天 天和通りの快男児(2018年・日本) バレあり感想 麻雀を通して男たちの生き様と挫折を描く。心理描写はフラグ。
このドラマ、リアルタイムで観られなかったのですが、テレ東公式がYouTubeで数話毎に定期的に配信してくれていたので観ることが出来ました。
良い時代になった。
ちなみにParaviという動画配信サービスでも全話見る事が出来ます。
『天 天和通りの快男児』
引用元:News.Paravi
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ネタバレします。
■ストーリー
代打ちを家業とする男と麻雀に自信ありの青年が裏社会の雀士達と戦う。
■感想
この作品の何が面白いって、イカサマで役満和了るおっさん天さんと、それで面食らった青年ひろゆきの二人から物語が始まる点ですよ。
それで「うわこれもうなんでもあり系の話かよ」と思わせておいて以降天さんはイカサマを一切行わなくなるという切り替えの気持ち良さ。
そんなわけで麻雀を中心に人生を賭けたり背負ったりした男たちの戦いを描くわけですが、これが本当に丁寧ですね。
闘牌シーンはかなりじっくりと描いてくれます。
代打ちという難しい立場の天さんは、主人公でありながら主人公らしからぬ描かれ方をすることが多いです。
一因として、心理描写が極端に少ない点がある気がします。
福本作品における心理描写の挿入とは、イコールその描写がなされたキャラクターが窮地に追い込まれる前兆であるわけですが、
天はこれが極端に少ないです。天は主役というよりも強敵を描く時の手法で全編通して描かれている気がします。主役なのに。
その代わりに主人公ぽいポジションに落ち着くのが青年ひろゆき。麻雀に自信ニキ。
ひろゆきは挫折したりピンチに陥ったり、赤木や天から学びを得たりと完全に主役ですね。
後半からのメインストーリーである東西戦においては、前半がひろゆき、後半が天が主役って感じで上手い事描き分けられていたように思います。
そんな天さんの数少ない焦り、心理描写が観られるのが赤木しげるとの戦いです。
アカギですよ。あのアカギですよ。
そもそもアカギという漫画自体この天のスピンオフ的な作品です。
赤木と天の闘牌シーンはマジで、面白すぎましたね。
これ以降のメインストーリーである東西戦はコンビ麻雀だったり、わりと西側がイカサマしたりといった感じで、敵側である西がけっこう狡い事をするんですが、
赤木しげるとの戦いだけは両者共にガッチガチに本気麻雀やるんですよ。
この赤木、本物の強敵ですからやっぱり心理描写が少ない。
そうなってくると、ひたすら心理描写と解説側に回るモブとひろゆき。
流石の天さんも心理描写が増えてきます。
赤木を演じているのが吉田栄作さんなのも個人的にポイント高かったんですよね。
かなりしっくりくるというか、リアル赤木感が凄いです。
ノーマネーでフィニッシュなんて絶対にしなさそうな気概を感じる。
そんなこんなで色んな強敵との戦いを経て、最後にはひろゆきが麻雀の世界から足を洗うのも意外な落とし方で好きです。
自分の常識を超えた雀士達との戦いの中で確実に成長していたひろゆきが、自分の限界を知って潔く諦めるんですよ、実質主人公であるひろゆきの一番大きな挫折が物語の締めに来るんですよ。
ラストカットでは久しぶりに雀荘に足を運んで天さんに勝負を挑むというところでこのドラマは幕を閉じるのですが、そのシーンもひろゆきの再起では無く、どちらかというとちゃんと引退する為のけじめ的な空気感を感じるものでした。
とにかくこのドラマ、いずれのキャスト陣も役にばっちりハマっていたと思いますし、なにより丁寧な描写の数々で闘牌シーンの緊張感が半端なくて、かなり楽しく視聴する事ができました。
■〆
個人評価:★★★★☆
福本伸行さんの新作漫画が赤木しげるの死後20年経った世界が舞台と聞いてワクワクしてます。
11話と12話の間なんか飛んでね?と思ったらその間のエピソードはパラビで配信されているとの事。誘導がうめえな。
有名な赤木の生前葬の話とかもいつか映像化してほしいですね。
ではまた。
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