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エイリアン: コヴェナント(2017年・アメリカ) バレあり感想 色々な意味で”アナザー”な感じのエイリアンって印象

世間的に賛否両論オブ賛否両論らしいですよ。

ホントに真っ二つくらいの勢いで評価が分かれていると。

 

そんな評価を事前に聞きつつも本日観てきました。

 

 

 

『エイリアン: コヴェナント』(原題:Alien: Covenant)

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■あらすじ

 

2104年。

植民船コヴェナントは、調査やシミュレーションに何年も費やし、最高の移住先として選定された惑星「オガリエ6」に向けて航路を進めていた。

 

コヴェナントにはクルーたちを始め、2000人にも及ぶ入植者と1000を超える数の胎芽を載せていた。

乗員が皆コールドスリープについている間、アンドロイドのウォルターが船体の管理を行っていた。

 

オガリエ6まであと7年と4ヶ月の位置まで航路を進んだ頃、船は突如発生したニュートリノの衝撃波を受け被害が発生する。

緊急覚醒した乗員たちは懸命に事態に対処するが、船長のブランソンと十数名に及ぶ乗員を失ってしまう。

 

悲しみに暮れる間もなく、新船長のオラムの命令で急ぎ船体の修理にかかるクルーたち。

その最中、突如謎の信号をクルーの一人が偶然受信する。

その信号を解析すると、それはただのノイズでは無くジョン・デンバー作の名曲「故郷に帰りたい(カントリーロード)」だった。

更に解析するとそれは、オガリエ6よりも遥かに近く、居住適正も高い惑星から発信されている事が分かった。

 

コヴェナントは進路をこの未知の惑星に向け、前船長の妻であるダニエルズを初めとしたメンバーで構成された探索隊を出す。

 

惑星の大気は呼吸に最適であり、クルーたちはヘルメットも無しに惑星探査を始めた。

途中、生態系の調査の為に、カリンとレドワードは隊列を抜ける。

 

 

暫く進むと、クルーたちは不時着したのであろう巨大な宇宙船を発見する。

その船の中には、10年ほど前に行方不明となったプロメテウス号の化学主任エリザベスのドッグタグや宇宙服が散乱していた。

 

だが、この謎の宇宙船の探索を終える頃、船内探索に参加していたハレットと、カリンに同行していたレドワードの身に異変が起こり始める。

 

この二人は、気づかない内に黒い胞子のようなものを吸い込んでいた。

カリンはレドワードを連れ急いで探査艇に引き返す。

探査艇ではファリスが船体の修理を行っており、二人は容態がどんどん悪化するレドワードを救急治療室に運び込む。

が、ファリスは二次感染を恐れ、カリンとレドワードを治療室に閉じ込めてしまった。

レドワードは激しく痙攣し、背中から何かを産み落とした後絶命してしまう。

 

そして、レドワードの背中から生み出されたネオモーフはカリンに襲いかかる。

治療室のガラスを突き破り、探査艇内をはい回り今度はファリスもネオモーフに襲われてしまう。

 

その状況を断片的に通信を通して聴いていた探索隊が急いで探査艇に戻るが、ハレットの身にも異変が起こり、口腔からネオモーフを生み出し絶命した。

 

そして探査艇は目の前で爆発炎上してしまった。

 

コヴェナントとの通信も出来ず、探査艇を失ったクルーたちにネオモーフ2匹が襲い掛かる。

だが、突如閃光弾が放たれ、ネオモーフは離散する。

そして謎の人物が現れ、クルー達を巨大な建築物の中へと案内するのだった。

 

 

■感想

ネタバレは随所にちりばめられているぞ。

 

・今作も「創造」がテーマっぽい

 

一応今作は『プロメテウス』の続編という形になる作品です。

同時に『エイリアン』の前日譚的にも思えますが、後述しますがこれは多分厳密には間違いなんじゃないかと。

 

