待感が高まりに高まった末のこの登場なので、はしゃがざるを得ないまであります。

 

もう三回は観ていますが、何度見てもこのクライマックスデュエルの一連の流れが最高すぎて、尚も何度でも観たくなります。

 

 

 

 

 

個人評価:★★★★☆

 百済木さんっていう、藍神くんに絡んでいたCV:ケンドーコバヤシの半グレキャラがいたんですが、彼だけ藍神くんに別次元に飛ばされたまま帰ってこれてないっぽいの普通に可哀想で面白いです。

 

漫画原作のアフターストーリーとして、闇遊戯こと冥界のファラオの魂ことアテムさんの居なくなったあとの世界で、その存在に囚われた海馬の狂気と、過去に師を殺された藍神の復讐という、過去が重要なテーマとなった内容になっている印象です。

漫画原作でも、最終章が記憶編という過去とのケリを付けるための物語であり(ただこれは実際の過去では無くTRPGとして再構築された物です)、正当続編である本作はそういう意味では明確にそのテーマを引き継いで構築された内容なんだと改めて思います。

作画もデュエル描写もその内容も、初代遊戯王を知っている人なら絶対に楽しめる凄くいい映画だと思います。

この感想記事書きながら四回目の視聴しているくらいですし。

 

 

現在、以下の配信サービスで視聴できます。

ではまた。

 

 

 
Netflix

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  • 発売日: 2020/07/03
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