ハンターキラー 潜航せよ(2918年・アメリカ) バレあり感想 潜水艦映画なのに陰鬱さが殆どない。というか超アツい映画。
潜水艦映画にハズレ無し。
『ハンターキラー 潜航せよ』
(Hunter Killer)
優しめにネタバレ有り。
■ストーリー
ロシアの軍部がクーデターを企てた。
ロシア大統領を救出しクーデターを阻止する為に米海軍原潜アーカンソーはロシア領への侵入ミッションを開始する。
■感想
超面白い。
戦争系ミリタリー系の作品というだけで評価がダル甘になる僕です。
多分その贔屓目がふんだんに補正としてかかってしまっていると思いますが、面白かった事は間違いありません。
原潜アーカンソーの活躍だけを描くのかと思いきや、ロシア領内には特殊部隊が派遣されていました。
陸と海から米軍が、更にここにロシア大統領やクーデターの為に意図的に撃沈されたロシア原潜の艦長なんかも加わり、米露が協力してロシア軍部の暴走を止めるというのが主な流れです。
主人公であるアーカンソー艦長ジョー・グラスが危機的状況を脱する際に用いるのが、機転の利いた戦略などでは無く、とにかく人を信用するという点に一点集中しているのがアツさ爆発です。
とにかく船乗りに対しての信頼が凄い男。
敵原潜の艦長とか平気で機密事項まみれのメインブリッジに呼んじゃいます。
これには副艦長も苦笑いを通り越してヒステリーに陥りますが、「大丈夫大丈夫……」みたいな謎の懐柔を仕掛けるジョー・グラス艦長。
そんな予想外の好待遇に思わず露原潜の艦長もニッコリで二人は結託、結果として露大統領の救出作戦においてこの露原潜艦長は凄まじく貢献してくれる事に。
ご都合主義とか言わない。アツい映画だからこれ。
国や大統領を裏切ったロシア軍部のトップであるドゥロフ国防大臣と、友情の元結託したジョー・グラス達という対比を上手く物語の中に落とし込んでいます。
特に後半から米露両艦長の結託具合は凄まじく、ロシア軍港内への潜入の際には、もはや機密なぞどこえやらと言わんばかりです。
露駆逐艦からの攻撃もアーカンソー内の露艦長の鶴の一声で止めさせたりしてくれます。
一方陸の特殊部隊もそれなりに見せ場がありました。
こちらはかなりオーソドックスな特殊部隊モノらしいストーリー構成でした。
ベテラン三人の中でただ一人の新人の苦難と活躍だとか、任務の為の名誉の死だとか、そんな要素がてんこ盛り。
ベタです。
だけど最後、露大統領を救出して潜水艦まで逃げるシーンで、新人がスナイパーライフルで部隊を支援するシーンとか、最高でしたよ。ベタで良いんだよ。
いわば極めてアメリカ的な雰囲気が立ち込めるのが陸のパートでもあるのですが、決して物語を邪魔している訳でも無いですしこちらも普通に面白いので僕は全然楽しめました。
そんな感じで、人間関係の描き方も気持ちよく、ご都合主義的展開をアツさで上回る事でエンタメ作品としてゴリゴリに楽しめる映画なんですが、
何よりもやっぱり戦闘シーンな訳ですよ。
もうね最高この映画の戦闘シーンは。
最高の一言です。
シチュエーションも最高ですし描写も最高。
魚雷ドーーーン!!!!回避行動グオオオオオオ!!
対潜ミサイルギュオオオオオオ!!CIWSブオオオオオオオ!!!!
みたいな。
はい。
はい????
そこに件の米露の結託要素が加わってアツさ爆発ですよ。
米アーカンソーが攻撃を受けた際に、護ってくれたのがロシアの駆逐艦だったり、
大統領の救出の際に最後まで残って特殊部隊の脱出の時間を稼いでくれるのが大統領の側近だったり、こういうのでいいんだよ……。
ただ、露司令部の地上防衛能力があまりにも弱すぎるというかザルすぎるのはどうかと思いました。
味方からのミサイル攻撃とは言え、ミサイルの弾頭が眼前に迫ってくるまで攻撃された事に気づかないってのは、怠惰ですよ。
■〆
個人評価:★★★★☆
米原潜内の描写とかもめちゃくちゃリアルに描いているらしいですよ。
最近の船の海図はタッチパネル式なんですね。未来感あってかっこよかったですあれ。
いかにも潜水艦映画らしい要素もたくさんあるのですが、それを上回るアツさにやられました。
良い映画です。
ではまた。