ドラゴンボール超 ブロリー(2018年/日本) ネタバレあり感想 面白すぎて文字に表せない。
戦闘シーンで轟く謎BGMとコールが良い味出してる。
『ドラゴンボールZ 復活の「F」』のざっくりとした感想記事もあります↓↓↓
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
新生フリーザ軍により救出されたサイヤ人のパラガスと息子ブロリー。
パラガスはベジータ王を恨んでおり、その息子ベジータが生き残っている事を知り、フリーザと共に地球へ向かう。
■感想
流石に『ドラゴンボール超』シリーズの内容を把握しておく事が前提になっているかと思いきや、むしろ旧シリーズの原作漫画や映画作品のファンが喜んでしまうような要素満載の内容でした。
40年以上前の惑星ベジータが健在だった頃から物語が始まります。
ブロリーとパラガスを中心として過去の物語が描かれると同時に、この映画がサイヤ人に焦点を当てた内容である事を強く意識させてくれます。
惑星ベジータを爆砕するフリーザのエピソードも新規に描かれるので、サイヤ人とフリーザの因縁や、そこで幸運にも生き残ったベジータやラディッツ、まだハゲてない頃のナッパなどの姿も併せて描かれました。
全く知らなかったんですがベジータって弟いるんですね。この辺りはもしかしてDB超で出てきた新設定とかなんでしょうか。
ベジータ王とパラガス、コルド大王、バーダックなど、本編世界の主要キャラの親たちの姿が改めて描かれ、そこで巻き起こった因縁がそのまま子世代に伝搬している事を強く意識させます。
フリーザ軍とサイヤ人の因縁もここに加わり、ブロリーが悟空たちと戦う理由にも直結してくるので、今作が「生き残ったサイヤ人」という存在自体に物語の比重を置いている印象がとても強いです。
過去にブロリーが登場した映画作品は全てパラレルという形で、新たにブロリーの姿を描いた今作。
そこに落とし込まれたキャラクター像は、過去のブロリーとは大きく異なっていました。
特にそれが良く分かるのがパラガスに対するブロリーの反応でした。
旧作では、暴走したブロリーは自らの手でパラガスを圧殺したのに対して、今作ではフリーザの策略によってパラガスが殺害され、その死を目の当たりにして歯止めの効かない暴走とスーパーサイヤ人への変化へ繋がる流れになっています。
今作でも酷い父親として描かれたパラガスですが、そんなパラガスに対しても恨みより唯一の家族としての愛情があった事が良く分かるシーンで、新旧共に暴走する姿形はそっくりですが、その内面と言うかキャラクター像が全く異なっている事が良く分かります。
加えてこの展開、フリーザが過去にクリリンを殺害した結果悟空がスーパーサイヤ人に変化した出来事にヒントを得ての行動であり、旧作のそれよりもシリーズ的な筋道がブロリーの暴走に絡んでいて面白いです。
物語的な面白さやファンサービス的な面白さが詰まっている印象ですが、それよりも個人的に今作の戦闘シーンには感動すら覚えました。
作画レベルの高さは言わずもがなですが、戦いの見せ方や戦術の違いなどで戦闘シーンにメリハリが効いていてずっと盛り上がりどころが続くイメージです。
しかもインフレした相手にインフレで返すような展開に見えて、実はじっくりと悟空たちがブロリーに追い込まれている事に、悟空たちが実際に追い込まれてからようやく気付くような形で、ブロリーの絶望的な強さも感じられるような展開の仕方がなされていたように思います。
スーパーサイヤ人には成れないものの戦闘の中で急速に成長し、ついに通常時でスーパーサイヤ人ブルーとなった悟空とすら互角に戦うブロリー。
そしてフリーザの策略によりブロリーはスーパーサイヤ人化して、馴染み深い白目でゴリマッチョのブロリーが満を持して登場し、悟空とベジータのタッグでも敵わずピッコロの元へ瞬間移動で逃げだすレベルの化け物へ。
二人が消えた際にブロリーに敵として狙われたフリーザ様が、決死のゴールデンモードで対抗するも太刀打ちできず劇中時間で90分くらいひたすらブロリーにぶっ飛ばされ続けるという悲劇。
因果応報すぎて笑える戦闘シーンで好きです。
そして悟空とベジータはフュージョンでブロリーに対抗するという旧作ファン殺しの展開。
しかもゴジータはスーパーサイヤ人ブルーになりますし、ゴジータとブロリーの戦闘とかいう展開もそうですが、とにかくファンが妄想しがちな対戦カードが映像化された感が凄まじくてテンションがおかしいことになりました。
スーパーサイヤ人ブルーのゴジータと暴走ブロリーの戦闘があまりに凄まじすぎて時空が崩壊して異次元で戦闘が始まるという表現もかっこよくて好きです。
ゴジータに次第に圧倒され始めちょっと冷静さも取り戻し始めたブロリー。
新キャラであるチライとレモがドラゴンボールで呼び出した神龍に願った事で、ブロリーはかつて住んでいた辺境の惑星へ転送され、戦いは終わります。
決着という決着はあえて明確には描かず、その後に悟空が辺境の惑星へ訪れた際に再戦を申し込むなど、次にまだ何かやれそうな要素がたくさん込められていてワクワクする締め方をしてくれる点も好きでした。
過去の因縁やしがらみに端を発した戦いですが、そこから戦いを通して過去やしがらみを断ち切ったような形で、純粋なライバル関係が構築されるという締め方にドラゴンボールらしさを感じます。
■〆
個人評価:★★★★☆
旧作の通常時のブロリーのヒョロヒョロな感じも良いですが、今作みたいに野生で鍛えられた蛮族っぽい通常時ブロリーも中々かっこよくて良いですね。
スーパーサイヤ人になったらどっちにしても世紀末のヤンキーみたいになっちゃいますけど。
力の大会とか第〇宇宙とか、フリーザがいつの間にか蘇っている理由とか、超を観ていないと分からない出来事や設定も登場しましたが、それらは本作中でどういったものなのか分かるように作られていましたし、内容的にそもそもブロリーと悟空たちの戦いそのものに意味がある作りになっていたと思うので、バトルを満喫できる凄くドラゴンボールの映画作品らしい面白さが詰まった作品だと思いました。
ブロリーに限らず、ゴジータの登場や過去回想でのバーダックたち、サイヤ人達の掘り下げ等ファンムービーと言って良い要素が多く、個人的には過去のDB映画作品の中でも一番好みの内容だったかもしれないです。
現在、以下の配信サービスで視聴できます。
ではまた。