で、その前作プロメテウスは、生物の創造という部分が結構フォーカスされていた作品でした。

序盤のエンジニアさんがDNAばら撒いて人間創るシーンは勿論ですし、

登場する”エイリアン”は完全に新たな生命体です。

何より終盤の展開や、エリザベス博士の体内から生み出された新生物という要素など、

とにかく新しい生命体の創造という点でいろいろ遊んでいた映画でした。

 

そしてキーとなっていたのが黒い謎の液体です。

プロメテウス』では、エンジニアがこの黒い液体を地球にばら撒いて実験しようとしてましたが、この液体が要は生物兵器みたいなものです。

 

で、今作なんですがこの黒い液体の特性をより柔軟に使いこなして、色んなクリーチャーが出てきます。

 

最も今作では品種改良されて胞子みたいなのになったりしてますが。

 

で、この黒い液体を品種改良して上手い具合に使いこなしてるのが、前作の生き残りにしてアンドロイドのデヴィッドです。

 

こいつが黒幕です。

 

今作では、創造というテーマをより明確に打ち出していました。

アンドロイドは何かを創る事を禁じられているのですが、デヴィッドはエリザベス博士との交流や、本人のプログラムに内包されていた柔軟さなんかが影響して創造の魅力に憑りつかれてしまった様子。

 

コヴェナントのクルーたちが見つけ、探査艇を下ろした惑星は実はエンジニアたちの母星だったのですが、『プロメテウス』のラストで飛び立ったエリザベス博士とデヴィッドもこの惑星に10年前に辿り着いていました。

 

コヴェナントのクルーが惑星に降り立ち、デヴィッドに出会う頃には、彼はすっかり生き物創り大好きおじさんになってしまっていました。

 

で、今作の一つのオチというか新設定というか、多分そんなのになると思うんですが、

このデヴィッドによってゼノモーフが生み出されたという事になりました。

 

アンドロイドが新生物の創造主になる、という展開は個人的に結構好きでした。

前作では、「人間を創った生命体」との遭遇を描いていて、

それに対して今作は「人間によって創られた存在が、その領域に踏み込む瞬間」を描いているので、創造というテーマは一貫していながらも見せ方が違います。

 

そして、かつて自分達の作り出した人間という存在に敗北したエンジニアに対して、

自分達の作り出したアンドロイドという存在に今作では人間が敗北します。

 

こう見てみると、どんな物語を描きたかったのか見えてくる気がします。

 

 

ただ序盤で、プロメテウス計画前のデヴィッドが「私を創ったのがあなたなら、あなたは誰に創られたんですか」みたいなことをウェイランドさんに聞いているので、

正直察しが良い人は直ぐにこのデヴィッド君大暴走の展開が予想できてしまうかも。

 

 

 

・過去作と今作の関係、関連性

 

まずこの『エイリアン: コヴェナント』及び『プロメテウス』なんですが、

今のところ初代『エイリアン』以降のシリーズとはパラレルだと個人的に解釈してます。

 

エイリアン第一作目で登場したゼノモーフは、

数千(万かも)年以上前に朽ち果てたエンジニアの乗る宇宙船内に搭載されていたエイリアンエッグから孵化したフェイスハガーが人間に寄生して誕生しました。

 

この時点でもう時系列的に無理があります。

コヴェナントの舞台は2104年ですが、初代エイリアンの舞台は2122年ですし。

 

なので、言うなればアナザーガンダム的な、エヴァンゲリオン新劇場版的なノリの作品と思った方が良い気がします。

 

一方で作風はかなりの部分で旧作を意識しています。

惑星探査からの謎の生物の襲撃、攻防と母船での最終決戦という流れは『エイリアン』をもろに踏襲してますし。

 

アクション的な要素が強く、また複数のクルーたちが次々に戦いの中で命を落としていくという要素なんかは『エイリアン2』的ですね。

クイーンやらローダーやらは勿論出てきませんが。

 

