趣味と向き合う日々

映画やアニメなどの映像作品、音楽、プラモデルといった趣味に関して気ままに書いています。

メッセージ(日本公開2017年・アメリカ) バレあり感想 なんかもうこれが今年一番の映画だと思ったよ俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これマジで今年一番の映画のでは?

 

邦題を別の言葉に変えましたシリーズですが、わりとこの邦題は良いチョイスなのではないかと思ってます。

ちなみに『あなたの人生の物語』という短編小説が原作みたいです。 

 

 

近年の大作SF映画インター・ステラー』と比較されがちですが、

観てみた感じだと『コンタクト』の系統の方が近いです。

 

『メッセージ』(原題:Arrival)

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出典元:http://www.message-movie.jp/

 

youtu.be

 

この予告もまた珍しく良くできてやがるのよ!!

 

SFアクション超大作っぽく見える作りになってます。

シーンのチョイスが上手いです。

 

いつも通りネタバレがそこはかとなくある感じの感想です。

 

 

 

あとばかうけたべたくなるかもしれませんが、映画館にばかうけは持ち込んじゃダメだぞ!

 

 

 ■あらすじ

突如世界中に出現した12隻のUFO。

彼らが何をする為に地球を訪れたのか探る為に、アメリカ軍のウェバー大佐は言語学者のルイーズ・バンクスを訪ねる。

ルイーズは物理学者のイアンと共に、彼らの意図を知るための対話を始める。

 

だが、調査が進み判明した彼らの意図を知った中国をはじめとする諸国が、UFOに向けて攻撃を開始しようとする。

ルイーズは彼らと対話する過程で彼らに与えられた"武器"を用いて、中国を止める為に動き出す……

 

 

 

 

……あらすじ書き辛ええええええええ……。

 

勝手な僕自身のこだわりで、あらすじは引用せず自分で書くのがルールなんですが、

この映画のあらすじは正直公式サイトのあらすじ見ておいた方が無難で良いですね……。

www.message-movie.jp

 

 

■感想

ネタバレ有りで書きますと言うかネタバレしないと感想書けねえよこの映画。

物語の基本的な構造は、主人公ルイーズが異星人と対話を進めて世界の危機もすくっちゃうぞっていう、かなりシンプルな作りになってます。

 

・伏線の張り方上手すぎだろっていう

 

 

かなりシンプルな作りですがその中にあるのは見事な伏線とその回収です。

 

いやマジで、これ何人くらい序盤から気づいた人いるのか気になりますね。

 

 

 

この映画、冒頭で主人公ルイーズとその娘さんが一緒に過ごした日々を描いています。

娘さんが成長する過程と、恐らくは癌で亡くなってしまうまでを最初に見せるんです。

良い感じのモノローグと共に。

 

ここはイントロダクション的な見せ方をしているので、この後すぐ始まる本編とはまだちょっと違うんだとすぐわかると思います。

 

この導入の方法は、勘の良い人やこの手の映画をよく見る人はすぐに何かしらの伏線だなって気づくと思います。

僕程度の人間でも「んんんこれは伏線だなぁ」って気づきましたし。

 

 

 

で、そこから転換し、本編スタートっぽい雰囲気になります。

本編で、異星人、通称ヘプタポッドと接触し、彼らの文字を解析・理解していく過程でルイーズは記憶の混乱が次第に始まります。

 

その内容が冒頭の娘と過ごす日々の情景なんですよ。

 

 

 

これがまさか未来の映像だったなんて思わねえって!!

 

 

 

でも映画観終わってよくよく思い返すと、しっかりヒントをセリフと映像の中に混ぜ込んでるんですよね。

 

娘さんの描いた「動物とお話するパパとママ」の絵だったり。

ルイーズの「数学の事はパパに聞いて」的な発言だったり。

 

でも僕は気づきませんでした!!

 

だから、ルイーズが記憶の混乱を繰り返しはじめ「この子は誰なの……?」ってセリフが出てきた時にゃもう鳥肌ですわ!!

 

 

 

これはいわゆる叙述トリック的手法な訳ですが、本当に使い方見せ方が上手いと思います。

しかも、SF映画をわりとよく見てる人ほどこれは深く嵌ってしまうタイプのトリックじゃないかと思うんですね。

 

というのも、僕は娘との話がどう異星人の出現と繋がるのかを観ながら考え続けてて、

異星人の超技術で過去とつなげるとか過去にタイムトラベルで飛ぶとかそんな感じのものを想像してたんです。

 

劇中でイアンが「高速以上で移動できる方法を~」みたいなセリフを言うのもやってくれた感あります。ていうか僕はこのセリフにやられました。

 

高速以上の速度で移動するというのは、タイムトラベル物の作品ではわりとメジャーな時間移動の理論、方法としてSF作品ではよく出てきますから。

だから僕は完全にタイムトラベル路線で、且つ過去に行くか過去と繋がるもんだと思いこんじゃいました。

 

このミスリードの誘い方は細かいながらも丁寧で上手いと思います。

 

未来視っていう、それはそれでメジャーな設定をギリギリまでミスリードさせるってホントすげえ。

 

 

とにかく今作のこの伏線の張り方と回収は素晴らしいの一言でした。

そしてクライマックスに置いても、このルイーズの未来視のお陰で一件落着な訳です。

 

ここ等辺はタイムトラベル物が好きな人はニヤニヤですよね。

中国のジャン上将が自分の携帯のプライベートナンバーを教えるシーンの「どう繋がるか分からないが……」みたいなセリフも良いです。

 

この映画って異星人物というより、要素としてはタイムトラベル物の色の方が強いんですよね。

 

そこもまた面白いというか。

色々複合されていて、それらが全て必要な要素なので違和感を覚える事無く楽しめるんだと思います。

 

