ピッチブラック(2000年/アメリカ) ネタバレあり感想 クリーチャーのデザインが異形極まっててキモかっこいいSFサバイバルホラー。
グロはほどほどに、サバイバル要素とクリーチャーのキモかっこよさとSFらしさがたっぷりな一作。
『ピッチブラック』
(PITCH BLACK)
以下、ネタバレを含む感想記事です。
■ストーリー
不時着した未知の惑星でサバイバル。
■感想
SFホラー風味のサバイバル映画でした。
恒星間飛行していた宇宙船が、原因不明のトラブルで不時着した惑星には太陽が三つあり、日食が起こる時以外はずっと昼が続きます。
船には旅行者の他に、殺人で捕らえられた男リディック(ヴィン・ディーゼル)が移送のために乗船していました。
前半では、生き残った人々がこの道の惑星からどうやって脱出するかを、リディックという危険な存在をチラつかせながら描いていた、
と思いきやすぐにリディックなんかよりも遥かに凶悪な現地の生物の存在が示唆されて、人類VS現地の凶暴な生物の構図が完成します。
バカでかい生物の化石が転がっている太陽が三つある惑星で、生き残った人々がリディックという危険と対峙しつつ脱出を目指す映画、という方向性もかなり面白そうなんですが、早々にそれを捨てるのは勿体無さを覚えるレベルです。
もっとこのシチュエーションを利用してジワジワ盛り上げてくれても良かった気がします。
人類未踏の地かと思いきや、基地が見つかった事で22年前にも人類がこの惑星に足を踏み入れていたことが割と早めに発覚。
大量の人骨が散らばる地下空洞や、生活用品や脱出用のシャトルが遺されたままで、現地の生物の餌食になった事が察せます。
シャトルもあるしエネルギーの工面もなんとかなりそうだぞという事で、早々に脱出の目途がたつんですが、その間にも少しづつ、一歩一歩確実に犠牲者を出す人類。
誰がどこで犠牲になるのか読めないというサバイバル感はもちろん味わえるんですが、この映画は子供から優先的に脱落していくので驚きました。容赦なさすぎじゃないかい?
それと、基本的に現地の生物に捕食されて皆どんどん死んでいくんですが、一人だけ誤射されて死んでしまったおっさんが居たのが凄く不憫。
当所は頼りになる警察官風だったジョンズは実は警察では無く賞金稼ぎで、しかもリディックと決闘して負けた後食われてリタイアするし、ヒロインというか主役であろうフライちゃんも終盤でリディックを迎えに行った末に死亡してしまいます。
最終的に生き残る人々が犯罪者のリディックとイスラムおじさんと男装女子というラインナップ。予想外すぎる。
リディックに関しては続編がもう彼を主役にしているので生き残るのは分かってしまっていたんですが、それにしてもフライちゃん死亡は驚きました。
コウモリの大群みたいなのに、上半身と下半身に引き裂かれた状態で「わぁぁ」みたいな感じで連れ去られる女性のシーンはギリギリ笑いの感情が勝りました。
なんなのあのシュールすぎる運ばれ方。
現地の宇宙生物の異形っぷりが最高です。
ゼノモーフとギャオスを足して割ったみたいな感じで気味悪いし強いし群れながら襲ってくるしで、SFホラーのクリーチャーの中でも、個人的には上位に来るくらい魅力を感じるタイプでした。
そんな宇宙生物さん、太陽が三つもある星で何故か夜行性という謎すぎる習性を持っていて、普段は暗い地下空洞に身を潜め、惑星の日食が始まったタイミングでようやく外に出られるそうです。
劇中でも日食と共に地下から大量にわき出てくるシーンがありました。
不気味さと中二的なかっこよさの融合した凄く脳に来るシーンで好きです。
ヴィン・ディーゼルの出世作が本作という事で、まだまだ筋肉枠としては認識されてなかったからなのか分かりませんが、ともかく彼の戦闘シーンはあまり描かれませんでした。
一匹だけ無様に腹をナイフで割かれた後に首の骨をぶち折られて絶命した宇宙生物がいましたが、多分それ以外は殆どリディックは攻撃はしてなかったと思います。
逆に新鮮。
劇中通して、ほとんどのシーンに劇伴は無く、三つの太陽の設定から色調もかなり独特で、前述の巨大生物の白骨体なんかも相まって未知の惑星に降り立ってしまった感が半端じゃないです。
■〆
個人評価:★★★☆☆
未知の惑星で繰り広げられるSFサバイバル。
肝心のクリーチャーのデザインが最高にキモかっこいいのでそれだけでも個人的には満足してるんですが、劇中搭乗する機器のデザインが絶妙に古臭い未来感漂ってるところも好きだったりします。
2000年って20年前なんですね。
マジか。わぁぁ(上半身と下半身が引き裂かれどこかへ連れ去られる)
続編は完全にリディックの物語として作られているっぽいですね。
この映画は以下の配信サービスで視聴できます。
ではまた。