セントラル・インテリジェンス C.I.A.(2016年・アメリカ) バレあり感想 思春期のトラウマって中々克服できないもんだよね。
かつては高校のヒーローだったものの、今は冴えない会計士の男。
かつてはいじめられっ子だったが、今やCIAの諜報員となった男。
そんな二人の男がメインのコメディ映画です。
『セントラル・インテリジェンス C.I.A.』(Central Intelligence)
■ストーリー
かつて虐めを受けていたデブのロビーは、怒りの筋トレ毎日6時間により20年後には筋骨隆々なドウェイン・ジョンソンへと変貌を遂げていた。
CIAの諜報員になり、ついでに名前もボブ・ストーンへと変えて人生のリセットが完了してそうなのに高校時代に自分を助けてくれた男カルビンを忘れられない。
カルビンはかつて高校ではカーストのトップに居たのにも関わらず、そこから転落を極めすっかりただの人間へとなり下がっていた。
そんな二人が再開して、飲んだり喧嘩したりCIAに追われたり闇取引を阻止したり同窓会で楽しんだりする。
■感想
人生が逆転した二人の男が再開するというシチュエーションの元、本筋となるのは闇取引の阻止という部分になります。
高校時代は正に完璧な男だった主人公カルビンは、高校卒業後どんどん普通の男になっていき、ある日そのカルビンの前に現れるのが元いじめられっ子で現CIAのロビー(ボブ)。
このロビーを演じているのがロック様ことドウェイン・ジョンソンなんですが、元いじめられっ子らしい素行や表情の付け方、話し方が非常に上手くて驚きます。
ロビーは30代になって筋肉モリモリになっても普段から若干テンションがおかしく、 虐められっ子っぽいオーラがところどころ滲み出ている面白いキャラクターです。
そんなロビーに振り回される形で半ば強引にCIAの任務に付き合わされるカルビンですが、こちらもこちらでかつてのヒーローのような姿はしっかり影を潜めていて、小者感が物凄く漂っています。
人生が逆転した二者が織りなすドタバタ劇って、そのキャラクターの掛け合いだけでも面白いコメディが成立します。
実際この映画、本筋の闇取引の阻止という部分がゆるやかに進む一方で、カルビンとロビーのやりとりが実質メインといってもいいくらいの構成になっている気がします。
後半、アーロン・ポール演じるフィルが登場。
ボブことロビーの元相方で死んだと思われていましたが、死ぬどころかこの映画のラスボス枠でした。
アーロン・ポールってマジで面白いくらい顔変わりませんよね。
『ブレイキング・バッド』のジェシーの頃からしか知らないんですけど、この人全然老けない。
メインストーリー自体も結構しっかり組まれている方なんですが、コメディ映画らしいというか、笑える要素の方が優先されていてる感じがしました。
真の黒幕は誰なのかという謎解き要素も挟みつつ、最後までドタバタやります。
ストーリー自体に重苦しさは乗せていない一方で、ロビーのキャラクター自体に重めの要素があります。
虐められっ子のトラウマを扱うシーンや、カルビンと話すときには無理やりテンションを上げているのがわかるシーンなどです。
最も、この映画の最期はカルビンもロビーもお互いに自分自身のコンプレックスを克服してハッピーエンドとなるので安心です。
ラストは女に接吻しながら全裸で踊り狂うロック様も見れるぞ。
■まとめ
基本は闇取引を阻止する為に頑張る二人の男の物語ですが、その事件を通じてお互いに成長していく様を描いているというのが本質でもありました。
ただ、シリアスな場面は少なく、映画を通してコメディとしてまとめてあるので最後まで楽しく視聴することが出来ます。
破裂する(と見せかける)アーロン・ポールや指がひん曲がるドウェイン・ジョンソンなんかも見られます。
面白いのでお勧めです。
ではまた。