趣味と向き合う日々

映画やドラマなどの映像作品を中心に気ままに書いています。

ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018年・アメリカ) バレあり感想  シリーズ中で一番テーマ性が強い作風でした

 

シリーズ全体では五作目になりますが、新三部作としては二作目に当たる本作。

 

三部作映画の二作目ってわりとこう、最終作への繋ぎを意識した内容のものが多いように思うんですが、

本作はむしろ「次どうするんだこれ」って思わざるを得ない形で幕を閉じました。

シリーズでは初めてのパターン。

 

 

ジュラシック・ワールド/炎の王国』(Jurassic World: Fallen Kingdom)

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https://eiga.com/movie/86390

 www.youtube.com

 

 Introduction

 

ジュラシックワールドでの出来事から三年の月日が経った。

イスラ・ヌラブル島の火山活動が活発になり、島に残っていた恐竜達は絶滅の危機に立たされていた。

これに対してアメリカ政府は静観し、自然に任せる事を決定。

 

恐竜の保護を訴え活動していたクレアはこの決定に落胆する。

だが彼女の元に、ジュラシックパークの創設者であるハモンドの旧友であるロックウッドから連絡が入る。

 

ロックウッド邸へと向かうクレア。

そこでロックウッド財団の運営責任者であるミルズから島にいる恐竜の保護に協力してほしいと頼まれる。

クレアはこれを快諾した。

 

クレアは恐竜保護グループの仲間であるジア、フランクリン、そしてヴェロキラプトルの育ての親であるオーウェンと共に島へと向かった。

 

 

感想

 

 

洋画の邦題付ける担当の人も苦労してるんだろうな

 

邦題が『炎の王国』ってなってますが、原題では『fallen kingdom』です。

本国アメリカの人達は特に違和感は無いというか色々繋がるサブタイトルなので納得でしょうが、

原題知らないと『マッドマックス/サンダードーム』みたいなタイプの違和感を覚えるかも。あれは原題も同じだけど。

 

炎要素最初だけじゃんみたいな。

 

本作は主に島でのパートと、ロックウッド邸でのパートという前後構成になっていました。

割合的には4:6くらいでパートが分かれてます。

映画の雰囲気も前後で結構変わってましたね。

 

ただたしかに前半に限れば炎要素(というか噴火ですが)がこれでもかってくらい出てきます。

 

 

 

前半と後半で映画の雰囲気が様変わり

 

前半は前作ジュラシック・ワールドの空気感をそのまま持ち込んでいて、情景も含め続編らしい雰囲気です。

崩壊する島と恐竜のマッチ感が堪らなく、観ているだけで楽しいパートでもあります。

 

 

映画冒頭の、傭兵集団が海に沈むインドミナスレックスの骨を回収するパートが一番過去作っぽい雰囲気でした。

雨が降るジャングルで次々と恐竜が襲い掛かってくるという正に様式美。

モササウルスも良い仕事したし。

 

 

ただ、島にある火山が爆発寸前、というかもうマグマをお漏らしし始めいるので結構急ピッチで話が進んでいきます。

その為、廃墟になったパークを探索みたいな要素は特になく、ひたすら溶岩や噴出物、そして肉食恐竜から逃げまくります。

そもそも、もっと早い段階で島に向かってればそんな事にはならなかったんじゃ……。

 

色々と印象に残るシーンも多いです。

噴流に包まれながら島に取り残されて輸送船を見送るブラキオサウルスとか、すっごく切ない。

 

 

 

一方の後半では、雰囲気が一変してモンスターホラーみたいな感じになります。

シリーズの過去作品でも定番の、恐竜とのかくれんぼ要素を前面に出してきた感じ。

そして恐竜バトルも前作とは異なるスタンスで導入してます。

 

前作のインドミナスレックスの暴れっぷりを続編で超えるのではなく、別ベクトルで描いて差別化してきました。

 

 

この雰囲気の変わり方はワールド・ウォーZなんかに似ていると思います。

 

ワールド・ウォーZも前半はパニックアクションで情景も色々と壮大でしたが、後半では一変して施設内でジワジワと手に汗握らせようとしてくる系の展開になります。

 

 

後半の、恐竜が人間の居住エリアに来るって流れは第二作目『ロスト・ワールド』

ジュラシック・ワールドが続編でありながら第一作目のリメイクの様な要素も強いですし。その流れを汲んでそう。

もっとも『ロスト・ワールド』と本作にはそれ以外の類似点はあまり無いですが。

 

 

 

 

ラプトル賢すぎ問題

 

