趣味と向き合う日々

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藁の楯(2013年・日本) 初見バレあり感想 

邦画の記事ってこれが初めてになるんですかね。

先に書いておきますが僕は所謂邦画アンチでは無いです。

 

今まで邦画の記事を書いてないのはたまたまなだけなんです。

邦画も良く観るし、好きな映画もいっぱいあります。

 

台風クラブ』とか『麻雀放浪記』とか『リターナー』とか……。

 

とにかく、映画は国で判断して観る事はあまりなくて、とにかく観てみたいっていうのを観てるだけのスタンスです(インド映画だけは身構えてしまう)。

 

なんでこんな前置きをするかというと今回めっちゃ荒れそうだからです。

 

マジでこの映画、いや、お前これ、マジか。

 

いつも初見記事は映画観てすぐ書き始めるんですね。

で、他の方のレビューとかは自分の記事を書き終えてしばらくしてから読ませて頂いて楽しむって感じでやってるんです。

だから今回もその方式で書いてますが、

 

多分この映画くっっっっっそ評価低いだろ!!

 

いやだって、これは……。

 

ただ、詳しくは感想の項目で書くにしろ全てが全てクソって訳でも無かったです。

 

とにかく、記事書きます。

 

※ちなみに上の前書きで「観てからすぐ書く」とか書いてますが、ここから先はまる一日たってから書いてます。

バカか。

 

 

藁の楯

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youtu.be

 

 

もうねいきなりだけどこの映画藤原竜也だけで保ってるようなもんだわ!!

 

感想書いていきます。

 

 

 

■あらすじ

 

8年前に少女殺害の罪で逮捕され、その後仮出所中だった清丸国秀は、資産家の蜷川隆興の孫娘を強姦して殺害、逃走した。

 

蜷川は新聞の一面を初めとする大口広告枠やネット上で削除不可能なHPを立ち上げるなどして「清丸を殺した者には10億出す」と告知。

 

それを受けて、清丸を匿っていた中国マフィアのボスが清丸を殺害しようとするも失敗。

この出来事に恐れをなした清丸は保護目的の為自ら福岡県警に出頭する。

 

警視庁警護課所属のSPである銘苅一基と白岩篤子、警視庁捜査第一課の刑事である奥村武と神箸正樹、そして福岡県警の関谷賢示の五人は清丸移送メンバーとして、清丸の命を護りながら警視庁を目指すことになる。

 

移送メンバーの敵は一億二千万人の日本国民だった。

 

上が僕が書いたあらすじ。

 

こんなもん読む必要ないよ。

 

僕がこの映画観てみたいと思ったのはあらすじがあまりにも魅力的だったからです。

ウィキペディアのやつすらも。

 

それがこれ↓

 

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元・経団連会長である経済界の大物・蜷川隆興の孫娘が、清丸国秀によって殺害された。

隆興は逃亡中の清丸を殺すために、全国紙の全面広告(裏から手を回して不可能な広告を載せた)や消せないとされるインターネットサイトを通じ、「清丸を殺した者に懸賞金10億円を出す」と発表、全国民に対して清丸殺害の協力を依頼した。条件は「一、清丸国秀に対する殺人罪もしくは傷害致死で有罪を受けた者。複数可」「二、国家の許可を持って清丸国秀を殺害した者」であった。

福岡で潜伏していた清丸は匿ってもらっていた人物に殺されそうになり、恐れをなして警察に出頭した。

警察庁の上層部は、福岡⇔東京の清丸移送に厳重な警護(SP)をつける。警護には警視庁警護課第4係の銘苅一基警部補と、同じく第3係の女性SPの白岩篤子巡査部長[2]が選ばれた。また、警視庁捜査一課の刑事である奥村武警部補と神箸正樹巡査部長も同行し福岡に発った。

福岡に着いた警視庁の護送メンバーは、清丸が留置場で警察官に襲われて手当てを受けている病院にかけつけ、福岡県警の護送メンバーである関谷賢示巡査部長と合流し、清丸本人と対面、護送が始まる。大量の機動隊もつけられるが、逆に彼らをも敵にまわす可能性のある懸賞額であった。

高速から新幹線、一般道と転々と手段がかわるが、次々と狙う人々が出てきて、場所が特定されているのであった。

 

引用元:藁の楯 - Wikipedia

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ぜってえ面白いじゃんこれ。

 

 

 

■感想

先に良いなぁとおもったところ、後に悪いなぁと思ったところ書きます。

ちなみに原作小説は読んだこと無いです。

 

 

・GOOD

 

トーリーの進み方がとても良かったと思います。

全体的にテンポが良く、どんどん話も展開していくので楽しめました。

 

福岡をスタートする際に飛行機が使えなくなり、大規模な警察の部隊を編成し、そこで問題が発生し、続いて移動手段を新幹線に移し、でもまた問題発生、最後は一般人の車両を使うといった感じでした。

 

この流れの合間にも色々あったりしますが、イベントの展開速度はかなり良い感じだと思いました。

 

だってここに関しては一切ダレる事が無いんだぞ?