・ルイーズの未来視(フラッシュバック)と未来現在とかその辺りの話

 

なんでルイーズが未来視を出来るようになったかというと、劇中で本人の説明がある通り、ヘプタポッドの描く文字を解析し、理解したからとの事です。

 

ヘプタポッドの用いる書記言語は時制が無いという発見に始まり、そこから彼らの書記言語を解析し続けた事で、ルイーズは未来の情景をまるでその場で観ているかのように知る事が出来るようになった、と。

 

これは彼女が超一流の言語学者だからこそなのかもしれません。

現に一緒に解析をしていたイアンにはそれが備わってませんでしたし。

 

何より、ルイーズが彼らの言語を完全に理解する為の方法が、未来視で自分の書いたヘプタポッドの言語に関する本を読む事だったので、それ以前から当然ある程度の理解が出来ているって事です。

 

こういう未来視の使い方良いよね。

 

ただしここちょっと混乱しました。

じゃあ同じように時制が無い中国語とかその辺りの言語知ってたら未来見られるんかいとか思っちゃいましたけど、これもそうじゃないんですね。

 

 

これは、ヘプタポッドの用いているのが書記言語っていうのが多分ヒントで、劇中台詞にあるように「彼らの言語を理解する事で彼らと同じものの観方ができる」ようになるっていうのが重要なんだろうと思いました。

 

ヘプタポッドは人間と違って、時系列や時間軸、時の流れという感覚を持っていないことがルイーズに発見されます。

 

 

 

ここからしょうもない考察ちょっと始めます。

 

 

 

例えば人間は過去→現在→未来と、時系列で思考します。

(この考え方には『思考は言語に先行する』という劇中でも紹介されるピンカーの説が前提に在りますが)

 

一方ヘプタポッドはそもそもその全てを同一に思考している訳です。

 

 

だから、人間は確定していない未来は分岐する可能性があり、予測が出来ないと。

 

しかしヘプタポッドは過去現在未来を一つのレイヤーに重ねて、それをすべて透過して一点で観ているような感覚なんだと思います。

 

だから、その感覚を言語を通じて理解したルイーズには、人間的な、不確定要素としての未来の時制の感覚が取り払われたので未来が見える、というより未来を思い出せるようになったんだと、僕はそう理解しました。

 

ここもちょっと斬新というか、新鮮な感覚覚えました。

SFでは人気の、未来の世界が分岐するというパラレルワールド論にはいかず、そこに在るものはそれだけが在るという事ですし。

 

 

 

言語についてや、未来視に関しては正直これ以上あんまり上手く説明できないですけどね……。

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ルイーズが未来視を得てからのクライマックスで、その一瞬一瞬を楽しんで生きていくというメッセージで物語が締めくくられるのがとてつもなく良いです。

 

だってここまで複雑な事やっておいて、最終的に人生の話に帰結するんだぞ!?

 

良い映画だなおい!!

 

 

・SFとして

 

この作品は、異星人と出会う系作品(なんていうジャンル名なのか分からん)に分けられると思います。

未知との遭遇』だったり、冒頭で書いた『コンタクト』だったり、その辺りです。

遠巻きには『2001年宇宙の旅』『インターステラー』もそうなんですが。

 

 

 

でも、この作品がそれらのSFと違うのって、軸が人類の結束という点に置かれてるところだと個人的には思いました。

 

ヘプタポッドは、将来人類に助けてもらうために、人類に武器(自分達の用いる言語=未来視)を与えにやってくるという構造ですので、

そもそも上記の作品群と趣向がだいぶ違う気がします。

 

知識を与えるとかは『2001年~』『コンタクト』あたりと同じですが、そもそもの目的が自分達を助けてもらうためにやって来てるっていうのが地味に斬新。

 

というかこの設定は『第九地区』とかに近いニュアンスを感じました。

で、そのために人類結束してお願い!って感じで彼らはメッセージを発信すると。

 

人類を結束させるために、ヘプタポッドはヒントを12隻のUFOそれぞれに分散させたりいじわるな事もやってますし。

 

こういうタイプの異星人の設定はホント面白いと思いました。

 

ヘプタポッドかわいい。

 

 

 

 

うん。

いや、うん、かわいいだろぶっとばすぞ。

かわいいだろ。

 

実際ヘプタポッドの片方が死んだときは胸がぎゅっとなっただろぶっとばすぞ。

 

 

SFとして新鮮さもしっかり盛り込まれてると思いました。

そして上記の叙述トリックや、そのテーマ性も含めるとやっぱりこれはかなりの良作だと改めて思います。

 

 

 

・その他適当に感想

 

ジェレミーレナーの演技ホント良かったです。

物理学者っぽさをそれとなく匂わせるような演技というか。

ただしステレオタイプにはなってないあの絶妙さ。

 

そう言えばUFO内では物理法則が一部無視されてるのとか、あの辺りの解説とかが無いのも面白いですね。

あくまで物語の主軸に関係のある部分だけ情報を出していく作りです。

だから観やすいのかもしれません。

 

あとBGMが良い。

 

なんかよく分かんない感じのBGMが多くて面白かったです。

サントラは多分買わないけど。

 

大体の感想はこんなところですかね。

 

 

 

■まとめ

 

SF映画というカテゴリーではありますが、本作はテーマとして最終的にルイーズの

人生観に帰結する面白い作りになっているので、SF苦手気味な人でも楽しめるんじゃないかと思います。

 

とにかく観た方が絶対に良い映画だと思います。

 

物語が本格的に動き出すまでが少し長く感じるかもしれませんが、それまでに描かれるものはとても重要な要素ばっかりなので、それらが最後に繋がっていく感覚はこの手の映画ならではの楽しさだと思います。

 

とにかくオススメです。

 

ではまた。