本作のボス枠もジュラシック・ワールド同様に、ウー博士がウキウキで造り出したキメラ恐竜です。

その名もインドラプトル。

ちょっとそのネーミングセンスは俺には判らない。

 

 

インドラプトルはボス枠であり、物語のキーキャラクターでもあります。

 

ロックウッド財団のミルズは、ボスのロックウッドに隠れてウー博士とこっそり最強恐竜を造り出そうとしていました。

 

オーウェンたちを島に向かわせたのもこのインドくんを最終強化する為にヴェロキラプトルのブルーが必要だったためでした。

 

 

賢い上に感覚も鋭い事に定評のあるヴェロキラプトルがベースとなっている為、凄まじい能力を備えた恐竜として生み出されたインドラプトル。

 

ただ寝たふりをして檻にホイホイ入ってきた人間相手に釣りに興じたり、

それを見てニヤついたり、

ロックウッド邸の窓のドアノブを開けたり

ベッドの中で震えるクローンロリ少女相手にじりじり恐怖感を与えてあげたりと、

賢い恐竜とかそういう領域を超えてました。

 

なんというか、これはもう13日の金曜日のジェイソンとか『エイリアン』のゼノモーフとか、そっちの領域の存在って感じがします。

 

 

前作のボス枠が脳筋パワータイプ(こっちも結構賢いんですけどね)のインドミナスレックス

だったので、差別化の意味も込めてこのようなタイプの恐竜に設定したのかもしれません。

 

その為ジュラシック・パークのこれまでの恐竜感とはかなり違ったキャラクター性を感じました。

 

 

 

 

という話は前座で、むしろブルーちゃん賢すぎ問題が本題。

 

 

 

前作では、調教されたブルー達ヴェロキラプトルは、あくまで調教されたから人間と連携が取れたり状況判断をより正確に行えるかのような描写に留めていました。

基本知能は高いラプトルですが、そこまで行き過ぎて無かったと思います。

カラス調教してもこんな感じになるだろうな、みたいなリアリティのある感じ。

 

 

しかし今作のブルーは本当に賢くて良い子。

 

本作では主人公オーウェンとブルーの絆をより重要な要素として濃く描いています。

そこに付随してブルーを更に引き立たせる必要があったのか、

ブルーは他のヴェロキラプトルより数段賢いかのように描かれていました。

 

オーウェンと生後間もないラプトル達との交流を撮影した動画みたいなのが劇中ちょくちょく登場するんですが、この中でブルーが特別なラプトルである事を強調していたりしますし。

他のこどもラプトルが、オーウェンが弱ったような演技をすると途端に襲いにかかるのに対してブルーは寄り添おうとしていたり。

あと単純にこの動画ほっこりして良いよね。

 

前作でオーウェンがラプトルに銃口を向ける人間に対して「銃で撃ったら人間を信用しなくなる」という事を言っていました。

つまり動物的な信頼関係で成り立っているとオーウェンは考えていたという事だと思うんですが、

実際本作で銃撃されても、オーウェンに対して敵意を持つことは無くちゃんと関係性が維持できていたりします。

 

最後、インドなんちゃらを仕留めた後オーウェン「一緒に来い」と言われて嬉しそうな反応を一瞬見せたりとか、

人間っぽいキャラクター性が与えられている気がします。

 

 

インドラプトルの賢さに隠れがちですが、

デザインされたインドラプトルと違って、他のラプトル同様ノーマルに生み出されたブルーの方が結果的にヤバい奴なんじゃないかと。

だからこそウー博士に狙われたわけですけど。

 

ブルーのキャラクター性がより強調された一方で、前作とのキャラの違いもちょっと生まれてしまいましたけどね。

 

 

 

 

今作はテーマの部分がより明確に描かれていると思う

 

第一作ジュラシック・パークでマルコム博士が発した「生命は必ず道を見つける」というセリフ。

これはそのまま映画のテーマでもありました。

それに付随して、人の業やエゴが何を引き起こすかみたいな部分もシリーズ通して描かれています。

技術の進歩に人類は飲まれてませんか?みたいな。

 

 

本作はこのテーマをより前面に出してきたように思います。

これまでの作品でも根底にはこのテーマを持たせていましたが、あくまでメインの部分は恐竜パニック要素にあったと思います。

 

ところが本作はこのテーマの部分の比率がかなり高まっていて、これまでのシリーズとは明らかに血色が違うと思いました。

 

これまでのシリーズ作品ではテーマの部分がそのままオチのシーンとして描かれていました。

前作ジュラシック・ワールドで言えば、人間が去った後の島で自由に恐竜たちが生きていく事を思わせる描写がラストシーンでした。

 