 

トーリーの緩急の付け方ってきっと難しいんだろうなっていつも色んな映画観ながら思ってるんですが、この映画はきっと本当にその部分が良く作られてると思いました。

 

あと藤原竜也の演技。

 

わりとマジでこの人の演技を以ってこの映画は成り立つというか、そのくらい凄まじいものがありました。

 

主人公を演じた大沢たかおさんも後半の演技は凄かったと思います。

鬼気迫る感じとかね。

 

でも藤原竜也が圧倒的だと思いました。

 

藤原竜也は「クズばかり演じてたらこの手の役しか来なくなった」とインタビューで言ってますが、この手の役を演じられる役者が日本には他に居ないだけって話だと思うんですよね。

 

それぐらい圧倒的です。

マジで見所です。

 

 

なにより作品のテーマ性が凄いと思います。

本質的な部分を考えれば日本人の「働き方」に対する意識、とかそういうところまで掘り下げ訴えかけられるようなテーマです。

 

 

・BAD

 

藤原竜也以外の役者マジで何考えてこんな演技したんだよ!!!

 

いや役者のせいじゃないかもしれない。

台詞そのものがそもそもだいぶ酷い。

 

誰だ!!

戦犯は誰なんだ!!!

 

監督か?

演出家か?

役者たちか?

 

とにかくこの手の映画にそんな演技されたら物語に入り込めないだろが!!

ふざけてんのかよ。

 

まず上でも書いた通り、この映画はあらすじに凄い魅力を感じたんですね。

というかこの作品は完全に設定、シチュエーションで全体を牽引していくタイプの映画の形式だと思います。

これを更に押し上げた究極形がモキュメンタリーだと個人的には思っていて。

 

つまり、「こういう事が起きたら、人々はどう行動をするんだろう」とか、

「こういう事件の中で登場人物達はどう変わっていくのか」とか、

そう言う部分が楽しさ、面白さの最大の要素になってくると思うんです。

 

という事は、その中に出てくるキャラクターに対して強烈すぎる個性とかキャラクター性は要らないし求められてないと思うんです。

何故ならシチュエーションがキャラをたててくれるから。

 

いい例がシチュエーションホラー映画の『CUBE』ですよ。

あの映画の登場人物は最低限の個性しか与えられてないんです。

そのキャラのバックグラウンドやどんな人物かが語られる程度。

 

だから、下手したら身の回りにいそうなリアルな人物描写がなされていて、そんな彼らが変化していく様も強烈なインパクトを持たせられていたと思います。

 

この映画の登場人物はなんなんだよ。

 

台詞の一つ一つが徹底的に漫画くさすぎます。

狙ってないとしたら終わってるし狙ってやってるのだとしたらもっとひどい。

何も良い結果を生んでないですよ。

 

「言う奴いるかよ、本当にいるのかよこんな事言う奴」ってひたすら思い続けましたよ。

 

この映画は映画的なリアリティ映画的な演出をなされたキャラクターを全く描けていません。

 

だからひとたび登場人物の誰かがセリフを言うたびに冷めるし、登場人物に思い入れなんかわきもしませんでした。

 

この手の映画、シチュエーション先行の映画にも色々ありますが、その中で一番チョイスしてはいけないキャラクターの描き方をしていました。

 

こいつが死ぬ時とかも、セリフが全てを台無しにしてます。

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なんか言うんですよ。

撃たれて死ぬまでの間に。

何故か医療班も治療止めちゃって。

 

「清丸護る価値あんのか……」みたいな事を長々と。

 

この後の、意識が朦朧とし始めてからのセリフは良かったと思うんです。

「俺が居なくなったら母ちゃんが一人になっちまうじゃねえか」っていうセリフです。

 

このセリフだけの方が良くないっすか????

 

このキャラクターは映画前半からどんな人物なのかをくどいくらいに描かれていて、というか所謂掻き回しポジのキャラにしようとしてたっぽいですが、

とにかく問題児っぽい感じで描かれていたんです。

 

だからこそ、死に際に「俺が居なくなったら~」のセリフだけのほうがキャラが引き立つと思いませんか。

僕はそう思いましたよ。

清丸云々のセリフ始まった時本気で冷めましたよ。

ここまで印象付け続けてきたそれをまだやんのかよって。

 

 

 

 

台詞が酷いってだけなら最悪まだいいかもしれないギリギリのラインだったかもしれません。

が、それに合わせて演技そのものもだいぶダメでした。

 

漫画的すぎるんですよ、演技の一つ一つが。

 

逆に漫画的、非現実的で良かったのは上の良い点で書いた藤原竜也です。

というかこの映画において漫画的で許されるのは藤原竜也の演じる清丸だけだと思います。

 