また、後半の展開ではゼノモーフ側の視点に切り替わるシーンがあり、これは『エイリアン3』で一度採用されたものの、あまり好評は得られなかった手法です。

言うなればこれは一種のファンサービスだと思いました。

 

また、他にもアンドロイドの設定や美術設計、更には探査艇のパイロット服なんかまで、過去のエイリアンシリーズを意識した要素をかなり内蔵していました。

 

それでも本作は多分パラレルなんですけどね。

 

 

・完全新規の世界観なのにシリーズを観ている前提で話が進む

 

上記した通り、『プロメテウス』と本作は、いわゆる前日譚では無く一種のリブートだと僕は思ってる訳です。

 

実際『プロメテウス』の時点でもプロモーションの段階ではエイリアン臭をあまり出さず、「人類の起源に迫る」なんつって無駄にミスリードさせたりしてました。

 

これって要は新規開拓狙いだったと思うんですよ。

プロメテウス』で一度色々リセットして、新たに三部作としてシリーズを動かそうとしていたはずです。

 

それを踏まえると『エイリアン: コヴェナント』はかなりどっちつかずな事をやっちゃってます。

 

ウェイランド社やアンドロイドに関する設定や(従来シリーズの)ゼノモーフの設定など、とにかく旧作を知っているからこその驚きや楽しみみたいな要素があまりにも多すぎました。

 

ファンサービスと捉えればそれまでかも知れませんが、

アンドロイド同士の会話のシーンなんて、旧作ファンじゃなかったら逆になんの新鮮味も無いような気がしませんか。

 

上記したオマージュなんかもそうですし。

ここらへんの、どの層に向けた作品なのかがいまいち明確じゃないっていう点が賛否両論という評価に繋がってるように僕は思います。

 

或いは、プロメテウスが興行的にあまり振るわなかった事を踏まえて、舵を取り直した結果こういう作風になってしまったのかも。

 

 

・その他

 

主人公のダニエルズさんが、古き良きクラシックホラームービーのヒロイン宜しく無能感極まりないシーンが多数ありました。

それはそれである種のリスペクトなんですが、そうだと思ったら今度は戦闘モード全開で暴言を吐きながら銃を乱射したりと、結構ぶれた描かれ方をしてます。

 

また、複数のキャラクターが登場しますが、『エイリアン2』のように各員それなりの見せ場やキャラ立ちがあるという事もほとんどなかったのは少し残念でした。

 

ただ、ゼノモーフ始め登場するクリーチャーの描かれ方はおそらく最高傑作レベルなんじゃないでしょうか。

ホントすっごく気持ち悪くて最高よ。

 

 

■まとめ

 

なんか一部ボロクソ言ったような気もしますが、僕はこの映画かなり好きです。

 

単純に観賞後の満足度が高かったんですよね。

「あのシーンは○○のオマージュか!」とか「このキャラは生き残れるのかどうか」みたいな、そういう楽しみ方が出来る映画です。

 

ただやっぱり印象としては1と2を統合して、一部を今風の描き方にした作品って感じです。

如何にもなエイリアン的な部分があれば、良くも悪くも過去のエイリアンとは違うなっていう部分もあったり。

 

 

少なくとも僕は普通に『プロメテウス』以上に今作は楽しめました。

 

何よりもラストシーンがさ!!!

このラストシーンの絶望感がさぁ!!

 

デヴィッドに乗っ取られたコヴェナント号と生き残った乗員たちがどうなってしまうのか、色々と予想したくなります。

ホントにこれは良いラストシーンでした。

 

 

 

ただ、それを踏まえても続編のストーリーがどうなるかはもう本当にわかりませんね……。

 

創造という部分でテーマは今作までは一貫してましたが、

プロメテウスで張った伏線を今作でデヴィッドがぶん投げてしまったので、

次は何を描く予定なのかわりと不安ですよ。

 

 

それらも含めて次回作を期待しながら待ちます。

ではまた。