一方本作では、キャラクターの部分からもアプローチをかけています。

 

本作にはクローン人間のメイシーという女の子が登場します。

彼女の出自は映画後半で明かされますが、このメイシーを通して映画のテーマを明確に描写しているのが本作の特徴の一つなのかなと思います。

 

キャラクターとしてじっくり人間らしさを見せた上で、後半彼女が人工物、クローンである事を彼女自身が初めて知り、

しかしそれでも自分も生命がある事に変わりはないという前向きな姿勢を見せるところまで描いています。

生命のポジティブさを彼女を通して描いているんだと思いました。

 

その結果、最後には恐竜たちが人間の居住する世界に解き放たれることになる訳ですが。 

 

また、崩壊する島から恐竜を救い出すというストーリーラインですが、

クレアがミルズの提案に乗らなければ、恐竜たちは島でそのまま全滅することになっていました。

 

ところが、「クローンでも生命に変わりはない」というクレアの考えで保護は実行されて、

結果的にはそれが人類の世界に恐竜を呼び込むことに繋がっています。

これもクレアのエゴ、というか人類のエゴの部分でテーマに遠回しに引っかかっていて面白い作りになっていると思います。

 

そもそも島にいる恐竜は人類のエゴで生み出されたわけで、

それを仮に見殺しにしても人類のエゴの犠牲者が出たということになります

 クレアは元パークの責任者という事もあってそれを嫌ったんでしょうけど。

 

この辺りが凄い上手い作りになってるなって個人的に思います。

 

 

 

 

 

マルコム博士の"Welcome to the Jurassic World"は痺れるわ 

 

本作にはマルコム博士が再登場しています。

と言ってもメイン級に活躍するわけでは無く、どちらかというとこっちもテーマ性を強調する語り部的ポジションでの登場ですが。

 

映画冒頭では、火山が活性化し島にいる恐竜が全滅するかもしれないので保護するかどうか議論するシーンが描かれ、そこでマルコム博士は人の業に関して語っています。

結構難しい感じの事を言っていますが、要は「人間がなんでも支配できるなんて傲慢だよ」みたいな事を言っているんだと個人的には解釈してます。そうだよね?

 

そして映画の最後、恐竜が人間の世界に解き放たれてからのセリフが"Welcome to the Jurassic World"なんですが

これがもうオチとしては綺麗すぎて凄く良いですね。

自身も恐竜関係で散々な目に遭っているマルコム博士にこれを言わせるのも好きですし。

 

ついでに映画のタイトルにより深い意味も持たせてますしね。

なにせ本作のタイトルがジュラシックワールド/フォールンキングダム』ですからね。

人間の世界に恐竜が降り立ったことで支配構造が変わるかもみたいなね。

 

人間の技術が発達しすぎて、絶滅した生命体を復活させられるまでになり、

その結果人類に危機が訪れるという流れがシリーズ通しての構造で、いよいよそれが本格的にヤバい段階に来たという事をジワジワ感じさせてくれました。

 

あと、何気にシリーズ初の明確なバッドエンドですよねこれ。

 

 

 

 

 

続編は相当作るの難しそうな気がする

 

 

本作のラストで解き放たれた恐竜は7割くらいは草食恐竜でした。

また作中でも言われているようにクローンの寿命はよくわからないみたいです。

種類もそこまで多い訳ではありませんし、同族も雄雌セットで連れ出した訳でもありません。

 ノアの箱舟を見習わんかい。

 

 

なので、マルコム博士のクールなクリフハンガーに水を差すようでアレなんですが、

多分放置してたらそのまま恐竜は全滅する気がします。

 

 

仮にそこら辺が何とかなったとして、

解き放たれたうちの殆どが草食恐竜なので割と現代の軍隊ならすぐに制圧できそうな気がしてしまいます。

 

となると、続編はどういう風につなげるべきなのか相当難しそうな気がします。

人類と恐竜の勢力争いの構図にするには相当無理な形で恐竜側のエースポジションに活躍してもらわないと駄目そうな気がしますし。

 

かと言って「野に放たれた恐竜たちが自滅して数年後」みたいな感じで映画が始まっても「じゃあ2のラストは何だったんよ」みたいなことになりそう。

 

 

 

個人的おもしろポイント&ツッコミポイント

 

ここまであまり触れてませんが、結構ガバガバな部分も多いです。

そこはこの手の映画なのである種の味として楽しむべきところではあるんですけどね。

楽しみましたよ。

 

 

 

・インドミナスレックスの遺骨

 

本作はインドミナスレックスの骨からサンプルを回収するところから映画が始まります。

傭兵二人を乗せた潜水艇が海底に骨格標本なみに綺麗な形で横たわるインドミナスレックスの骨を採取します。

 

でも前作で君モササウルスに丸飲みされてなかったっけ?