清丸は逆に非現実的に徹底的に軸を持っていくからこそ引き立つタイプのキャラだと思いました。

でも他のキャラで漫画的すぎる演技をやっちゃダメでしょ。

 

登場人物同士の掛け合いに一切のリアリティがないですもん。

フィクション感を消すどころか全て水増しされたかのような演技の数々ですよ。

 

とにかくこのセリフと演技のせいでホントにきついものがある。

 

後半、松嶋菜々子演じる白岩がフェードアウトして、銘苅と清丸の二人だけになるところから急激にこれが改善されていくというのが何とも……。

 

このシーンはもうクライマックスですし。

結局突き詰めると、五人のキャラクターにフォーカスを当てる必要性すらなかった、というか五人もメインキャラ要らなかったって事ですらあると思いますよ。

 

とにかく、ただ”演技”をやっているだけにしか見えません。

ちゃんとキャラクターの役割を理解して演じる事が出来ていたのって藤原竜也だけだと思います。

 

 

 

あとアクションシーン、これも何とも言えんぞ。

 

いや、すげえ!!って思ったシーンも沢山あったんですけどね。

でも対人アクションシーンの殆どはやっぱりどこか大げさに感じますし。

 

これも突き詰めると漫画的というか、シチュエーションにそぐわない描写の数々に帰結してるように思います。

 

つまるところ、テーマに対して描かれたものがことごとくミスマッチなんですよ。

 

終始感じるチグハグ感はもっとなんとかなったと思います。

このチグハグ感のせいで楽しめた部分すら楽しめないという事態に。

 

 

ただ、これだけじゃないですよ。

大きく捉えるとチグハグ感に帰結しますが細かい部分でも粗が目立つというか、勢いだけで進めようとしている部分もありました。

 

そういう手法がハマる作品っていうのはもちろんありますが、本作はそういうのはやっちゃダメでしょうよ。

 

 

例えば検問のシーンとか。

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このシーン、検問所で探しているのは"清丸の人質にされた"ことになっている銘苅と白岩の二人です。

当然検問所にはこの二人の顔は割れているはずです。

 

しかし検問所のおっさんはこのタクシーの運転手の格好をしただけの白岩を通してしまいます。

後ろには銘苅もほぼそのままの格好で客を演じて搭乗してます。

 

 

日本の検問舐めてんじゃねえぞ!!!!!

 

どう考えても無理だろ!!

それで通り抜けるのは無茶だろ!!

 

「やっぱり、検問所は客を乗せたタクシーに弱い」とかそんなニュアンスの事白岩がどや顔で言いますがそれ以前の問題!!!

 

 

マジでこんなレベルの、ちょっとでも頭を冷やして冷静に考えれば「いくら映画でもこれは流石におかしい」って気づけるシーンが他にもわんさかですよ。

 

防弾チョッキはみんな着用しておけって!!

 

白岩も神箸も死因が銃撃って……。

特に白岩はなんで防弾チョッキ着用してなかったのかマジで疑問しかないんですが。

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銘苅が序盤防弾チョッキのおかげで一命をとりとめてるのが笑える。

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実はギャグムービーだったりするのか。

監督的にありえそうな点がまた……。

 

 

 

 

他にも色々書きたいことがありますがありすぎて身がもちませんよ。

 

 

■まとめ

 

全体に渡って続くチグハグ感。あまりにもリアリティの無い人物描写。

 

こんなの初めてだぞ。

 

ただ、藤原竜也演じる清丸は本当に良い。

日本の映画でこういうキャラを観られた事は嬉しいですし、なにより全てにおいて完璧に近い位置にいる唯一のキャラです。

 

とにかく、色んな意味で凄い映画でしたよ。

 

長々と批判的な内容を書いてますが、僕は映画素人です。

作った事も無ければ批評をまともにやった事も無いです。

このブログの記事も批評とかじゃなくあくまで「感想」ですし。

素人が観るとこういう感じになるんですよっていうのを押し出した内容をテーマにしていつも書いてますし。

 

が、そんな映画素人の僕ですら!!

殆どの映画を楽しく観られた僕ですら!!

一歩引いてしまったこの映画のパワーだよ!!!

 

 

だからこそ、ある意味でお勧めしたいとも思いました。

僕はこう感じたんですが、他の方はどう感じたのか、どう思うのか、どう思ったのか。

それが本当に気になりました。

 

だから、そう言う意味では良い映画ですよね。

映画の楽しみって観終わった後にもあると思いますし。

 

 

この映画が本当に好きっていう人には本当に申し訳ないですが、僕はこの映画そんなに好きじゃないです。

ただ、藤原竜也の怪演のインパクトが本当に凄まじいので、それ目当てにまた観たくなる事はあるとは思います。

 

 

 

こんなところですかね。

 

ではまた。

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