銀と金(2017年・日本) バレあり感想 人生に負けかけていた青年が裏社会のヤベエ奴に拾われてグングン才能を開花させる系のやつ。
福本伸行による同名漫画作品をドラマ化したものになります。
『銀と金』
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たまにネタバレ。
■ストーリー
フリーターが裏社会でハネる。
■感想
福本作品って基本映像化されたものはハズレが無い気がします。
アニメ化にしろ映画化にしろ基本は当たり作品しか無いと思いませんか。
実写映画化された『カイジ』に関しても、僕はあれはあれでかなり好きでした。
藤原竜也がちょっと強めじゃないか?っていう部分も、プラスの個性として上手く作用していたように思いますし。
で、福本作品は結構な数の映像化作品があるわけですが、
今回観たのが傑作と名高い『銀と金』のドラマ版という事で、観る前の期待値は相当高かったです。
それなのに流石というかなんというか、期待以上に面白いドラマでした。
人生いつでも終えられそうなフリーターの森田鉄雄が、裏社会でかなりハネまくりの男である平井銀二に出会い、銀二の元で徐々に裏での生き方に順応していく、みたいな感じのお話です。
うだつの上がらなさそうな主人公がギャンブルや駆け引きなんかを通して覚醒していったり、
心理描写、心の声が漏れ始めたキャラクターは大抵その後にしてやられたり、
やはりラスボスは強大な権力と膨大な金を手に入れた狂気漏れがちなおじいちゃんだったりで、
福本作品だからこその要素がてんこ盛り、観たいものが全部詰まっていて満足度かなり高かったです。
銀二が去った後からとくに面白くなりますね。
森田が一人で仕事をするようになり、下心で女の子騙しまくる画商を潰したり、下心で女の子騙しまくる御曹司三人衆を潰したりするわけですが、
とにかく森田は試行錯誤して、必死に人を頼って、なんとかギリギリの線を渡って勝負に勝っていくわけですよ。
銀二が圧倒的な強ムーブで制圧するかのように勝負や駆け引き、取引を行っていく姿を描いた後に、この森田の手に汗握る系の戦いの話になるのが良いギャップを生んでいるのかと思います。
それにエピソードの中で、ちゃんと森田がどういう過程を踏んで成長しているのかを描いているのが丁寧でベタで、凄い好きでした。
ただ、
大人のお店で画商にハメられ高額請求を食らった時にたまたま仲間の船田が偶然居合わせなんとかなったり、
連続殺人犯とのタイマンで都合よくピンチの瞬間に仲間の船田が助けに入ってくれたりと、
一人で何とかならず、仲間に助けてもらう展開もあるわけですが、銀さんがそれすらも森田の素質であると肯定する事で、ご都合では無くある種の特性として見れちゃったりするのも面白いです。
まぁこれに関しては偶然現れる船田さんが有能だったケースですが。
そんなこんなで裏社会で生き残れた森田の元に再び銀さんが現れ、ドラマ内では最後の大勝負となる蔵前仁との蔵前麻雀に挑むことに。
特殊ルールでの麻雀です。面白いに決まってます。
ここで銀さんが期待していた森田の強運があまり発揮されていないのもまた面白いですね。
演出としては、いかにも強運そうなオーラを漂わせています。
実際最後の勝負が決まるかどうかのラス牌ツモるところの攻防は、蔵前も森田も視聴者の俺達すらも完全に森田はもう勝負を決める牌を引きこんでくるという空気の中での攻防です。
しかし実際にはその牌は何でも無く、実は銀さんがずっと策を打っていた事が勝負の後に判明するという……。
なんというか、銀さんは最終話に至って尚も圧倒的な存在であるというのが良いですよね。
森田の師でありながら最大の好敵手的な立ち位置にも居る銀さん。
そんな立ち位置なので森田は銀さんの元を離れる事に。
ちなみにアマプラで全話観れたのでアマプラで観ていたんですが、
幻の13話っつうのがあったのでそれも見てみました。
原作にも存在する連続殺人犯のエピソードを元にした話なのですが、これはこれでまたありですね。
麻雀やらポーカーやら株取引やらを取り扱っていた作品の中で、まさかのリアルファイト路線の投入。
13話はおまけ的な枠ですし、良いと思います。
■〆
個人評価:★★★★☆
なんかいつも思うんですけどドラマとかアニメを観たあと、原作が読みたくて仕方なくなる事って福本作品だけな気がします。
自然な映像化すぎて逆に漫画はどんなんだったのか気になるというか。
ていうか多分実写版で言えば、日本の俳優さんの演技と福本作品のキャラクターの親和性がかなり高いんじゃないかと思ってます。
ちょっと誇張されがちなキャラクターばっかりですしね。良い意味で言ってますよ。
ではまた。
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