フラッシュ シーズン4(2017-2018/アメリカ) バレあり感想 今作のヴィランがヤバい奴すぎて所々に見え隠れする雑さが気にならないレベル。
相変わらず面白いドラマですが、シーズン4ともなると登場人物も多くなりますし、設定もかなり入り乱れてきます。
結果として全体的にまとまりの無い主人公サイドの物語を、敵サイドの動向で強引に牽引するかのような構図になっていました。
『フラッシュ シーズン4』
ネタバレ有りの感想記事です。
■ストーリー
スピードフォースから帰還したバリー。
新たな敵は頭良すぎて頭良いとかいうレベルを超えた何かを実現させる元大学教授。
■感想
ワイルドスピードシリーズよろしくなチームメンバーはファミリーで最高だぜノリが今までの比では無いほど前面に押し出されています。
これは究極にサイコパスで孤独な今回のヴィラン、シンカーとの対比と、彼を倒す唯一の鍵として徹底的に家族の重要性を協調した結果でもあるのですが、
シーズン3であんなに頑張っていたマルフォイに、第一話で一瞬セリフで触れるのみなのがなんともモヤモヤしました。
マルフォイだってチームフラッシュにあれだけ絶大な貢献をしたのに。
今回は、新たな仲間としてエロンゲイテッドマンが登場。日本人にとってこの名前はきびしい。
能力はギアサードまで実装済みのゴムゴムの実。
また、アース2のハリー・ウェルズも諸事情でアース1に長期滞在することになり、正式にチームメンバーとなりました。
これに合わせてキラーフロストとケイトリンの仲直りと離別、セシルがジョーの子を妊娠、バリーとアイリスの新婚イチャラブ要素なんかが絡み合います。
新たな仲間や、バディモノ要素の推し出しなんかもあり、ハリーはシスコと、バリーはラルフと組むような流れになりますが、
これが結果としてバリーとシスコの絶望的なレベルでの掛け合いの薄さと、シスコというキャラの魅力の剥離に繋がる事に。
今シーズンの本当に残念だった点がここで、ラルフの存在がシスコからコメディリリーフ要素を奪い去り、魅力的な掛け合いの相手としての立場も奪い、シスコはたまに苛つく命名請負人程度の存在に落ち着いてしまっていました。あと戦闘要員ね。
ラルフというキャラクター自体はシスコとは全く別ベクトルのコミカルなキャラクターですし、共存させることも難しく無さそうなのに。
今シーズンのシスコはどちらかというと頭が固い頑固なやつみたいになってるのが残念です。
一方で今作のヴィランの描き方は、これまでのどのシーズンよりも良かったです。
今まではイオバート・ソーン、ズーム、サビターといずれもスピードスターがラスボスとして登場していましたが、
今作のラスボスでメインヴィランのシンカー/クリフォード・デヴォーはハリーを超える超天才科学者。
ようやく鬼ごっこの次の段階へ進んだぜ。
シンキングキャップという思考能力を向上させてくれる謎ヘルメットを通して流れ込んだダークマターにより、メタヒューマンとしても比類なき知性を手に入れてしまった男です。
しかも、意図的に新たなメタヒューマンを生み出し彼らの力を取り込むことで、戦闘でも思考能力でも他の追随を許さない極めて強力な力を持った存在へと変貌していきます。
人間としての情動があるのかどうかも曖昧で、作中でもソシオパスだサイコパスだ散々言われるレベルの狂人であり、感傷的なゆさぶりすら通用しないという厄介すぎる敵です。
あと、ブラックスミス/アミュネットというヴィランも登場します。
彼女もまた魅力的なキャラクターでした。
キラーフロストの上司的存在にして、悪い事をするのが楽しくて仕方なさそうな雰囲気が立ち込めすぎて逆に良い奴っぽくなるタイプの悪役。
こちらはいかにもDCっぽい悪役って感じです。
シンカーが狂気度高めな相手なこともあり、アミュネットの存在がそれなりに悪役側のバランサーとしての役割も担っていたように思います。
今シーズンで中心となるエピソードこそいくつかあるものの、現時点では表立った活躍は無く、次シーズン以降の活躍が楽しみなキャラです。
とにかくこのシンカー、クリフォード・デヴォーという異質すぎるヴィランの存在が、ドラマ全体の惰性感に待ったをかけていて、チームフラッシュの御家芸的な仲間割れタイムもそれなりに抑制してくれたりします。
特に中盤からは「仲間割れしてる場合じゃねえ!」という焦燥感が常に纏わりつき、是が非でもシンカーの動向を掴んで先手を打たないと状況が悪くなる一方という状態が続きます。
最後はチームフラッシュの輝ける家族の力と、シンカーの思考を乗っ取るという奇策でなんとか倒せたものの、
ここに至るまで、またシンカーを倒して以降も彼の読みによる対抗策は常に動き続け、バリーは今シーズンでは文字通り最後の最後までピンチに追い込まれ続けていました。
そんな感じで、サビターとかその手の奴らとは全く別次元のヤバい奴として、クリフォード・デヴォーの存在はかなり個性的でした。
■〆
個人評価:★★★☆☆
全体的にキャラクターの描き方とか、物事の問題解決までのプロセスとか、いままでのシーズンよりも雑だったように感じる点が多かったです。
しかし、クリフォード・デヴォーが徐々に歯止めの効かない奴に変貌していき、21話辺りから最終話までで一気にドラマのテンションを持ち直してくれます。
正直シーズン3の面白さに比べれば数段格落ちしている感は否めません。
ヴィランの異質さで今シーズンはなんとか持ち直しているように思います。
次シーズンへのクリフハンガーもしっかり挟み込んでいますし、まだまだこのドラマは楽しめそうです。
次はマルフォイ復帰させてほしい。
ではまた。
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