ペーパー・ハウス シーズン2(2017年/スペイン) ネタバレあり感想 シーズン2からが本番だった、というか本編だった。
S1観てた時は内心「そこまで過剰に持ち上げられるほど面白いか?」と思ってたけど
S2から騒がしいくらい面白かった。
『ペーパー・ハウス シーズン2』
(La casa de papel)
予告:
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
乱れた計画をなんとか軌道修正して強盗計画を完遂しようとする。
■感想
思い返してみればシーズン1はキャラクター達の紹介や、警察と強盗、人質のそれぞれの関係性、そして造幣局を占拠しての強盗計画の全貌がどういったものなのか、といった本編本軸を進めるための前準備をしっかり描いていた事に気づきました。
そこを抜かりなくガッツリ描いたからこそ、シーズン2はしっかり事件の結末まで気持ちよく走り切れている感じです。
シーズン1で個人的にあんまりハマっていなかった、諸々の出来事や展開も実は教授は想定済でこの強盗計画は完璧に練られていた、という凄さの見せ方に関して、シーズン2はかなり上手く処理しています。
というのもS2ではもはや当所の強盗計画から大幅にズレが生じていますし、オスロとモスクワ、そしてまさかのベルリンまで死亡してしまいますし、教授もラケル刑事とガチ恋しちゃって身バレします。
想定外の出来事を想定外のイベントとして物語に落とし込んでいました。
それはS1で描いたものと対比するような展開でもあるんですが、全て把握済みです!みたいなスタンスを推し出していたS1よりもよっぽどドラマとして活き活きしている印象があります。
なにより、その場しのぎ的な、瞬間的に盛り上げて次の話ですんなりあっさり流される出来事というのが殆ど無くなり、S2全体を通して脱出と計画の完遂を一貫して目指す強盗グループと警察サイドの混乱、そして人質たちのそれぞれの巻き込まれ方という部分にフォーカスしたストーリーが最後まで描かれるので、面白さと全体的なテンポ感は圧倒的にS2が上だと思いました。
しかも完結しましたからね、事件。
これはびっくりしました。
どうせ最後の方には何かしらのクリフハンガーが来るんじゃないかとか、シーズン4まであるドラマなんだからここからまた別の展開が来るんじゃないかとか、とにかくそういう予想が脳裏をよぎって然ると思うんですがこのドラマはキレイに終わります。
仲間は何人か死んでいますが、それでも最後はスタイリッシュに強盗を決めきって逃げ切って終わりますし、教授とラケルも無事に仲直りしてゴールイン的な感じですし。
まだあと2シーズンほどあるんですが、完全新章って事なんでしょうか。
トーキョーちゃんのバカな小娘感が薄れていたり、ベルリンがただのサイコでは無く部分的なサイコとして人間味が出てきていたり、アルトゥーロが最後の最後まで掻き回し役として機能していたり、キャラクターの描かれ方もパワーアップしているように感じます。
ナイロビ姉さんは綺麗すぎ。
一方で、ついさっきまで鬼ほど喧嘩していたやつらが何事も無かったかのように協力し合っていたり、その逆のパターンもわりと起きたりしていて人の気持ちがよく分からなくなる瞬間もあるにはあります。
大人の対応って事でね。
■〆
個人評価:★★★★☆
全体的な面白さはシーズン2が圧倒的に上だと思いました。
計画の全貌とそれに歪みが生じるまでを描いたS1に対して、S2は計画の軌道修正とその先に更に巻き起こる展開の数々が魅力的だと思います。
強盗グループも警察もお互いにギリギリのところで睨み合うような雰囲気。
このドラマはネットフリックス独占配信作品になります。
ではまた。