 

 

 

 

・助かった!→助かってない!!の流れ

 

インドミナスレックスの骨を回収したところで、傭兵達のところへTレックスが襲来。

他の兵士がヘリに乗り込み飛び立ってしまい、取り残された一人もなんとか必死にヘリを追います。ちなみに潜水艇に乗ってた二人はモササウルスに食われてました。

 

そしてギリギリのところでヘリから吊るされた梯子に捕まり無事に離脱成功!!

傭兵達も大歓喜でBGMも物凄く盛り上げてくれています!

 

そしてヘリが海上に出たところで海中から飛び出してきたモササウルスの餌になってお終い。

 

この展開は分かってたけど正直ワロタ

 

 

 

 

・恐竜用の麻酔を撃ち込まれたオーウェン

 

傭兵の皆さんのせいでブルーが銃撃されてしまい、起こったオーウェンは隊長の恐竜の歯コレクションしたいおじさんに掴み掛ろうとしますが、

恐竜用の麻酔銃で撃ち抜かれあっさり眠りについてしまいます。

 

が、恐らくそれから十数分程度でオーウェンは意識が戻り、

数分足らずで全身の感覚を取り戻し、

気が付けば走り回れるまでになってました。

 

なにその回復力……。

ただ、一応突き刺さって直ぐにジアが麻酔弾を抜き取ってましたしもしかしたらそこまで回ってなかったのかもしれませんが。

 

ちなみにこの麻酔弾、インドラプトルに通用せず、その結果恐竜の歯コレクションしたいおじさんはインドラプトルの餌食になる訳ですが、

これもしかしてインドラプトルが凄いんじゃなくて麻酔が単に効き目弱いだけなのか?

 

 

 

・ド正論ロックウッド爺様

 

ボスであるロックウッド氏に隠れて地下でこそこそ色々やっていたミルズ。

ただ地下の改装具合は明らかに異常ですし、インドラプトルも地下に匿っていました。

ついでにウー博士のラボも地下に設置する始末。

なんなら展示エリアに堂々と地下に向かうエレベーターまで設置(元から地下室はあったんでしょうけど)。

 

そして、こそこそ競売の準備を進めていたミルズですが、ついにロックウッド氏に呼び出され「バレないとでも思ったのか」と説教されてました。

そりゃそうだろ。

 

 

 

パキケファロサウルスの身体で一番硬いのって実は脊椎なんじゃね

 

映画後半に登場し、ブルーに継ぐくらいフィーチャーされていたパキケファロサウルス

頭が死ぬほど硬い事で有名な恐竜ですが、

流石に分厚い石の壁に何度も頭突きさせるのはかわいそう。

というかあんだけ打ち付け続けてたら、頭は大丈夫でも首とか背骨とか先に粉砕されてそう。

 

 

 

・インドラプトルはロリコン

 

いくらなんでもメイシーちゃんの事だけをひたすら狙い過ぎだろ。

 

 

 

・メイシーちゃんも叫び過ぎ

 

インドラプトルに執拗にストーキングされて、

ものっすごい叫びながら自分の部屋まで逃走してベッドインするメイシーちゃん。

自分から呼び込んでいくのか……。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

割とシリアス色が強く、また人間のエゴや発達しすぎた技術、そして生命というテーマを明確に前に押し出していたと思います。

前半こそ今までのシリーズに近い空気感がありますが、後半からはいよいよそれまでとは方向性がかわっていきます。

 

ホラー的な演出はこれまでもありましたが、今作の後半戦はかなりこの部分に注力しているように思いました。

 

また、三部作の二作目という事もあってか、どうしても前作よりは落ち着いているように感じます。

前作はラストは激アツ恐竜プロレスだったのに対し、今作ではジワジワと追い詰めてくるような正にモンスターホラーに出てくる怪物の様なやつからの逃走がメインです。

スケールの面でもロックウッド邸内での出来事になりますし、ちょっとボリュームダウンしてました。

までもインフレして変に最強最悪なのが出てくるよりはアリだと思います。

 

 

前作ジュラシック・ワールドでは、ジュラシックワールドというパークの中、島の中での出来事を描いていて、続く本作では島から人間の世界に舞台がシフトしました。

 

次作はこの流れをどう汲むのか非常に気になります。

相当難しそうな終わり方をしますが、楽しみに待ちたいと思います。

 

 

あと今作のヒロインは多分クレアじゃなくてブルーだよね。

 

 

ではまた。